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ファンタスティックムーン

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ファンタスティックムーン (Fantastic Moon) とは、2020年3月21日生まれのドイツの競走馬である。鹿毛の牡馬。

主な勝ち鞍
2022年:ヴィンターファヴォリテン賞(G3)
2023年:ドイチェスダービー(G1)ニエル賞(G2)ダービートライアル(G3)
2024年:バーデン大賞(G1)バーデン経済大賞(G2)

概要

父Sea The Moon、母Frangipani、母父Jukebox Juryという血統。

父Sea The Moon(シーザムーン)はシーザスターズ産駒のドイツ産馬で、ドイチェスダービーを直線でヨレながら11馬身差で勝ったことで知られている。鞍上のクリストフ・スミヨン騎手曰く「生意気で乗りやすい馬ではないという意味で、オルフェーヴルに少し似ている」らしい。

母Frangipaniは、ドイツの競走馬として1勝を挙げているようだ。ドイツらしく頭文字がFで繋がっているが三代母Fraulein Tobinの時点では米国産馬らしい。日本に輸入された六代母の*ダラマの孫に優駿牝馬勝ち馬ノアノハコブネがいる。

母父Jukebox Juryはモンジュー産駒でアイリッシュセントレジャーとオイロパ賞でG1を2勝したアイルランド産馬。

戦績

2歳(2022年)

9月の芝1400mの条件戦でレネ・ピーヒュレク鞍上でデビューして勝利。以降ジャパンカップまでの全戦で鞍上はピーヒュレク騎手となる。

続いて10月9日に芝1600mのヴィンターファヴォリテン賞(G3)に出走すると半馬身差で重賞制覇。

3歳(2023年)

3歳初戦は5月に芝2000mのバイエルンクラシック(G3)に出走したが、ここは3着。

同月の芝2000mのダービートライアル(G3)に出走すると、4馬身半差を付けて勝利。

7月の芝2400mのドイチェスダービー(G1)[1]に出走し、3番人気に支持されると、後方からの競馬で2馬身差以上付けて勝利。

更に同月には古馬との対決となる芝2400mのダルマイヤー大賞(G1)[2]に出走したが、4歳馬ネーションズプライド[3]に3馬身差で敗れて2着。

9月に当初出走予定であった芝2400mのバーデン大賞は回避して、同月にフランスで行われるニエル賞(G2)に出走。2馬身半差つけて勝利。

その後はジャパンカップかブリーダーズカップに向かうことを示唆していたが、結局直前に12万ユーロ(当時の換算で2000万円弱)の追加登録料を払って凱旋門賞(G1)に参戦を発表すると、JRAのオッズでも日本馬スルーセブンシーズが単勝8.3倍に対し単勝8.7倍と支持を集めたが、結果は11着[4]ついでに日本の実況にファンタスティックライトと呼び間違えられたとか。

4歳(2024年)

4歳初戦は3月に行われた芝2000mのリステッドであるダールヴィッツ賞。5頭立てであったが、前年にバイエルンクラシックで敗れたがドイチェスダービーでは破った相手であるミスターハリウッドに1馬身半差で敗れ2着。

4月にはフランスに遠征して芝2400mのガネー賞(G1)に出走したが、9頭中最下位の9着に終わった。

6月に芝2200mのバーデン経済大賞(G2)に出走すると、ここはクビ差で勝利した。

7月にはダルマイヤー大賞(G1)に出走したが、1馬身差で敗れて再び2着。

続いて9月のバーデン大賞(G1)に出走すると、6頭立ての最後方からの競馬でドバイオナーに1馬身以上付けて2度目のG1制覇となった。

10月には予備登録していた凱旋門賞(G1)に出走。オーナーサイドが当日に重馬場を嫌って出走取消する旨をX(旧Twitter)に投稿した後、5.5万ユーロ(当時の換算で900万円弱)の取消料の存在を運営から聞いて撤回するという騒動もあったが、JRAオッズで単勝26.4倍となり、結果は9着。

凱旋門賞以前からブリーダーズカップ、ジャパンカップ、香港ヴァーズの中から遠征を検討していることが伝えられていたが、陣営はジャパンカップ(GI)を選択。ジャパンカップの報奨金対象レースであるバーデン大賞勝ち馬が出走するとその時点でバーデン大賞自体の1着賞金より高額な20万ドル(当時の換算で約3000万円)を獲得できることも要因となったと思われる。

同年のジャパンカップに出走する海外馬3頭の中では、ディープインパクト産駒の英ダービー馬オーギュストロダンや陣営が目立っているゴリアットに比べると幾分影が薄い印象であるが、実はサラ・シュタインベルク調教師が結構凄い。ファンタスティックムーンで女性調教師として初めてドイツダービーとバーデン大賞を制した同調教師は、小規模な厩舎という理由もあって1人だけで遠征に同行して馬の世話から調教まで行っているという。

因みに、海外ではあまり発表されないため不明なことが多い馬体重。JRAが調教後のものとして11月21日に発表したものは438㎏(オーギュストロダンは452kg)と、思った以上の軽量馬であった。

ジャパンカップを最後に現役を引退し、ドイツ国内のエベスロー牧場で種牡馬入り予定。

血統表

Sea The Moon
2011 鹿毛
Sea The Stars
2006 栗毛
Cape Cross Green Desert
Park Appeal
Urban Sea Miswaki
Allegretta
Sanwa
2004 栗毛
Monsun Konigsstuhl
Detroit
Sacarina *オールドヴィック
Brave Lass
Frangipani
2014 芦毛
FNo.1-b
Jukebox Jury
2006 芦毛
Montjeu Sadler's Wells
Broom Dance
Mare Aux Fees Kenmare
Feerie Boreale
Firedance
2001 黒鹿毛
Lomitas Niniski
La Colorada
Fraulein Tobin J.O. Tobin
Fruhlingstag

クロスSadler's Wells 5×4(9.38%)、Surumu 5×5(6.25%)

関連項目

  • 競馬
  • 競走馬の一覧
  • 2023年クラシック世代

脚注

  1. *独ダービー、ドイツダービーとも。
  2. *バイエルンツフトレネンとも。
  3. *2024年11月時点でG1を4勝。ドバイでジュメイラダービーとかいう競走に勝っているが重賞ではないらしい。
  4. *スルーセブンシーズは4着。
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