ミネバ・ラオ・ザビとは、「宇宙世紀ガンダムシリーズ」の登場人物である。ミドルネームを省略して「ミネバ・ザビ」と表記されることもある。
概要
ザビ家三男ドズル・ザビの一人娘として誕生。あのゴツい大男からこんな美少女が産まれるとは驚きである。一年戦争でのジオン公国の敗戦に伴い、宇宙要塞アクシズにその身を移されると、ザビ家を継ぐ残された唯一の存在として育てられる。
当初はただの傀儡に過ぎなかったが「機動戦士ガンダムUC」以降は成長した姿となり、自ら事件に関わっていく事になる。ニュータイプの素養も備えている。
人物詳細
一年戦争(宇宙世紀0079年)
ザビ家三男ドズル・ザビと、その妻ゼナ・ザビとの間に宇宙世紀0079年9月2日に誕生。年号を見てお分かりのように一年戦争の真っただ中に産まれた。ドズルからも愛され「ようやくにも手に入れたミネバの為にも負けるかよ!」と戦意を燃やしていた。12月24日、ソロモン攻防戦の中、母ゼナに抱かれながら脱出しマ・クベ艦隊に回収され、月面都市グラナダを経て、アステロイドベルトの小惑星要塞「アクシズ」へと落ち延びていった。ドズルはこの戦いでビグ・ザムを駆って連邦軍艦隊を道連れに戦死した。
その後アクシズでは母ゼナが早世した為シャア・アズナブルらによって育てられるが、シャアが地球圏へ戻るとハマーンによる教育が行われるようになる。
グリプス戦役(宇宙世紀0087年)
「機動戦士Ζガンダム」における登場。テレビ版のCVは伊藤美紀、劇場版のCVは平本亜夢。
7~8歳となって登場。アクシズが第三勢力として参戦すると、その名目上のトップに立てられていたが、実権は摂政のハマーン・カーンが握っており、ハマーンによる歪んだ教育を受けていた。
シャアと対面すると「やはりシャア・アズナブルだ、また会えて嬉しい!遊んでくれたの、覚えているよ!」等と発言するが「2歳の時の事を覚えていらっしゃるのか」と返され、ただ台本通りに喋っているのをあっさり見抜かれる。この一連の会話の末に、ザビ家再興によるジオン公国復興がスペースノイドの繁栄に繋がるという歪んだ教育を受けている事を見たシャアは、ハマーンに「よくもミネバをこうも育ててくれた!偏見の塊の人間を育てて何とするか!」と激怒する。この辺りからシャアは、因縁の相手だったザビ家の人間であるミネバに対しては特別な期待や感情を向けていたことが伺える。一方のミネバはシャアのことを芝居抜きに実際慕っていたようで、バイオリンを披露するシーンなども見られた。
決戦が近づくと「ざらざらする」等と発言しており、ニュータイプの素質が芽生えているような描写が見られた。
劇場版ではアクシズ軍の戦後の動きが変えられたため、エピローグで地球に留学している。
第一次ネオ・ジオン抗争(宇宙世紀0088年)
「機動戦士ガンダムΖΖ」における登場。
敵対勢力であるネオ・ジオンのトップであるが出番はほとんどなく、物語の最後に本作のミネバは影武者であったことが明らかになる。劇中では言及されないが、本物のミネバはシャア・アズナブルが密かに回収し保護したとされている。その後はシャアの根拠地であるコロニー「スウィート・ウォーター」に匿われていた模様。
戦間期(宇宙世紀0092年)
「機動戦士ムーンガンダム」における登場。公開的には逆シャア→UC→NT→ムーンの順だが、藤村歩が声優を休業した為、本作でのCVは宮下早紀。
当時13歳。偽装貨物船「アタラント3」に預けられている。旧来のハマーン派から連なる過激派(=親ザビ家)と、ネオ・ジオンの新たなトップに立とうとするシャア派(=反ザビ家)の間で微妙な立ち位置に置かれている。戦闘中に宇宙に投げ出され、漂流していたところを主人公ユッタ・カーシムに回収される。この頃から本格的にニュータイプへと覚醒していく。
第二次ネオ・ジオン抗争(宇宙世紀0093年)
「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の時代。引き続きシャアに保護されていたとされるが劇中には登場しない。ザビ家を悪と断じて支持を得るシャアのやり方もあって表には出されず、シャア直々の命令を受けたスベロア・ジンネマンに預けられたとされる。
ラプラス事変(宇宙世紀0096年)
「機動戦士ガンダムUC」における登場で、本作のヒロイン。CVは藤村歩。
16~17歳となって登場。ネオ・ジオン残党の一派『袖付き』に所属している。かつてのハマーンによる歪んだ教育から解放され、意志が強く思考も明晰な人物に育っており、カリスマ性も高い。ザビ家唯一の生き残りとして責任を果たす覚悟も持ち合わせている。
解放されれば地球連邦を崩壊させるとも言われる『ラプラスの箱』が袖付きに渡されるのを防ぐため、独自の行動を開始。その中で偶然バナージ・リンクスと出会い、とっさに「オードリー・バーン」の偽名を名乗る。後に周囲にミネバであるという事が明らかになるが、バナージは終始「オードリー」と呼び続けた。
連邦軍人リディ・マーセナスの協力を得て地球に降り、彼の父である上院議員ローナン・マーセナスを説得しようとするが失敗し、逆にアースノイドのスペースノイドに対する偏見を目の当たりにして一時は迷走したが、偶然立ち寄ったダイナーの老主人との会話で精神的に立ち直る。その後はマーサ・ビスト・カーバイン率いるビスト財団に捕らわれたが、バナージとジンネマンによって救出され、宇宙に上がってガランシェールおよびネェル・アーガマと合流する。遂に『箱』の中身が明らかになると、全世界にその内容を公表した。一連の事件を通した結果、バナージと相思相愛の関係になる。
不死鳥狩り(宇宙世紀0097年)
「機動戦士ガンダムNT」における登場。CVは引き続き藤村歩。
『袖付き』が壊滅した後、表向きには木星に亡命したとされているが、実際はバナージやジンネマンら私兵を率いながらジオン共和国に匿われている。だが共和国外務大臣モナハン・バハロの一派とは対立しており、陰ながら行動を起こす。
ゲームなど
パイロットではないので登場は少ない。
「スーパーロボット大戦シリーズ」では、「第3次Z」以降はもっぱらガンダムUCでの成長した姿で登場するようになったが、それ以前の作品で少女の姿で登場したこともそこそこある。「F完結編」ではクローンとして復活したドズルと出会い、拒絶するも彼の最期には父として受け入れる、というイベントが用意されている。「第3次Z」ではアムロ・レイを父の仇として険悪な関係になった事も。
関連項目
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