スパムとは、
概要
スパム(spam)とは、受信側の意向を無視して大量に一斉送信されたメールのことを指す。電子掲示板やチャットなどで行われる大量の書き込みによる荒らし行為も「スパム」と呼ばれる。
名の由来は、1.の食品名に由来。
イギリスのコメディグループ「モンティ・パイソン」のスケッチ(コント)が元ネタ。
何故かヴァイキングの戦士が多数いる大衆食堂を訪れる夫婦(天井からワイヤーで降りてくる)が朝食を注文するが、ウェイトレスが説明するのは「豚肉と煮豆とスパム」「卵とベーコンとスパム」「スパムと卵とソーセージとスパム」「スパムとスパムとスパムとスパムと煮豆とスパムとスパムと…」と、スパムを使った料理ばかり。
妻が「私はスパムが嫌いなのよ!」と叫ぶと、ヴァイキングの戦士たちが「スパム、スパム、スパム、スパム...♪」と歌い出し、ウェイトレスは「うるさーい!」とキレ、辞書を頼りにウェイトレスに告白するハンガリー人の詩が卑猥だとして警察官にしょっぴかれ、歴史学者はヴァイキングについて解説する中でスパムを連呼しはじめ、店はドッタンバッタン大騒ぎ。
しまいにはエンドクレジットでもキャストやスタッフの名前に「スパム」が混入。このスパム連呼のあまりのしつこさが起源とされている。
余談ではあるが、spamに近い単語として「sperm」があるが、これは「精液・精子」という意味である。
これに加え、スケッチで登場するメニュー「エッグ」は「卵子」、「ソーセージ」は「男性器」、「ベーコン」は「女性器」のダブルミーニングになっている。「スパムを抜いたソーセージ」を注文した妻に対し、ウェイトレスが「オエエ!」といやそうに反応してるのは、まあつまりそういう意味である。
口に出した順番を深読みすると「行為」がだんだん進んでいるのがわかる。
なのに女の子にそんなことを言わせるとは...。
背景
上記のモンティ・パイソンのコントが出来た背景として、当時のスパムは軍の配給品であった。
安価で調達できること、保存性が良いこと、味も悪くないことから都合の良い配給品であったため、第二次世界大戦時はアメリカ軍どころか連合国軍に配給。スパムを製造したホーメルフーズに感謝状が贈られるほどだった。
しかし、毎日スパムばっかり食べるという状況であったために飽きる人も多かった。このことから「スパム=飽き飽きするもの、同じものの繰り返し」という背景があった。
特にイギリスでは食肉不足解消のために大量のスパムが輸入され、軍の配給品どころか民間でもスパムを食べる状況であった。更にはテレビやラジオではスパムを連呼するCMを流していたことでイギリスでのスパムに対する印象は現在でも悪い(ただし、消費量はアメリカ、韓国に次いで3位である)。
このコントから「スパム=同じものの繰り返し」から「スパム=迷惑、しつこいもの」という意味合いになり、後に大量の迷惑メールをスパムと呼ぶこととなる。
なお余談であるが、現在は軍の食糧事情が改善されたために毎日スパムという状況は無くなった。よかったね。
スパムメールの語源の一説にはモンティ・パイソンのコントを触れずに軍の配給事情から生まれた言葉と書かれたものもあるが、ハッカー文化とモンティ・パイソンは親和性が高いので言葉足らずという意味で間違いな説明である。
なお自社製品をネタにされたホーメルフーズは、当初はあまり好意的ではなかった。
しかし徐々に態度を軟化させてゆき、ミネソタ州オースティンの本社内に「スパム博物館」を設立し、モンティ・パイソンのコーナーを作るに至った。
なお同博物館は世界各国のスパム料理の紹介、焼きたてスパムの試食など、徹頭徹尾スパムスパムスパムスパムスパムスパムスパムスパムスパムとスパム尽くしで、駐車スペースにさえ「SPAM」の4文字がキラリと光る。わかりやすいね。
2005年、モンティ・パイソンの映画「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」を主題とし、数々のスケッチを盛り込んだコメディミュージカル「スパマロット」が上演、トニー賞をはじめ多くの栄誉に輝いた。この時スポンサーをつとめたのもホーメルフーズで、わざわざ特別パッケージのスパムを販売した。やりよる。
関連商品
関連項目
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