アホヌーラ(Ahonoora)とは、1975年生まれのイギリスの競走馬。
競走馬としては一介のスプリンターだったが、種牡馬として活躍を収め、父系は現在も残っている。
アンビオリクスと*パーソロンの系統がほぼ断絶した現在、ヘロド系最後の砦とも言うべき系統の祖先。
名前はアラビア語で「戦いの時にあげる雄叫び、鬨の声」。
父Lorenzaccio、母Helen Nichols、母父Martialという血統。
父ロレンザッチオはフォワ賞や英チャンピオンSなどを制した名中距離馬で、5歳時に優勝した英チャンピオンSではかのニジンスキーを1馬身半離して勝利している。母ヘレンニコルスは12戦5勝、母父マーシャルは英2000ギニー馬、ついでに母母父ウィスラーは短距離馬である。近親に活躍馬は見当たらない。
血統で一番見て欲しい所は父ロレンザッチオを起点としたサイアーラインの部分で、クレイロン、クラリオン、ジェベル、トウルビヨン……と続き、更に遡るとヘロド、更に更に遡るとバイアリータークに突き当たる。そう、本馬はヘロドの直系子孫である。ちなみに本馬が生まれた1975年時点でのヘロド系は、ほぼトウルビヨンの系統に集約され、子孫であるクレイロンや*パーソロン、リュティエらが種牡馬として活躍しており、いまだ活力に溢れていた。
競走馬としてのアホヌーラは通算20戦7勝。
勝ち鞍はスプリントチャンピオンシップ(GII)とキングジョージS(GIII)があり、他にもキングススタンドS(GI)で2着など、短距離を中心にそこそこ活躍していた。
引退後にアイルランドのナショナルスタッド(国有企業が運営する牧場)にて種牡馬入り。GIも勝ってない競走馬だし、当時ヘロド系種牡馬もそこそこいたのでさほど期待はされてなかったらしい。
しかしアホヌーラは早くから結果を出す。初年度産駒から重賞馬を2頭輩出し、2年目の産駒には2歳牝馬チャンピオンのパークアピールを出し、一躍人気種牡馬へとのし上がる。
代表産駒には重賞3勝を挙げて後継種牡馬として活躍したインディアンリッジ、英愛2000ギニーを制したドントフォーゲットミー、エプソムダービーを制しジャパンカップにも来た*ドクターデヴィアスがいる。産駒は*ドクターデヴィアスを除けば大半が自身同様の短距離馬である。
母父としても非常に優秀で、種牡馬としてシーザスターズやゴールデンホーン・ウィジャボードを出したケープクロス、BCディスタフなどGI競走11勝を挙げた*アゼリ、他にもニューアプローチやルロワデザニモーなどを出しており、「種牡馬の母父」として活躍する傾向にある。
日本では産駒が少数輸入された程度だが、本馬を母父に持つシンコウフォレストが外国産馬として高松宮記念を制しており、またアホヌーラ系を母父に持つ馬にはダイワエルシエーロやロジユニヴァースがいる。
1989年にシャトル先のオーストラリアにて、放牧時の事故により14歳で死亡。早すぎる死であった。
さて、2018年現在でのアホヌーラの子孫達だが、直系はキチンと残ってます。
というより、現代ではヘロド系=アホヌーラ系と見做ししても良いくらいヘロド系が衰退してます。
これに関して説明すると以下の通り(以下、「父系馬鹿」のサイトの「ヘロド系
」「トウルビヨン系
」より)。
前述のインディアンリッジ産駒であるコンプトンプレイスが短距離を中心にニッチを確保したが、欧州では短距離馬を去勢することは日常茶飯事であり、後継がGIIを制したパールシークレットのみ。他にもインディアンリッジの孫であるドゥーナデンがメルボルンCや香港ヴァーズを制し種牡馬入りした程度である。
幸いなのはカタールの王族であるファハド殿下が、ドゥーナデンの産駒がレースで勝ったらインセンティブを支払うという制度を作り、サイアーラインの継続に力を注いでくれている人がいる事だろうか。そのドゥーナデン産駒は2018年デビューである。
パールシークレットもドゥーナデンも60頭近い牝馬を集める事には成功している。ただドゥーナデンは2019年に早世したので、今後には暗雲が漂っているような印象を受ける。
日本人がヘロド系の衰退に哀愁を感じるのは、パーソロンやダンディルートなど数代に渡って父系が発展してきたのを見てきたからだろうか。
| Lorenzaccio 1965 栗毛 |
Klairon 1952 鹿毛 |
Clarion | Djebel |
| Columba | |||
| Kalmia | Kantar | ||
| Sweet Lavender | |||
| Phoenissa 1951 鹿毛 |
The Phoenix | Chateau Bouscaut | |
| Fille de Poete | |||
| Erica Fragrans | Big Game | ||
| Jennydang | |||
| Helen Nichols 1966 栗毛 FNo.1-m |
Martial 1957 栗毛 |
Hill Gail | Bull Lea |
| Jane Gail | |||
| Discipliner | Court Martial | ||
| Edvina | |||
| Quaker Girl 1961 芦毛 |
Whistler | Panorama | |
| Farthing Damages | |||
| Mayflower | Borealis | ||
| Foliage | |||
| 競走馬の4代血統表 | |||
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最終更新:2025/12/25(木) 03:00
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