おやきとは、
- 長野県の郷土料理。小麦粉や蕎麦粉を使う。(本稿で解説)
- 山梨県の郷土料理。生地にトウモロコシ粉が用いられる。
- 鳥取県の郷土料理。こちらはサトイモと米粉を使う。
- 今川焼きの別名。北海道、青森県など一部地域で呼ばれる。
概要
全国各地にある粉食料理(粉もん)の1つ。小麦粉や蕎麦粉を水で練って皮を作り、餡を包んで焼いたもので、円形で手のひらサイズのものが一般的。
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https://twitter.com/nagano_city/status/1063339448325165057
低カロリーで栄養バランスが良く、主食・副食・間食などあらゆる場面で食べられる。囲炉裏の灰で焼いたおやきは、農作業の合間のおやつとして、また長く厳しい冬の保存食として広く重宝されてきた。県内では、お盆の8月14日には仏前に供える風習も伝わっている。
長野県北部が発祥とされるが、観光資源としても定着した現在は県全域で食べられている。
特徴
皮と餡で作られており、饅頭の仲間と言えるが、おやきの特徴的な点はその種類の多さである。
餡の具材には野沢菜やナス、切り干し大根、カボチャ、キノコなど各地で採れるものが定番となっている。この他にも小豆、クルミ、ふき味噌、きんぴらごぼう、ジャガイモ、リンゴ、鶏肉、信州サーモンなど、県民でも把握しきれないほどの種類がある。
調理法も複数存在する。平たい鍋の焙烙で軽く焼いた後、囲炉裏の灰の中で蒸し焼きにする灰焼きが伝統的な作り方。焼きの他に揚げ、揚げ焼き、揚げ蒸かし、蒸かし、蒸かし焼きなどがあり、それぞれ食感も大きく異なる。
手作りするならばレシピは無限大。あらゆる可能性を秘めた信州のスローフードである。
歴史
山が多く寒冷な気候の長野県はコメの栽培に適さず、代わりにコムギやソバなどの穀物が作られていた。
縄文時代の遺跡から粉を練って焼いた跡が発見されており、長い歴史の中で独特の粉食文化が育まれてきた。現在でも長野県は小麦粉の消費量が全国トップクラスで、おやきはその代表的な料理である。
時代や場所が変遷すると、おやきも進化を遂げた。調理場が囲炉裏からかまどになり、衛生的かつ短時間で作ることができる蒸かしおやきが登場し、忙しい商人の多い善光寺門前などで定着した。
囲炉裏やかまどのない現代では、フライパンやオーブンでも簡単に調理・加熱することができる。冷凍おやきも販売されており、遠方にいながら信州の味が楽しめるようになった。
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関連項目
外部リンク
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