カガリ・ユラ・アスハとは (カガリユラアスハとは) [単語記事]

カガリ・ユラ・アスハとは、機動戦士ガンダムSEED及び、その続編である機動戦士ガンダムSEED DESTINYの登場人物である。

概要

無印、運命双方の第一話から登場している実質的なレギュラーキャラクターにしてヒロインの1人。無印の中盤で判明したその正体は中立国家オーブ連邦首長国代表、ウズミ・ナラ・アスハの娘。ウズミの実の娘というわけではなく、主人公であるキラ・ヤマトの実母、ヴィア・ヒビキの要望で普通の子供として生まれた双子である。因みにこの設定が当初から予定されていたものでは無かったのか、途中でプロフィールが変更されていたりする。

基本明るく男っぽい口調で喋り、他人と接する時の態度も砕けていて相手に媚びない強気な態度でいることが多い。しかし本人は男と勘違いされることを極度に嫌っており、作中でもキラとアスランに女と認識されなかった際にはマジギレしている。一応一人称はあたし(もしくは私)なのに・・・
といってもそれは無印中盤での立場上の問題(反ザフト軍のレジスタンスにお忍び参加)もあり、オーブ代表の娘としてきちんとした正装をしている際にはちゃんと女らしくは見えている。

無印第一話で登場し、中盤でレジスタンス明けの砂漠のメンバーとして近くに不時着したアークエンジェルとそのクルーであったキラと再会。その後は成り行きでお付きのキサカと共に押しかけ同然にアークエンジェルへと同乗する。ここからオーブへと戻る間にザフト兵であるアスラン・ザラと成り行きで遭遇し、互いに気になる相手として認識するようになる。

オーブ代表の娘としての立場が露見し、オーブ本国へと着いた後はアークエンジェルから降りることになる。その後はキラのストライクを撃ったアスランと再会し「もう誰も死んで欲しくない」と思いを込めて、ハウメアの守り石を手渡す。

その後、生きていたキラやそれを追ってきたアスランとの三度目の再会を経た後、地球連合によるオーブ進攻作戦に巻き込まれる。そして宇宙へと上がる直前に父であるウズミから出生の秘密を明かされ、炎に焼かれるオーブの姿をその目に焼き付けることとなる。そして宇宙に上がった後は亡き父の想いを胸に戦艦クサナギのクルーとして終戦まで戦い抜いた。

DESTINY時代は正式にオーブの代表となるも、年若い故にその立場のしがらみで苦悩する場面が多い。オーブの理念や前大戦の悲劇を目の当たりにした人間として強すぎる力の愚かさを説いていたが、デュランダル議長やシン・アスカといった人物たちの理解は得られなかった。

地上に降りた後はこれ以上オーブを戦渦に巻き込むわけにはいかないと自分の感情を抑えて、許嫁であるユウナ・ロマ・セイランとの婚約や、連合との同盟締結を認可するも、結婚式場に乱入してきたキラによって拉致される。その後はキラの説得を経てアークエンジェルに同行することになり、オーブ軍が戦闘行動を行うのを阻止する為に度々出撃した。

その後はデストロイガンダムのベルリン侵攻戦防止やザフト軍によるエンジェルダウン作戦等を経てオーブに戻ってくる。ロゴス代表ロード・ジブリールの身柄を巡って再びオーブが戦火に焼かれようとしていた中、ウズミからの遺言と極秘MSであるアカツキを受け取り再び戦場へと戻る。そのドサクサで何故かユウナを国家反逆罪で捕らえ、自身がオーブ代表へと返り咲いた。

デュランダルによるデスティニープランの提唱時には真っ先に反対を表明し、今まで放浪の身であったアークエンジェルやラクス一行を正式にオーブ軍として編入する。自身はオーブ代表として国の混乱を纏める為に地上へと残った。

批判・問題点

※作中事実の関係上、かなり偏り気味になっているのでそういうのが苦手な方は注意!!

例によって例の如く種シリーズの主要人物ということでやはり批判・アンチが多い。

無印時代の頃はまだそうでもなかったが、他の続投組と同様に彼女もDESTINY以降の描写、代表になってからの身勝手な振る舞いの数々が問題点としてよく挙げられている。

序盤の時点でまず自らオーブ代表としてプラントへと出向きプラント側の代表であるデュランダル議長と謁見。オーブから流れてきた技術者の軍事利用に関して苦言を呈したり、ザフト側の新兵器の数々を前にして「強すぎる力はまた争いを呼ぶ！」などと感情を露にしたりと、スタンスの違いからデュランダルと対立している。
が、後述するように彼女も彼女で他国の兵器であるアークエンジェルやフリーダムといった兵器を密かに修復していたり、知らなかったとはいえアカツキというトンデモ兵器を隠していたりする。ましてアークエンジェルやフリーダムは前大戦のゴタゴタでオーブに所属していただけであり、しかもフリーダムに至っては既に条約違反に該当する正に「強すぎる力」に他ならない。そんな有様で他国の代表に強すぎる力がどうとか説いても正直言って説得力が無いと言われてしまってもしょうがないのではないだろうか？

ユニウス７落下の際には地球への一大事に対しての認識が薄いミネルバクルーに怒りをぶつけ、それに対して更に憤ったシン・アスカから当時のオーブの理念を守り通すという決定の所為で自分は家族と居場所を奪われたと聞かされる。が、その時にしたことと言えば真っ向から反論するでも、申し訳ないと謝るでもなく、個室で２人きりになってから恋人であるアスランに泣きつくという情けない行為である。
ウズミの死後、あの年齢で国を背負って立つという立場もあり、その両肩にかかるプレッシャーも非常に大きいものだったことを考えれば仕方のない行動だったとも言えなくもないが、一応は国の代表であり自らもデュランダルに食ってかかるくらいにオーブの理念を声高に掲げている割には、シンの様にその理念の所為で辛い思いをしている人間もいるという事を考えていなかったばかりか、それに対して何も言えないとあっては流石に浅はかであるとしか言いようが無い。

オーブに戻ってきた後も大西洋連邦との条約に関して不満を漏らしていたりもしたが、また理念によって国を燃やしては元も子もないのは明白であり、同じ五代氏族であるユウナ・ロマ・セイランから「国はあなたのオモチャではない!!」などと言われてしまっても仕方ない面もある。それで納得いかないながらも自分も条約の締結に同意したのだが、キラによる結婚式場拉致とその後の説得によって結局はその考えもすぐにぶれぶれになる。

そしてその後に決行されるのが連合。オーブ同盟軍とミネルバ陣営の争いに乱入しての戦闘停止の呼びかけである。ダーダネルス、クレタで行われたこの戦闘停止声明は、キラによる強制的な拉致行為であったとはいえ自分から姿をくらませてオーブ国内の指揮を投げっぱなしにしている上、そもそも連合との同盟締結はカガリ本人も納得して行っていたというのに極めて短絡的な行動としか言いようが無い。
とっさにユウナが偽物扱いしていたり、ババのような状況を理解しているMS パイロットがいたからこそ事なきを得たが、あのままもし本当にオーブ軍が戦闘を止めようものならすぐ側にいる連合がどうしていたかは明白である。自分の行為が逆に祖国の首を絞めていることに気づいていないのである。

その後は何故かユウナが唐突に無能化したこともあって、ジブリール引き渡しを巡るゴタゴタの最中にオーブ本国へと復帰。ジブリールの味方をする身勝手なユウナを部下に命令させてボコボコにした上で捕縛させ、自らも鉄拳制裁を行ってユウナを更迭。自分がオーブ代表へと復帰してザフトに対して徹底抗戦の構えを見せる。
が、これらの行為もそもそも何度も言っているように国政をほったらかしにしているのは紛れもないカガリ本人であるのに(一応ユウナに自分も悪い的なことは言っていたが)まるでユウナが全ての元凶である言わんばかりに周りのオーブ軍人共々その罪を擦り付けているのである。
あの段階でジブリールに協力するメリットは殆ど無く、ユウナの短絡的な判断がオーブを再び戦火に巻き込んでしまったことは事実ではあるが、そもそもそんな混乱状態の中で本来は文官担当のユウナに指示を求めてばかりでロクな命令もせず動こうとしなかったくせに、カガリが戻ってきた途端にやる気を見せてユウナをボコボコにしたりするオーブ軍人も異様としか言いようが無い。
そして何故かカガリも肝心のユウナを更迭した後にザフトと徹底抗戦する構えを見せてしまう。状況が状況で今更後には引けなかったのかもしれないが、本来ならザフトに対して呼びかけを行うなりしてまず先にジブリールを探し出すことを優先すべきである筈なのに、何故かわからないが抗戦することを決めたカガリの判断はどうにも理解し難い。その結果、キラやアスランを中心としたクライン派陣営も大暴れした結果、ジブリールがまんまと逃げだして、結果的にレクイエムによってプラントに甚大な被害がもたらされることになるのだから全く以て笑えない。
しかもその後の代表復帰演説の際にはそれらの問題に関しては一切触れずに、既に全世界で支持を得ていたデュランダルに対する抗議演説を始める始末である。最終的な結果を考えればデュランダルも決して正しい人物では無かったのも確かだが、今まで政務をほったらかしてその責任もロクに取らずにいたカガリが今更そんなことを言いだしてもはっきり言って的外れとしか言えない。

そして最終的にデュランダル議長の唱えたデスティニープランに異を示し、それに対抗する為にオーブ軍をプラントに向けることになり、自分は地上に残ることになる。
尤もこれに関しても今まで散々無差別に戦場に乱入して被害をもたらしていた正規軍とはとても言い難いキラたちクライン派一行を自軍に組み込むなど、自分の立場を乱用した行動を取っているとしか言えず、レクイエムのことに関しても、そもそもオーブが今までプラントにしてきたことを考えれば寧ろ向けられないと思う方がおかしいレベルの話であり、何より自分から軍を動かしてプラントに対して攻撃をするということ自体、今まで頑なに叫びその結果で被害をもたらしているという現実を前にしても尚も貫き通そうとしたオーブの理念をあっさり放棄してるということに他ならない。これでは今までその理念の所為で色々と苦しい思いをしてきたシン・アスカやババといった人々を舐めきっているとしか思えない。

・・・とまあこのように挙げるとキリが無く、理念や感情論、個人の意思が優先され自分の立場や他者の考えを軽視しがちという意味合いでは同じ主要キャラであるキラ、アスラン、ラクスらと共通しており、良くも悪くも話題が尽きず議論の的となるキャラクターである。

ゲーム作品での扱い

主要人物であるので種シリーズが参戦したゲームでの彼女の登場も多い。

スパロボ初参戦である第３次スーパーロボット大戦αではエヴァのキャラクターとの絡みが多く、α ナンバーズを素人呼ばわりしたりしたがシンジに軽くあしらわれたりアスランとの関係をアスカにからかわれたりもする。そしてネットでよくネタにされているかの名言 「そんなことはない！私だってアフリカでコーディネイターの砂漠の虎と戦っていたんだぞ！」を言ったのもこの作品。

スーパーロボット大戦Zにおいては残念ながらボイスなし、イベント参戦限定のNPC キャラとして登場することになる。登場当初はデュランダルの唱える異星人勢力の脅威を軽視したり、それがたかって後手に回ってしまったり、基本的に自分の身内以外にはやたらと攻撃的になったりなどの失態を見せるも、ランドルートでのガンダムXのキャラクターであるエニル・エルから無暗に戦場に乱入する無意味さを批判されたりして一回り成長。代表復帰後は∀ガンダムのフィル・アッカマンやミラン・レックス等の兵達を匿い、ディアナ・ソレルとの関係を円滑に進めるなどで活躍した。

スーパーロボット大戦WにおいてはタイトルがWなだけにガンダムWの面々とのかかわりが多く、主に中盤にかけて色々と厳しい批判をされたりもするが、最終的に一国を担う器として成長を期待されるようになる。

そしてカガリが最も有名なのは恐らくスーパーロボット大戦Kであろう。参戦作品キャラクターの関係から実質的な指導者クラスの人物の1人と認識されており対外的な部隊に対する代表者として大活躍する。ラストには地球防衛隊を結成しその総司令に就任、全人類に向けた大演説を行う等、原作の未熟さからは考えつかないような活躍ぶりからKガリさんというあだ名で呼ばれ親しまれることに。