実相寺昭雄 単語

95件

ジッソウジアキオ

2.6千文字の記事
  • twitter
  • facebook
  • はてな
  • LINE
これはリビジョン 2134876 の記事です。
内容が古い・もしくは誤っている可能性があります。
最新版をみる

実相寺昭雄とは、日本映画監督である。

概要

日本特撮界の巨匠にして、ポルノ映画界の怪物

ウルトラシリーズを中心に、他と一線を画す独創的な特撮映像を作り出したことで有名。
「エキセントリック」「前衛的」など、その作を表す言葉は様々である。
天才』とも『問題児』とも言われた、とにもかくにも強な演出であった。 

一方、ピンク映画世界においても、押しも押されぬ変態監督として名を馳せた。
な性描写と、それをむような色調やカメラワークで映し尽くす彼のピンク映画は、非常に衝撃的な映像体験である。
が、登場人物のモノローグだけで申し訳程度に物語を進行させたり、説明臭い会話ばかり使ってしまったりと、演出的には褒められたものでない部分もある。これは、ピンク映画に限らない。

2006年で死去。享年69。

前史

1959年早稲田大学卒業外務省勤務を経てラジオ東京(現:TBS)に入社。演出部に配属され、演出の第一歩を歩み始める。

音楽番組やテレビドラマの演出を手がけていたが、スチー写真の多様、唐突なインタビューの挿入、過度にアップや引きを多用する、ラストシーン突然暗転させてを降らせるなど奇抜な演出を多用したため、TBS上層部や視聴者から抗議や苦情がよく殺到した。
しかし、この奇抜な演出を円谷英二は評価していた

この後、英二の息子で、当時TBSに勤務していた円谷一の口添えもあり、TBSテレビ映画制作セクションであった映画部に異動することとなる。ここに籍を置きつつ、外注先への派遣という形で円谷プロダクションの作品にも演出として関わることとなっていく。

1970年TBSを退社。映画監督として独立する。

作風 

本編においては、小具・大具越しに登場人物を映す構図が有名。特に篭と食器が大好き。
また、役者を正面や横から取るのを嫌っているのか、ひたすら斜めから映りまくる。そして、時にはレンズを用いて凄まじい接写を行い、かなりんだ映像を作り出す。
これらの特徴だけで恐らく、実相寺の作品であると見分けが付く。

また、照明の使い方が非常に独特で、人によっては「邪」と見なすほど。
特に後期において、シチュエーションに沿っているかどうかは二の次で、まるで心風景のような強を作り出すことを優先している。何気ないアパートの一室で、やらやらの照明なく用いている。
時には凄まじい逆光の中で撮を行うこともある。これは、後述の『故郷は地球』などで顕著に見られる。

ちなみに、役者に関しては基本的に興味がなかったようで、演技よりも画作りにひたすら集中していたという。
逆にピンク映画を作っている間の、性行為のシーンにおいての演技導、というより役者への注文はかなり細かかったらしい。

特撮においては、線を用いた決着を避けることが多かった。

ウルトラマン 

初めてメガホンを取ったのは、ウルトラマン第14話『真珠防衛』であった。
真珠を餌にする怪獣ガマクジラを醜く肥った怪獣として描き、美しく上品なイメージ真珠と醜い怪獣の対ストーリーに取り入れようとした。
見る人によってはガマクジラは充分醜い怪獣だが、当時の実相寺がめていたのはまだまだこんなものではなかったようだ。

同作品史上でも異色として知られる第23話『故郷は地球』では、に見捨てられた悲壮な怪獣人間)・ジャミラを登場させた。
むような・色調の中、ジャミラの悲壮な運命明らかになって行く本編描写が特徴的で、特にラストシーンにおいてのイデの独白が有名。

そして、エキセントリック余り円谷プロを追い出されかけたのが、第34話『の贈り物』であった。
全体的にギャグ調に描かれているこのエピソードでは、科特隊の面々が、カメラに向かって一列に並ぶ「家族ゲーム」にも通じるような構図でカレーを食べている中、怪獣スカイドンが出現する。
ここで実相寺は、慌てたハヤタがスプーン変身しようとするというシーンを作り出した。

これが円谷プロ内のベテランスタッフの怒りを買い、ひと着起きてしまったようだ。 

ウルトラセブン

全に追い出されてしまったのが、ウルトラセブン第8話『狙われた』。
モロボシ・ダンメトロン星人による“ちゃぶ台シーン”が生まれたエピソードである。

当時は、実相寺を含めてスタッフ一同大笑いしながらこのシーンを作り上げたそうだが、放映後になって、海外輸出を視野に入れているのに何でちゃぶ台なんぞ出したのだとプロデューサーから大目玉を喰らい、以後しばらく、ウルトラセブンに関わらせてもらえなくなってしまった。

なお、ちゃぶ台シーンだけでなく、夕焼けを背にして対峙するセブンメトロン星人映像人気である。

ウルトラマンティガ

帰マン』以来ウルトラシリーズに関わらない期間が続いたが、今作で久々に復帰。
第37話『』、第40話『』を演出する。

『花』では、満開のの咲く日本庭園ハレーションの強い映像で表現しつつ、ティガマノン人の対決の中に、舞台の上での舞うような戦いシーンを挿入した。
』では、世界から飛び出して暴れる怪獣に、同じくの中で変身して立ち向かうティガの姿を描いた。

ウルトラマンダイナ 

第38話『怪獣戯曲』を担当。

錬金術によって生み出され、創造の書いた戯曲の通りに暴れまわるバロック怪獣・ブンダーを登場させる。
いつも通りに冴え渡る本編の演出もさることながら、間を捻じ曲げるを持つブンダーの様子を、万華鏡に映されたような映像にして表現した特撮パートは、『ウルトラマン』に登場したブルトンの描写にも通じる強映像であった。 

ウルトラマンマックス 

最後のウルトラシリーズ演出となったのが、ウルトラマンマックスの第24話『狙われない』であった。

タイトルどおり、『狙われた』のセルリメイクというか続編であり、何と『狙われた』に登場し、アイスラッガーでっ二つにされたメトロン星人がこっそり生きていたという設定。
しい役者ある寺田農をメトロ人間体に据え、前作の描写を踏襲しつつ、地球想をつかせたメトロン星人が帰って行くという物語を作り上げた。 

関連動画

関連商品

関連項目

おすすめトレンド

ニコニ広告で宣伝された記事

記事と一緒に動画もおすすめ!
綿月姉妹[単語]

提供: ground.s

もっと見る

急上昇ワード改

最終更新:2024/05/12(日) 11:00

ほめられた記事

最終更新:2024/05/12(日) 11:00

ウォッチリストに追加しました!

すでにウォッチリストに
入っています。

OK

追加に失敗しました。

OK

追加にはログインが必要です。

           

ほめた!

すでにほめています。

すでにほめています。

ほめるを取消しました。

OK

ほめるに失敗しました。

OK

ほめるの取消しに失敗しました。

OK

ほめるにはログインが必要です。

タグ編集にはログインが必要です。

タグ編集には利用規約の同意が必要です。

TOP