アーマード・コア ザ・フェイク・イリュージョンズとは、フロム・ソフトウェアのメカカスタマイズアクションゲーム「アーマード・コア」を題材とした小説作品。ファミ通文庫より1998年に刊行された。
著者は篠崎砂美。同氏はその後、アーマード・コア マスター・オブ・アリーナのノベライズも担当している。
現在はMOA共々絶版状態にある為、入手は困難。
概要
初代「アーマード・コア」のその後(レイヴンズ・ネスト崩壊から数カ月後)を描いた外伝的作品。
アリーナに属する中堅レイヴン「リャノン・シードル」を主人公に、ゲームに登場するレイヴン達を交えたドラマが展開される。
作者自身もACシリーズのプレイヤーとして知られ、ゲームを用いて描写のリサーチ(どの敵がどの武器で何発で撃墜出来るかなど)を行っている他、設定資料の無いACの整備風景やコックピット描写を作者独自に考察し描写しており、後に続くACの(公式・二次創作を含む)小説作品のスタンダードを築いた一作である。
本作は、小説オリジナルキャラクターが、ゲーム中に登場したレイヴン達とミッション内外で交流・対決する形式を採っており、またゲーム初出のキャラクターであっても独自の人物像が構築されているのが特徴であると言える。
余談だが、MOAの後に本作の後日談が予定されており、MOAのキャラクター達と本作のキャラクター達を合流させる完結編的な内容になる予定だったが、残念ながら刊行される事なく終わっている。
ストーリー
“大破壊”から半世紀。“国家”という概念はすでになく、人々は数々の“企業”に導かれ、支配されていた。
登場人物
- リャノン・シードル
主人公。アリーナに属するレイヴン。浅黒い肌と黒髪を持つ青年。本来は相当な実力者だが、「強すぎる力は自らを滅ぼす」事を知っており、アリーナでは適度に目立たず、あえて負ける事で順位を中堅に保っている。
搭乗機は「カヒライス」。ミッションに応じて頭部や武装を変更する事もあるが、基本はプラズマキャノンとレーザーライフル、レーザーブレードを装備した中量二脚機である。過去には四脚型の脚部を運用していた事も語られている。
その正体はかつて二大企業を壊滅させ、レイヴンズ・ネストを崩壊へと導いた伝説のレイヴンである。それ故に名前と顔を変え、決して目立つ真似をせず、ある意味での平穏を送っていたが、レイヴンズ・ネストの突如の復活に、その平穏は砕かれる。
ゲームではMOA二脚アリーナにて戦う事が出来る。 - ファータ・アマイ
ガルシティに住む少女。本作のヒロイン。
街に発生した生体兵器の駆除をリャノンへと依頼するが、 依頼に対する対価、即ち報酬が用意されていなかった事から、半ば確信犯的にリャノンの付き人として行動を共にするようになり、ミッションに於いては主にオペレーターを担当する。
かつて四脚型ACに助けられた過去を持ち、そのACを駆っていたのがリャノンであると知り、彼ならば荒廃した世界を変えられるのではないかという淡い期待を抱くが……。 - ファルコン
初代ACに於いてランキングにのみ登場するレイヴン。
お調子者の好青年といった出で立ちだが、傭兵ということもありシビアな面も持ち合わせる。
リャノンと同じアリーナに属し、リャノンの相棒としてファータの依頼を受け、それ以降彼とは度々共闘する事になる。
愛機は中量二脚型AC「ヴィジランティ」。また、ACの他にシャトルの操縦ライセンスも持つ。
余談だが、彼の血統は後にレイヴンの名家として知られるようになる。 - ハスラー・ワン
真紅のAC「ナインボール」を駆る、その名を知らぬものは居ないアリーナのトップランカー。
レイヴンズ・ネストの復活と共に表舞台に再び姿を表すが、本人は決して人前に出ず、複数レイヴンが参加するミッションのブリーフィングに於いても通信機越しで参加する。
実力派レイヴン達と宇宙ステーション「カエデ」の落下阻止ミッションに参加するが、カエデに配備されたコンバットリグ「ダグザ」を使役し、突如としてリャノン達に銃を向ける。
その正体は明かされていないが、続編(正確には前日譚)たるMOAへの伏線が各所に散りばめられている。
関連項目
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