アーケード商店街とは、天蓋で覆われた商店街である。一般にアーケードともいう。
概要
1950年代以降、アーケード商店街の発祥の地である福岡県北九州市の中心的商店街「魚町銀天街」をはじめ、アーチ状の屋根が付いた商店街が全国各地で登場した。天候に左右されることなく買い物ができ、当時は「近代的」「おしゃれ」の象徴となり多くの人を惹きつけた。
しかし、モータリゼーションが進行し、商業の主役は中心の繁華街から郊外のGMSやロードサイド専門店にシフト、更に大店法の緩和に伴うショッピングモールが林立すると、客足は減少する一方で、一部商店街ではシャッターを閉めたままの店が多い“シャッター街”が増加し、地価の下落やスプロール化といった社会問題となっている。最近では「昼間でも薄暗い」「アーケードを維持する資金を稼げない」といった声から、アーケードを撤去すべきかいなかのアーケード問題があがっており、中にはオープンモール型に変えたところもある。しかし、その場合は庇の設置負担などの問題もある。なお、アーケード街は店は閉めているものの、シャッターの裏側の住居に店主は住んでいて、別の場所にてテナントに入居、運営しているケースも多く、そのため安易に商店を撤去、再開発できない隠れ住宅街も多い。
日本一通行量が多いといわれているのが大阪市中央区の心斎橋商店街であり、近年はインバウンド客の増加もあり、平日ですら目の前が見えないほどの人混みである。
アーケード商店街で有名な都市
- 宮城県仙台市
東の横綱。「クリスロード」「ハピナ名掛丁」「マーブルロードおおまち」「ぶらんどーむ一番町」といった中規模のアーケード商店街が都心部を縦横に結ぶなど、商業地区の動線として大いに機能している。また、同市はペデストリアンデッキが発達している関係で地上に人の動線があるため、各アーケード街の通行量は多い。また、仙台市といえば七夕が有名だが、その七夕を飾るため天蓋が高いアーケードが多く、「ぶらんどーむ一番町商店街」は21mという日本一の高さを誇る。 - 岐阜県岐阜市
美川憲一の柳ヶ瀬ブルースで知られる柳ケ瀬商店街がある。近年はシャッター通り化が著しかったものの、様々なイベントを行っており、活性化対策も行われている。 - 大阪府大阪市
上記の心斎橋商店街のほか、直線距離として日本最長2.6㎞の天神橋筋商店街も知られる。 - 香川県高松市
総延長日本一、7つの商店街が合体した総延長2.7kmの高松中央商店街がある。いっときはかなり寂れていたが、日本一の肩書を誇りに再生に取り組んでいる。 - 福岡県北九州市
北九州の中心小倉に日本で初めてアーケードができた魚町銀天街がある。隣接する形で京町銀天街、小倉駅前商店街、旦過市場などのアーケード街がある。ほかにも北九州市にはアーケード商店街があり、門司港、八幡、黒崎、若松の市内各地に点在している。 - 長崎県佐世保市
一本の直線距離で、道路を挟まない、一本のアーケードとしては全長1.0kmという日本最長の商店街、三ケ町商店街+四ヶ町商店街がある。また、この佐世保市はロードサイド店の規制を行っているため、中心地の人の流れが地方都市とは思えないほど多い。 - 熊本県熊本市
仙台が東の横綱ならば、間違いなく西の横綱である。特に全幅18mのサンロード、全幅15mの下通、全幅11mの上通商店街のスケールは初めて訪れる者を圧倒するスケールであり、ここまでスケールの広大なアーケード商店街は全国探してもここぐらいだろう。そして、熊本市ではこのアーケードがあるエリアを市街と呼んでいるなど、アーケードに対しても強いアイデンティティを持っている。 - 大分県大分市
90年代は従来の商店街から大きくイメージを変えた、西欧をイメージしたガレリア竹町やセントポルタ中央町などが一斉を風靡し、全国から視察も訪れたほどだった。また単純な幅だけならガレリア竹町は全幅24mという最も広いアーケードがある(一部分のみで、ドーム広場と呼ばれる)。
関連動画
シャッター街と化した例
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関連項目
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