スクワートルスクワート(Squirtle Squirt)は、1998年生まれのアメリカの競走馬である。快速を武器にアメリカの短距離路線を戦い、後に日本に種牡馬として輸入された。
馬名意味は「ゼニガメ(ポケモン)の英語名+噴出する」。これは馬主の息子がゼニガメが好きだったからだとか。
概要
父Marquetry、母Lost the Code、母父Lost Codeという血統。
父マーケトリーは36戦10勝・GI3勝。本馬以外の産駒にDr. Fagerが持っていたダート7ハロンの全米レコードを塗り替えたりブリーダーズカップ・スプリントを勝ったりと活躍した名スプリンターのArtaxがいる。
母ロストザコードは60戦13勝という頑健な成績。その高祖母Cherokee Roseの牝系子孫にAck Ackやゴールドアリュールがいる。
母父ロストコードは27戦15勝。重賞9勝を挙げているが、そのうちGI全2勝を含む8勝がダート9ハロンである。母父としてのその他の活躍馬にハットトリックがいる。
1歳11月のキーンランドセールで3万ドルの値段がついた本馬だが、膝に問題があったためか2歳3月のトレーニングセールで再び上場され、ここで2万5000ドルで落札された。
競走成績
2歳時
2歳4月に出走したダート2ハロン(!)の未勝利戦は4着だったが、翌月に4.5ハロンの未勝利戦で勝ち上がった。その後リステッド競走を1馬身半・6馬身差で連勝し、ハリウッドジュヴェナイルチャンピオンシップS(GIII)に単勝1.4倍の支持で出走するとここでも2馬身差で逃げ勝った。しかし単勝2.0倍の支持を受けたベストパルS(GIII・6.5ハロン)ではポジション争いで後れを取ると直線伸びを欠いて勝ったFlame Throwerから14馬身近く離された4着(7頭立て)に終わり、続くデルマーフューチュリティ(GII・7ハロン)も番手から伸びを欠いてFlame Throwerの7着に敗れた。
その後、6.5ハロンのステークス競走を1戦して6馬身半差で圧勝し、右膝の骨片を除去する手術のため長期休養に入った。この間に、デビューから所属していたホセ・ガルシアJr.厩舎から父と同じロバート・フランケル厩舎に移った。
3~4歳時
3歳時は5月に復帰して一般競走を勝つと、ラザロ・バレラメモリアルS(GIII・7ハロン)では3/4馬身差、トリプルベンド招待H(GII・7ハロン)では半馬身差でいずれも2着に終わった。しかし、目下3連勝中のCity Zipを差し置いて1番人気に推されたキングズビショップS(GI・7ハロン)ではスタートから飛ばし、競りかけてきたKeatsをあっさり振り切ると直線でも勢いは衰えることなく、2着に入ったIllusionedに3馬身1/4差を付けて圧勝し、GI初出走で勝利を挙げた。しかし、ヴォスバーグS(GI・7ハロン)では2番手でマークしてきたLeft Bankに半馬身差で敗れ2着だった。
ブリーダーズカップ・スプリント(GI・6ハロン)ではLeft Bankのほか、前年の勝ち馬でエクリプス賞最優秀短距離馬も受賞していたKona Gold、そのKona Goldを前走で破ってGI勝ちを挙げた上がり馬の*スウェプトオーヴァーボード、3歳牝馬ながら既に20戦17勝2着2回・GI1勝という成績を残していたタフな牝馬・Xtra Heatなどが出走した。3~4番手の好位を追走する競馬となったが、直線に入って逃げるXtra Heatの2番手に付けていたこの年のドバイゴールデンシャヒーン勝ち馬Caller Oneをまずは交わすと、ゴール前でしぶとく粘るXtra Heatも捉えきり、半馬身差で勝利を収めた。フランケル師にとってはこれが管理馬のブリーダーズカップ初勝利となり、またこの勝利が決め手となって本馬は2001年のエクリプス賞最優秀短距離馬となった。
4歳時はGIに昇格した(前年まではGIII)ドバイゴールデンシャヒーンを目指し、パロスヴェルデスH(GIII・6ハロン)から始動したが、逃げたSnow Ridgeの4馬身差2着に敗れ、レース後に左前膝の故障が判明。ドバイ遠征も不可能となり、休養に入った(ドバイゴールデンシャヒーンはCaller Oneが連覇した)。
9月のフォアゴーH(GI・7ハロン)で復帰したが、目下3連勝がいずれも楽勝の上がり馬・Orientateと逃げ争いを演じ、ダートにも関わらず最初の2Fが21.45秒、4F通過が44.36秒というハイペースとなった。Orientateはそのまま粘って勝利したが本馬は直線伸びを欠き、8馬身1/4差の4着に終わった。
その後はブリーダーズカップで連覇を目指すプランもあったが、9月下旬にJRAに購入されて日本に種牡馬として導入されることとなり、フォアゴーHが最後のレースとなった。
通算成績は16戦8勝、うちGI2勝である。7ハロンのGIでも勝ってはいるが、4~6ハロンでは7戦6勝2着1回という素晴らしい成績を残しており、基本的にはゴリゴリのスプリンタータイプだったと言ってよいだろう。
種牡馬として
日本軽種馬協会の種牡馬として供用されることとなった本馬は、初年度は88頭、2年目は58頭の牝馬を集めたものの、その後は19頭・6頭と推移した。2006年に初年度産駒がデビューすると堅実さがあるということで評判になり、翌年は35頭の牝馬を集めたが、堅実さはあるものの重賞級の馬が出なかったこともあり再び種付け頭数は落ち込んだ。
2008年以降は多くて30頭台前半という非常に厳しい状況が続き、九州産馬限定戦で好成績を残していたことから2016年以降は九州種馬場に腰を据えていたが、2021年に入ってフィリーズレビュー・葵Sで2着だったヨカヨカ(2018年生まれ・熊本産馬)が北九州記念を制し、輸入されてから19年目にして遂に本馬の産駒がグレード競走勝ちを挙げた。しかし同馬に次ぐ重賞馬は出ず、年齢もあってか2024年に種牡馬を引退することとなった。引退後も引き続き日本軽種馬協会で功労馬として繋養される。
血統表
Marquetry 1987 栗毛 |
Conquistador Cielo 1979 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native |
Gold Digger | |||
K D Princess | Bold Commander | ||
*タミーズターン | |||
Regent's Walk 1981 栗毛 |
Vice Regent | Northern Dancer | |
Victoria Regina | |||
Lover's Walk | Never Bend | ||
Honey Lake | |||
Lost the Code 1990 鹿毛 FNo.9-h |
Lost Code 1984 黒鹿毛 |
Codex | Arts and Letters |
Roundup Rose | |||
Loss or Gain | Ack Ack | ||
Gain or Loss | |||
Smarter by the Day 1983 黒鹿毛 |
Smarten | Cyane | |
Smartaire | |||
Tentamara | Tentam | ||
Hardy Climber |
クロス:Never Bend 4×5(9.38%)、Turn-to 5×5(6.25%)
主な産駒
関連動画
関連項目
- 3
- 0pt