うちはオビトとは、漫画『NARUTO』に登場するキャラクターである。
第一部と第二部の間に掲載された『カカシ外伝~戦場のボーイズライフ~』で登場した、ゴーグルを愛用している短髪の少年。13歳。初登場は2巻の扉絵の写真。
本編より十数年前の人物。
うちは一族出身の中忍で、波風ミナト、はたけカカシ、のはらリン、オビトで構成される通称『ミナト班』に所属している。
チーム全体の仲は良好なようだが、カカシとは性格の違いから気が合わず、よく喧嘩をしていた。
ズボラなのか遅刻癖があり、遅刻するたびにカカシに怒られていた。
仲間想いの熱い性格であり、お年寄りにも優しかったようで、荷物を運んであげたりしていた。本人曰く、「木ノ葉に住んでいるお年寄りに知らない人は居ない」らしい。遅刻の原因の大半がコレだったりする。 割とドジだったようで、飴玉を舐めながら火遁を使おうとして喉に詰まらせた事がある。
幼い頃から同じ班に所属していたリンに好意を寄せており、彼女に告白を試みた事もあったが機会に恵まれず、未だに告白出来ずにいる。しかし、彼女がカカシを好いている事に気付いており、複雑な感情を抱いている。彼女を前にすると張り切っていいところを見せようとしてよく怪我をしていたようで、その度に彼女に手当てをして貰っていた模様。
将来の夢は火影になって里の皆を守ること。 その際顔岩にゴーグルをつけることを強調していたことからゴーグルには強い愛着があるようである。
うちは一族の出身ではあるものの、血継限界である写輪眼は開眼出来ていない。 それ故に自身を落ちこぼれと卑下している。因みに先祖はあのうちはマダラで、彼の子孫に当たるらしい。
また、同期にあたり、同じくカカシをライバル視していたガイとも面識があったようで、彼の人の顔を覚えないクセについても知っている。 中忍試験では個人戦、団体戦共に彼にぶっ飛ばされている。
第三次忍界大戦当時はミナト班として行動していたが、未だに実力面、精神面共に未熟な面が目立ち、敵を目の前にして恐怖で動けなくなったり、涙を流したりしていた。
この点はミナトにも指摘されており、忍として強い心を持つように言われている。
その後、ミナトからカカシの事情について説明された事で不器用ながらも和解を試みた。そしてカカシをリーダーに、カカシ、リン、オビトのスリーマンセルで任務達成を目指すも、任務の最中に敵にリンを攫われてしまう。 彼はリン救出を優先しようとするも、任務達成を優先しようとしたカカシと意見が対立。 カカシと喧嘩別れした彼は単独でリン奪還を試みるも、敵に見つかり、窮地に陥る。
しかし、オビトの
「確かに忍者の世界でルールや掟を破る奴はクズ呼ばわりされる……けどな! 仲間を大切にしない奴はそれ以上のクズだ!!!」
という言葉にルール以上に大切なモノを感じ取ったカカシに助けられる。 そして二人で協力して闘うが、敵の攻撃から自身を庇ったカカシが手傷を負って片目を失明してしまい、再び絶体絶命の危機に陥ってしまう。
しかし、友と自身の危機に写輪眼を開眼。カカシと共に敵を蹴散らし、リン救出にも成功するが、直後に敵の増援部隊の土遁からカカシを庇った為に岩に半身を潰される重傷を負ってしまう。自身の死を悟った彼は、上忍祝いの品としてカカシに左目の写輪眼を与えた後、カカシにリンを守る事を頼みながら、岩に押し潰され死亡した。 最期の瞬間には「カカシともっと仲良くなりたかった」「リンに告白したかった」「もっとみんなと一緒に居たかったな…」と残念がっていた。
現在は「神無毘橋の英雄」の片割れとして名を慰霊碑に刻んでいる。 ちなみに、本編のカカシがよく遅刻するのは彼の慰霊碑に立ち寄っている為。
朝速くにやって来ているがついつい遅くなってしまうという。
カカシは自身がリンを守る約束を守れなかった事を悔いており、慰霊碑の前で『今のオレを見たらなんて言うんだろうな? なあ…オビトよ』と呟いている。
オビトの『仲間を大切にしない奴はそれ以上のクズだ!』という言葉は今でもカカシの心に大きく影響を与えており、それは次世代のナルト達にも伝わっている。
仲間思いで負けず嫌いだったり、火影を目指していたりなど、何処となく雰囲気がナルトに似ており、オビトを知る人物(主にカカシ)はナルトに彼の面影を重ねている所がある。
第599話「うちはオビト」にて衝撃的な再登場を果たす。
それまで仮面の男・トビの正体は、木ノ葉創設者の一人であるうちはマダラだと思われていた。しかし、第559話にて薬師カブトが穢土転生で本物のうちはマダラを転生させたことにより「仮面の男=マダラ」説は消え、一層その正体を巡って読者の間で話題が沸騰した。
そして、第598話の終盤にうずまきナルトによって面が破壊され、第599話にて遂に彼の正体が判明。その正体は、神無毘橋の戦いにて死亡したと思われていたはたけカカシの親友・うちはオビト本人であった。
実は地下で生きながらえていたクレイジーサイコホモうちはマダラに助けられていた。しかし、マダラ曰く意図的に助けた訳ではなく、たまたま通路に居たから拾ったとの事(恐らく神威が偶発的に発動して通路に落下した)。岩に潰された右半身に千手柱間の細胞で作られた人造体を移植することでかろうじて生き延びていた(その際の移植痕は身体の右半身に痛々しく残されている)。当初はマダラの『月の眼計画』に協力する気はなく、カカシ達の下へ帰るべく懸命なリハビリをしていたが、ゼツによってカカシとリンが霧隠れの暗部によって危機に陥っていることを聞かされ、グルグルのゼツの体を全身に纏ってカカシ達のもとへと向かうも、そこで目にしたものはカカシがリンの命を奪う瞬間であった(ちなみにこのときリンは三尾の人柱力にされており、リンが里へ戻ったところでリンの中の三尾を暴走させて木ノ葉を潰すのが霧隠れの狙いだった。リンはこのことに気づいていたため、カカシが霧隠れの忍に向けて放った雷切に自ら突っ込むことで自害したのである)。リンを失った悲しみと怒り、絶望に心を支配されたことにより万華鏡写輪眼を開眼。その瞳力と木遁の力を暴走させてその場にいた霧隠れの暗部達を皆殺しにした後、「リンが存在する世界」を創るべくマダラの計画に乗ることを決意する。
マダラの死後、本物のマダラが復活するまでの代行者として「月の眼計画」実現のため暗躍する。その手始めに弥彦、長門、小南に接触し「暁」を設立させ、弥彦の死後は暁を戦闘集団へと作り替えていった。17年前のナルトの誕生日には「九尾事件」を引き起こし、自身の師である四代目火影・波風ミナトや、その妻・うずまきクシナをはじめとする数多くの人物を間接的に殺害した。それから数年後にはうちは一族がクーデターを目論んでいることを知り、その隙を突いて再びマダラの望む木ノ葉への復讐を実行に移そうとしていたが、自身の存在に気付いたうちはイタチから「うちは一族への復讐に協力する。代わりに里とサスケには手を出すな」との取引を持ちかけられてこれを呑み、うちは一族をサスケを残して全滅させた。
現在の性格は当時とは打って変わって冷酷。サスケが香燐を傷付けた時も、「仲間を大切にしない奴は屑」とかつては語っていたにも関わらず、楽しそうに笑っていた。
カカシについては「後悔だらけの生涯を送るに相応しい男。口先だけの男に成り下がったお前の言う言葉には何の価値も意味もない。お前に言うことはなにもない。ただ死ね、この現実に縛られて」と散々な評価であり、もはや何の感情も抱いていないと語っている。カカシェ……。
とか何とか言いつつ、カカシに負担のかかる神威の無駄撃ちを親切に止めたり、カカシが事あるごとに自分やリンの墓参りをしていることを知っていたり、自分への負い目から本気で戦えないカカシに対して、「お前が俺に罪悪感を抱く必要は無い」とベラベラ自分の事を語り出し、しまいにはカカシを「月の眼計画」に勧誘したりと、どう考えてもカカシを意識しまくりである。
リンの死についての真相も知っており、彼女が木ノ葉を守るために自分自身の意志で自らカカシの手によって死ぬ事を選んだことも知っている。彼が本当に絶望したのはリンやカカシにそのような選択をさせた世界そのものだという。ちなみにリンの死によってマダラに協力を決意したものの、リンやカカシを思っての行動ではなく、「本物のリンは生きていなくてはならない。だから死んだリンは俺にとって偽物。リンを守れなかったカカシも偽物」という身勝手極まる超論理によるものである。
実はマダラによって心臓に呪印札を仕込まれていたために彼に逆らえなくなっていたが、カカシの雷切を故意に受けてこれを排除。マダラを出し抜く形で十尾の人柱力となり、六道仙人と同等の力を得るも、かつての自分とよく似たナルトと戦う中で迷いが生じたことにより、取り込んだ尾獣を引き抜かれて敗れた。
カカシとミナトにこれまでの想いを吐露したのちに改心し、命と引き換えに輪廻天生の術でこの戦いの犠牲者たちを蘇らせようとしたが、マダラの命を受けたゼツに操られて術の対象がマダラに変えられてしまった。輪廻天生を使ったことで死は免れなくなったが、その力はマダラ及びカグヤとの戦いでナルト達を大いに助けることとなった。
最期はナルト、サスケ、カカシを己の身を盾にして庇ったことにより致命傷を負ったために、必ず火影になれという言葉をナルトに残して微笑んでこの世を去った。その身体は崩れ去ったが、残ったチャクラをカカシに託し、死してなお大きな力となった。
戦いの後に精神世界でカカシと対話し、友として別れができるだけでいいと言うカカシに礼を告げて、彼をずっと待っていてくれたリンの魂とともに旅立った。
作中ではラスト付近でしか同一人物に両の眼が揃う事が無かったオビトの万華鏡写輪眼だが、これが本来あるべき通りにオビトが両方とも所持していたとしたら、オビトはとんでもないチートキャラになっていたのではと言う考察がある。
もっとも、これだけの多様な術をバカスカ使いまくるとチャクラが足りるのかと言う問題が出てくる。
作中後半のオビトは半身が柱間細胞でできていたため、永遠でない万華鏡を連続使用するリスクやチャクラなどの問題が殆ど誤魔化されていた状態だが、「半身を潰されておらず眼を失っていないオビト」だったなら写輪眼の移植問題を考える必要が出てくる。逆に言うと、作中後半のオビトがカカシから万華鏡を返してもらっていた場合、柱間細胞のチャクラで上記のチート能力を使い出す事になる。
急上昇ワード改
最終更新:2024/05/08(水) 12:00
最終更新:2024/05/08(水) 12:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。