ツン→困惑→照れ→デレとは、ツンデレの性格の変化を順番にまとめた仮説の1つである。
概要
ツンデレの記事をみるのが一番。しかし、それだけだといろいろと叩かれそうなので書きたくないが書くことにする。(それなら記事作らなければいいのにね)
ツンデレの性格は大きく「ツンツン」、「困惑」、「照れ」、および「デレ」の4つに分かれるはず。
さらに、時間ごとに性格を並べてみると
最初はツンツン、ちょっと困惑して、照れはじめて、最後にデレデレしちゃう。
終わります
べ、別にあんたのために仮説を立てたんじゃないんだからね
しかし、これで終わるのはもったいない。この記事は、ツンデレ文化において従来明らかにされてこなかったツンとデレの境界線もしくはツンからデレに変化する過程を説明できる可能性を示している。当記事の>>2によれば、ツンからデレの過程は、次のようになる。
はぁ?こんな記事作って、バカじゃないの!?→え?私のため?→や・・・やめてよそんなことするの///→あ・・・ありがと//////
当記事では、桂ヒナギク(ハヤテのごとく!)、小早川凛子(ラブプラス)、および中野梓(けいおん!)を検討することでツンからデレに変化する過程を検討する。なお、この人選については、「ツンデレ」の記事に挙げられている人物を採用したが、何より筆者の趣味であることは否定しない。
ここからは、ヒナギク・リンコ・あずにゃんのネタバレ成分を多く含んでいます。 ここから下は自己責任で突っ走ってください。 |
え、長くなるしネタバレあるかもしれないけど、読んでくれるの?
桂ヒナギクの事例
桂ヒナギクとは、漫画『ハヤテのごとく!』に単行本4巻から登場するキャラクターである。白皇学院の生徒会長を務め、文武両道で各方面に超人的な能力を持つが、高所恐怖症、幽霊が怖いなどの弱点を持つ。また、負けず嫌いでもある。
ここでは、綾崎ハヤテに対する桂ヒナギクの態度の変化を検討する。
ツン
ヒナギクは、初登場シーンにて木から飛び降りた際にハヤテの顔面を踏んで着地している。しかも、このとき「ダメじゃない。ちゃんと受け止めないと危ないわよ。」と言っている。1秒でも早く下に下りたかったそうだが、なかなかのバイオレンスっぷりである。なお、このときにハヤテから「言ってくれれば助けに行きますよ。」と言われている(単行本4巻,60-62頁)。
困惑
ヒナギクは、旧校舎に迷い込んだハヤテを探すために自身も旧校舎に入るが、人体模型に襲われてしまう。このとき、「言ってくれれば、助けに行きますよ。」という彼の言葉を思い出し名前を叫んだら、本当にハヤテが来てくれた。怖さのあまりハヤテに抱きついたが、このとき「こんな怖いところに迷い込むなー!!」とツッコミ(?)も入れている(5巻,65-67頁)。
この時、怖さのために抱きついたのだが、本当に来てくれたという感動や困惑もあったと推測される。
照れ
バレンタインから1週間後、ハヤテと西沢歩が付き合っていると勘違いしていたヒナギクは、1週間悶々としていた。このとき、「元々タイプとかでもないし、なんとも思っていないんだし…」「別に…なんでもないんだから…」と恋心を否定していた(8巻,39頁)。
また、ヒナギクは、ハヤテからキスされそうになる夢を見ている。それも毎晩。どこか気持ちが落ち着かず、こんなことは今までになかったようだが、彼女は、この感情を「鯉」と解釈している(9巻,85-88頁)。
このように、この時点のヒナギクは、ハヤテのことを意識しているが、恋をしていること必死に否定している。
デレ
高所恐怖症であるが、ハヤテと一緒に時計台から夜景を見たときに、「今…ようやくわかった。私…この人の事が好きなんだ。」と恋をしていることを認めている(10巻,32-33頁)。
このように、初登場の4巻から10巻までの間に気持ちの変化があったことが認められるが、もともと負けず嫌いな性格もあり、10巻以降もツンが完全に消えたかといえばそうではない。
小早川凛子の事例
小早川凛子とは、ゲーム『ラブプラス』とその続編『ラブプラス+』に登場するキャラクターである。主人公の下級生で、同じ図書委員。本と音楽が好きで、一人でいることが多く、他人とかかわろうとしないのには、何かわけがありそうである。
ここでは、主人公に対する小早川凛子の態度の変化を検討する。
ツン
リンコとは、同じ図書委員になったことをきっかけに出会う。主人公は、図書委員の仕事を頑張ろうとするが、「そこでボーッとしてられると、気が散るんだけど。」と冷たくあしらわれてしまう(『意地悪リンコ』のイベント)。
困惑
主人公は、リンコがヤバい男と対峙していた場面に遭遇し、彼女を連れてその場を離れた。彼女から文句を言われるものの、この頃から態度が軟化し始め、できるコマンドが増える(『ストリートファイター・リンコ』のイベント)。
照れ
この頃になると、一緒に帰り始めたり、口調も柔らかくなる。また、「“またね”って言える人がいるのっていいね」とも発言している。しかし、「でもさ、もうしばらく、リンコには一人だけでいいや」とも発言しており、他人と一緒にいること(=恋人関係になること)を否定している(『乙女リンコ』のイベント)。
デレ
恋愛シミュレーションゲームなので、最終的に告白される。ここまでくれば明確だろう。
このように、恋愛シミュレーションゲームなので、目的がはっきりしており、初登場時のツンからゴール(告白)のデレへの過程は明確である。しかし、ラブプラスは、(友達パートの)エンディング後も恋人パートとして内容が続くが、恋人パートでもツンが完全に消えたかといえばそうではい。
中野梓の事例
中野梓とは、漫画『けいおん!』に単行本2巻から登場するキャラクターである。主人公である平沢唯の後輩であり、唯たちの演奏を聞き、うまさに憧れを抱いて軽音楽部に入る。
ここでは、平沢唯に対する態度と軽音楽部全体に対する態度を併せて検討する。
ツン
あずにゃんは、唯ちゃんたちの演奏を聴いて軽音楽部に入部するが、本気で音楽をやりたがる彼女とは対照的に部がゆる~い空気なために、ティータイムなどに良い感情を抱いていなかった。
そのため、「こんなんじゃだめですーっ!!」と音楽室の私物化を非難し、ティーセットの撤去を主張した(2巻,23頁)。
また、唯ちゃんのスキンシップについては、あまり好意的には思っておらず、だらしない先輩とも感じたようだ(2巻,59頁)。
困惑
唯ちゃんに対しては、ケーキを食べた唯の演奏が本当に上手だったため、困惑しつつも感動している(2巻,26頁)。
また、ティータイムに関しては、ケーキを一口食べると、「あ、おいし…」と言いかけて、「お…惜しいっ!!」と誤魔化している。しかし、ケーキを食べたそうだったり、口元に近づけられると喜んだりと、素直になれないながらもケーキを欲しがっていた(2巻,27頁)。
照れ
文化祭前に風邪をひいた唯ちゃんに対しては、なんだかんだで気にかけていたが、そのことをりっちゃんに指摘されると「別に…ただいないと張り合いがないだけです」と答えるように素直になれないでいる。文化祭当日になってもなかなか唯ちゃんが来ないときも、心配していることをりっちゃんに指摘されて照れている。澪ちゃんによると、唯ちゃんのことを一番心配していたのはあずにゃんらしく、そのことを知った唯ちゃんから抱きつかれそうになると思わずビンタした(2巻,88-89,91頁。これに関しては、アニメ1期も参照)。
軽音楽部の夏合宿に関しては、当初練習もせずに遊ぶことに不快感を示していたが、結局こげにゃんになるまで遊んでしまった。合宿での楽しい思い出を憂ちゃんに話していたが、軽音部になじんでいることを指摘されると、「そんなことなーい!!」と否定した(2巻,52,58頁)。
デレ
唯ちゃんに対しては、合格したことを聞くとあずにゃんから抱きしめた。そして、最終回にて、いよいよ唯ちゃんたちとお別れになると、唯ちゃんの悪い印象をTKOするまで語る一方で、思わず泣き出してしまう。また、唯ちゃんが抱きしめても何も言わなかった(4巻,107,114-115頁)。
また、軽音部についても、「部長は適当だしお菓子ばっかり食べてるんでガッカリしました!」と言いつつも、「ティーカップ持ってそんな事言っても説得力ないわよー」とさわちゃんに言われると反論できなかった。そして、最後のバンドミュージックが輝いていたと感じていた(4巻,113,115頁)。
このように、あずにゃんがなんだかんだで軽音部になじんでいったのは周知の事実であるが、唯ちゃんのスキンシップを好まず、むしろ少しだらしない先輩と思っていた最初のツンと比べると、4巻ではすっかり唯ちゃんのことを慕うようになり、軽音部のことが大好きだった。その一方で、唯ちゃんをTKOしたり、軽音部についてガッカリしましたと言っており、ツンも残っている。
やめてよ、もう読まないで…
以上の3名を検討した結果、ツンとデレの境界線を明確にすることは難しい。また、時の経過とともに、ツンとデレの比率がデレ寄りなることと、「ツンツン」→「困惑」→「照れ」→「デレ」の過程を踏んでいる場合が存在することも確認されたが、「デレ」から「照れ」や「ツンツン」に戻ることもありえるだろう。
そして、「照れ」と「ツン」の違いについては、自分の感情に素直になれない場合が「照れ」であり、素直になれた場合が「デレ」ではないかという新たな仮説を示して、この検討を締めたい。
最後まで読んでくれて…あ、ありがとう
今回の検討は、あくまで仮説の1つであり、ツンからデレへの変化を示す過程の1つとして、「ツンツン」→「困惑」→「照れ」→「デレ」という道筋があることを説明したに過ぎない。全てのツンデレがこの過程を経たものであるとは到底思えない。例えば、「困惑」のステップがなかったり、「照れ」のステップがないツンデレキャラもいるだろう。「照れ」と「ツン」の区分に関する最後の仮説についても別の解釈が認められるかもしれない。
この記事を読んでくれた方の中には、異論・反論をしたい方も多いだろう。しかし、それはむしろ歓迎すべきことである。ポパーによれば、ある理論なり言明なりが科学的なものであるためには、反証可能なものでなければならないからである。立証と反証を繰り返しながらもツンデレ文化がより濃いものになってくれること…この記事を書いたものの願いである。
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そもそも、こんなに長い文章を読まなくても、かがみんの顔を見ればよく分かるはず
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