見惚れるほどの、復讐。
「ジョン・ウィック」(John Wick)とは、2014年にアメリカで公開されたアクション映画及び、そのシリーズ作品である。
概要
2014年10月24日アメリカで公開。翌2015年10月16日には日本で公開された。
引退した伝説の殺し屋の復讐劇を描いており、キアヌ・リーヴスが演じる主人公、ジョン・ウィックのアクションシーンが売りの作品。殺し屋同士の戦いという題材のためR15指定作品の年齢制限がされており、凄惨な場面も数多く存在する。
キャッチコピーの名に違わない見惚れる程のアクションシーンの数々は非常に見ごたえがある。
監督は『マトリックス』のスタントシーンを生んだチャド・スタエルスキーと、同じくアクション演出に定評のあるデヴィッド・リーチ。『ハンガー・ゲーム』や『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』などの大作映画で数々のアクションシーンを任されてきた二人が挑む初の長編監督作である本作は、それまで培ってきたアクションシーンのノウハウが全て注ぎ込まれていると称しても過言ではない。
結果、本作は製作費2000万ドル(約20億円)だったところ、世界興行収入8800万ドル(約88億円)を超える大ヒットとなり、シリーズ化が決定した。
2017年2月に2作目『ジョン・ウィック:チャプター2』が公開。
2019年5月には3作目『ジョン・ウィック:パラベラム』が公開。全米興行収入5700万ドルでNo.1デビューを飾った。日本では2019年10月に公開される。
これを受け、早くも4作目の製作が決定。公開は2021年予定。
あらすじ
愛する妻ヘレンを病で失った男、ジョン・ウィック。葬儀を追えて一人家に取り残された彼の許に届いたのは、残される夫を気遣ったヘレンが手配した、一匹の子犬だった。
無邪気な子犬に心を癒されるジョンだったが、それも束の間、愛車のフォード・マスタングに目をつけたチンピラによって自宅が襲撃。痛めつけられた上に車を奪われ、更に子犬を殺されてしまう。
強盗はロシアンマフィアのヴィゴ・タラソフの息子、ヨセフとその仲間だった。
そしてヨセフ達は知らなかったが、ジョンはかつて裏社会で「バーバ・ヤーガ」と呼ばれた伝説的な殺し屋であり、ヴィゴの現在の地位を築いたのもジョンの功績だった。
ジョンは地下に封印していた武器を取り出し、復讐の為にかつての「仕事」に戻る事を決意する。
ヴィゴは手を回してジョンと交渉するが失敗。止むを得ずジョンを殺す為に部下を送り込んだが、全く相手にならなかった。
そこで200万ドルの懸賞金をジョンの首にかけて殺し屋を募集。その中にはジョンとは旧知の中であるスナイパー、マーカスもいた。
襲撃を撃退した後、ヴィゴの手回しによって雲隠れしたヨセフの居所を突き止める為、ジョンは「ホテル・コンチネンタル」に向かう。
そこは殺し屋たちが客として利用する、絶対の掟によって守られる聖域だった。
登場人物
- ジョン・ウィック(演:キアヌ・リーヴス)
- 伝説の殺し屋。裏社会では知らない者がおらず、かなりの有名人である。
異名の「バーバ・ヤーガ」は、スラブ民話に登場する鬼婆。誠実な者や正直者には恩恵を与えるが、そうでなければ妖術を使い食い殺す「怪物」である。
5年前にヘレンと知り合い、足抜けをする為にヴィゴから依頼された「達成不可能な仕事」を完遂。ヘレンと結婚して幸せな生活を送るが、妻の病死によって再び孤独にさいなまれる。
贈られた子犬によって立ち直るかと思われた矢先にその命を奪われた事で、「仕事に復帰」する。 - ヴィゴ・タラソフ(演:ミカエル・ニクヴィスト)
- ニューヨークに一大勢力を築く、ロシアンマフィアの首領。過去にジョンを使って勢力を拡大しており、盟友とも呼べる存在だった。息子のやらかしに激怒するものの、ジョンには謝罪が一切通じず、止むを得ずジョンとの対決姿勢を固める。老獪かつ残忍な性格で、自分を裏切る相手には容赦しない。
- ヨセフ・タラソフ(演:アルフィー・アレン)
- ヴィゴの息子だがポンコツにも程のあるバカ息子。親の七光りをかさにきて好き放題やる中で、偶然ジョンに手を出した為に命を狙われる事になる。大体こいつのせい。
- ウィンストン(演:イアン・マクシェーン)
- 「コンチネンタル・ホテル」総支配人。ジョンの事を「ジョナサン」と呼ぶ。
- 組織としてはかなり古く、ローマにその起源がある。世界中に支部があり、殺し屋達のサポートを行っている。利用客である殺し屋達にはホテル内での厳しい掟を徹底させており、裏社会ではなくてはならないキーパーソンの一人。他にもコンシェルジュのシャローン、バーテンダーにして情報屋のアヴィなど、一癖も二癖もある従業員がいる。
- オーレリオ(演:ジョン・レグイザモ)
- 盗難車をさばくチョップショップのオーナー。ヴィゴの傘下にある。広大な敷地を有しており、ジョンが愛車を走らせる場として提供していた。
- ヨセフがジョンの愛車を持ち込んだ事で事態を把握。ヨセフに鉄拳制裁してすぐにヴィゴに連絡する一方、訪問したジョンに対して犯人がヨセフである事を教えた。
- チャーリー(演:デヴィッド・パトリック・ケリー)
- 一件温厚な好々爺だが、裏社会に流通する「金貨」を受け取って、死体を処理する仕事人のボス。
- ジョンの依頼を受けて自宅を訪問。部下に命じてヴィゴの手下の死体、銃弾や血痕に至るまでの痕跡を「掃除」して立ち去った。ちなみに演じているのはあの「コマンドー」のサリーの外の人である。
- パーキンス(演:エイドリアンヌ・パリッキ)
- 殺し屋。ジョンとは顔なじみで、300万ドル以下の仕事は受けない傲岸不遜な女。
- 伝統的な不文律を嫌い、他の殺し屋を出し抜くために「ホテル内での殺しは厳禁」という掟を破ってまでジョンを暗殺しようとするが……
- 掟を破ったかどでウィンストンに呼び出されて粛清。死体はチャーリーによって片づけられた。
- マーカス(演:ウィレム・デフォー)
- 殺し屋。超一流のスナイパーで、ジョンとは長年の親友。葬儀にも列席してお悔みを述べている。
- その一方でヴィゴから直接ジョンの暗殺を依頼され、これを受諾する。
- ぎりぎりの局面でジョンを支援。しかし組織の大打撃とヨセフの死を知ったヴィゴの逆鱗に触れ、パーキンスの密告もあって捕らえられ、死の制裁を受けた。
- フランシス(演:ケビン・ナッシュ)
- クラブ「レッド・サークル」の用心棒。ジョンとは旧知の仲。
- ヨセフと仲間がほとぼりを覚ます為にクラブを訪問。後を追ってきたジョンに銃をつきつけられるが、黙って退勤する事と引き換えに助命される。
- ジミー(演:トーマス・サドスキー)
- 警察官。ジョンとは顔馴染み。またジョンの過去の経歴を知っている。
- 自宅を強襲したヴィゴの手下との戦闘後、近所から「騒音の苦情」が出た為に訪問する。しかしジョンが「仕事」に復帰した事を知るとそれ以上何もせず、「おやすみ」と挨拶して立ち去った。
余談
- 撮影に先んじて、キアヌは実銃によるシューティングトレーニングを繰り返し受けた。劇中での流れるような銃の扱い方や身のこなしは、こうした地道な訓練により培われたものである。
- ジョンのガンアクションは、タクティカルシューティング「C.A.R System」(センター・アクシス・リロック・システム)に基づいている。これは近距離における精密連射に重点を置いたスタイルで、これが十全に発揮された中盤のクラブでの戦闘シーンは特に評価が高い。
- 本作の人気を受け、ファンメイドのムービー「Dog Wick」がYoutubeに登場。強盗によってジョンを殺された子犬の壮絶(笑)な復讐が描かれている。
- 4人組のマスク強盗によるクライムFPS『PAYDAY2』とのコラボにより、ジョンがプレイアブルキャラクターとして登場。DCでの「仕事」の手伝いをPAYDAY GANGに依頼、それと引き換えに強盗稼業に手を貸す事となる。
トレイラーではメンバーの一人、Chainsが特殊部隊に強襲される中で連絡を取り、彼の脱出を援護。作中ではNavy SEAL(実在のSEALsに配慮して微妙に名称が違う)時代の同僚であるとされている。
とかくふざけた台詞が多いのがお約束のページャー(無線機)応答では一貫して真面目。ハロウィンイベントでは膝をかかえて体育座りしたり、クリスマスイベントではドアの爆破に巻き込まれて吹っ飛んだりと、ややネタ枠である。しかしメンバーからのコメントを見るにその腕は確かで、こちらの世界でもおおいに恐れられている。 - その後も「2」とのコラボで、「コンチネンタル・ホテル」のシャローンが依頼人となるJOBが追加。ド派手なドンパチと、豪華客船を舞台にしたスニークミッションの2種類である。
- 2019年5月、『フォートナイト』とのコラボが実現。期間限定モード「ウィックズバウンティ」のほか、コスチュームや武器が販売され、ジョンの自宅やコンチネンタルホテルがマップ内に実装された。
関連動画
関連項目
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