ヴィクトリアロード

ヴィクトリアロード（Victoria Road）とは、2020年生まれのアイルランドの競走馬（騙馬）である。

概要

父Saxon Warrior、母Tickled Pink、母の父Invincible Spiritという血統。3歳下の全弟に2歳リステッドを勝っているAndabがいる。
父はディープインパクト産駒で2000ギニーステークスなどG1・2勝を挙げており、本馬はその初年度産駒である。
母は英G3を2勝している。母の父は短距離G1スプリントカップの1勝のみだが、種牡馬としてはkingmanなどを輩出するなど短距離を中心に目覚ましい活躍を発揮していた。
また牝系にも活躍馬が多く母母のCassandra Goは短距離重賞を3勝、その産駒（本馬の母の半姉）Halfway to Heavenはマイル～中距離のG1を3勝し繁殖牝馬としてもG1・3勝のRhododendronとG1・7勝のMagicalの姉妹を送り出している。更に本馬と同じ年に生まれたRhododendronの産駒：Auguste Rodinは父ディープインパクトのため本馬と父系も牝系も同じくする近親であり、2歳から4歳で英愛ダービーやBCターフなどG1を6勝した。

2歳時（2022年）

管理するのはアイルランドの名伯楽：エイダン・オブライエン、主戦は厩舎所属のライアンムーアが務める。
5月9日ロスコモン競馬場の未勝利戦でデビューするも4着。その後、カラ競馬場の未勝利戦やネース競馬場の一般競走2戦の計3走するもそれぞれ2・2・4着と勝ち切れない競馬が続く。

初勝利を挙げたのは8月10日ゴウラン競馬場の未勝利戦であり、ここから彼の成績は一変した。
続いてフランス・ドーヴィル競馬場に渡りエレバージュ賞(L)に出走して勝利。パターンレース初勝利を果たした。
なおこの時の2着馬：Blue Rose Cenは次走以降G1の3レースを含む重賞5連勝でフランス牝馬二冠を達成し最終的にG1を4勝している。

次走もフランスのコンデ賞(G3)に出走。ハナにも立てそうなほどの抜群の発馬を決めるも鞍上のムーア騎手が手綱を引くと後方2番手まで控える。折り合いもよく迎えた直線は大外から末脚を炸裂させて、先に抜け出していた馬をゴール前でクビ差で差し切り勝利。Saxon Warrior産駒初のグループ競走優勝馬となった。

その後はアメリカに遠征してブリーダーズカップジュベナイルターフ(G1)に出走。ここでも発馬を決めるも中団前方の内に控える。直線で外に持ち出す際に挟まれ気味になるがそこから抜け出して内から抜け出した馬との叩き合いを制して4連勝で優勝。父に初のG1初制覇を捧げた。

3歳以降

明けて2023年。3歳はジョッケクルブ賞（フランスダービー）を目指してフランスクラシック路線を進むことになり、始動戦としてフォンテーヌブロー賞(G3)に出走
・・・の予定であったが、フランスへのフェリー輸送中に脚を負傷し休養を余儀なくされてしまう。

これによりクラシックを棒に振り復帰が叶ったのは8月のギョームドルナノ賞(G2)だったが、この年のフランスダービー馬にしてこの後に無敗のまま凱旋門賞を勝ってカルティエ賞年度代表馬となるAce Impactの7着に敗れる。

次走9月のダリンガムパークS(G2)ではやや巻き返した3着としたが、この後に本馬に将来的な種牡馬入りも含めて興味を持ったオーナーに購入されオーストラリアへの移籍が決定。
10月にオブライエン厩舎所属としての最後のレース：コックスプレート(G1)に出走するも9着。現地のC・マハール＆D・ユースタス厩舎に移籍直後11月に出走したチャンピオンズマイル(G1)でも7頭中7着の最下位と低迷。その後は2024年の秋シーズン（3月）に行われるG1級競走のジ・オールスターマイルやオーストラリアンカップを目指して休養に入った。

・・・が、またしても本馬を悲劇が襲う。始動戦を目指した2024年秋頃、厩舎スタッフの目の届かない間に治療後も脚に痕が残るほどの切り傷を負ってしまったのだ。
これにより当初の予定は全て崩れ長いリハビリ生活が始まる。そしてこの間に調子が上がらないことから去勢され騙馬となった。

月日が流れリハビリや模擬レースを経て2年ぶりの復帰レースを迎えたのは2025年10月。本馬は6歳^[1]になっていた。復帰戦のオープンハンデは8着であったが戦前から陣営は長い目で見ていくというような話をしておりこれからも競走馬生活を続けていくものと思われる。

血統表

Saxon Warrior 2015 鹿毛	ディープインパクト 2002 鹿毛	*サンデーサイレンス	Halo
			Wishing Well
		*ウインドインハーヘア	Alzao
			Burghclere
	*メイビー 2009 鹿毛	Galileo	Sadler's Wells
			Urban Sea
		Sumora	*デインヒル
			Rain Flower
Tickled Pink 2009 芦毛 FNo.3-d	Invincible Spirit 1997 鹿毛	Green Desert	Danzig
			Foreign Courier
		Rafha	Kris
			Eljazzi
	Cassandra Go 1996 芦毛	Indian Ridge	Ahonoora
			Hillbrow
		Rahaam	*セレクト
			Fager's Glory

クロス：Indian Ridge 3×5(15.63％)、Danzig 5×4(9.38％)、Northern Dancer 5×5×5(9.38％)

関連項目

• 競馬
• 競走馬の一覧
• サクソンウォリアー
• 2023年クラシック世代
• オーギュストロダン

脚注

1. *北半球と南半球では馬の繁殖時期が半年違うため馬齢を加算する日も異なり北半球生まれの本馬は2025年8月1日に6歳を迎えたことになる。