サイヤ人とは、鳥山明の漫画『ドラゴンボール』・『ネコマジンZ』及び、それを原作とする漫画・アニメ・ゲームなどに登場する架空の人種、戦闘民族(戦闘種族)である。
名前の由来は野菜(ヤサイ)。そのため純血サイヤ人は全員、名前に野菜が関係する。
混血と純血で特性がやや異なる。また、アニメや劇場版オリジナル設定、後付設定が混在する点にも注意。
概要
重力が地球の10倍に及ぶ惑星ベジータで暮らす、宇宙最強を自称する戦闘民族。サイヤ人も強さはピンキリで中には生まれつき戦闘に向かない者もいるが、種全体が戦闘に長けるという意味では宇宙でも稀な種族である。
原作ではフリーザによる惑星ベジータ破壊の一件でほぼ絶滅していて、当初は巨大隕石の衝突が原因と伝えられていた。後の劇場版『神と神』では、破壊神ビルスがフリーザに惑星ベジータを破壊させたことになっている。
原作では、生き残った純血サイヤ人は男性4人(カカロット=孫悟空、ベジータ、ナッパ、ラディッツ)のみで、女性は一切登場しない。完結時の最終的な生存者は悟空とベジータのみ(ただし両者とも戦死して蘇ったあと)。純血の女性サイヤ人は全滅したため純粋なサイヤ人はいずれ絶滅する運命にあるが、地球人との混血は多数誕生しており、サイヤ人の血は将来の地球人に引き継がれていく模様。
一方、アニメ・劇場オリジナルでは最終的に孫悟空、ベジータ、ターブル、ブロリー(『超』設定)の4人が生存。ただし悟空とベジータは死亡歴があり、さらに悟空は『GT』最後にボロボロの道着を残して神龍と旅立つという、死んだとも受け取れる描写がある。
外見などの特徴
黒髪に黒目という風貌で地球人における黄色人種に似ているが、長い尻尾がある。純粋なサイヤ人は頭髪が生後から不気味に変化したりはしないとベジータは語るが、ナッパのようにハゲる者もいる(原作にはないが、『Z』では若いナッパが描写された際にリクームに近い髪型をしていた)。
尻尾があるときに満月を見ると大猿に変身する。逆に変身中に尻尾を切ると強制的に元に戻る。この尻尾は切られても自然再生するが、神に取られた悟空、切られたまま生えないベジータなどの例外もあり基準が曖昧。尻尾を強く握られると力が抜ける弱点があるが、弱虫ラディッツ以外大抵は鍛えて克服している。
一般的な地球人と比べるとかなりの大食い。地球人同様雑食で、ゲテモノも普通に食う。
寿命は(仙人など除く)普通の地球人と同程度だが、戦闘民族のため青年期が長い。40歳を超えても(原作終了時のベジータは50歳超え)老化現象がほとんどないが、ある程度すると急激に老化するらしい。現実的には戦闘民族ゆえ、老化や寿命を迎える前にほとんど戦死すると思われる。
映画『ドラゴンボール超 ブロリー』では辺境の星に放逐されて40年以上生き延びたパラガスが登場。髪は全て白髪になり、顔には深い皴が刻まれているなど、初めて老齢のサイヤ人が描写された。
『銀河パトロール ジャコ』では「サイヤ人は周囲を油断させるために子ども時代が地球人より長く、急激に成長して大きくなる」という設定が語られ、原作から数年経過した設定の『オッス!帰ってきた孫悟空と仲間たち!!』や『神と神』では孫悟天やトランクスに大きな成長が見られなかったが、『神と神』以降に誕生したパンが3歳になった『スーパーヒーロー』では二人とも大きく成長し、さらに先述の設定も悟飯の口から詳細に語られ、ドラゴンボール本編で初めてこの設定が描写された。
戦闘に関する特徴
基本的に残忍凶暴。地球に送られた孫悟空も赤ちゃん当初は手が付けられない暴れん坊だったらしいが、頭を打った衝撃で地球人以上に純朴な少年に変わっている。
サイヤ人は代々侵略・略奪を生業とし、惑星消滅直前の数年は地上げ屋をやっている。赤ん坊を送り込むのも将来的に惑星を乗っ取るため。
満月を見ると大猿化して、戦闘力が10倍に増す。これは目から通して尻尾が月から出る1700万ゼノを超えるブルーツ波に反応して起こる現象。悟空や悟飯も普段は温厚であるが、大猿化すると理性を失い凶暴になる。ただし悟飯は地球人との混血のためかわずかに理性が残っていて、王子であるベジータは凶暴化しつつも理性は残る。
超サイヤ人
一定の戦闘力と、さまざまな条件(怒り悲しみなど多くは負の感情)を満たすと超サイヤ人に変身できるようになる。逆立った金髪、緑色の目、黄金のオーラなどの外見変化が起き、戦闘力が大幅上昇する。
一口に超サイヤ人といってもいろんな段階があり、悟空は超サイヤ人を超えた超サイヤ人(オーラがバチバチ鳴る状態)を超サイヤ人2、髪が大きく伸び人相も変わる形態を超サイヤ人3と呼んでいた。
戦闘力大幅向上の代償で身体への負担も大きく、悟空は心臓病の進行を加速させてしまった。また、寿命を縮める危険性も増すため、老界王神に邪道扱いされている(超サイヤ人3は特に負担が大きい)。
女性が超サイヤ人に変身する描写は混血にすら存在しなかった…が、後に『ドラゴンボール超』の登場人物・カリフラとケールが超サイヤ人に変化している。
上記の各段階以外にも、大猿パワーと超サイヤ人のスピードを兼ね備え負担問題も解消した超サイヤ人4(『GT』)、6人の正しいサイヤ人の心で覚醒させる超サイヤ人ゴッド(劇場版)などのオリジナル変化もある。
詳しくは超サイヤ人の記事参照。
地球人との混血の特徴
純血より潜在能力が高くなるらしく、ナッパは「スーパーサイヤ人…ってとこか」と評している。これはあくまでサイヤ人を超える素質という表現に過ぎず超サイヤ人とは無関連だが、実際混血男児の多くは少年時から超サイヤ人になっている。
サイヤ人の特性が表れないケースも多い。総じて凶暴さはなく、髪型も変化する。孫悟飯以外は尻尾が生えた描写もなく必然的に大猿にもならない。黒目黒髪同士の悟空・チチは子孫の目や髪色も変化ないが、目・髪が紫や水色なブルマの子供は、髪も目も完全に母親寄り(ただし『GT』のベジータJr.はベジータと全く同じ)。
第6宇宙のサイヤ人
『超』では作中の主な舞台となる「第7宇宙」の隣に存在する「第6宇宙」にもサイヤ人が存在している。
こちらでは第7宇宙のような地上げ屋家業ではなく用心棒など悪党退治を家業にしているなど全体的に善良な性格をしている。最も、カリフラのような好戦的な性格をしているものも見られる限りやはり戦闘民族と言った所か。
また、元々の母星である惑星サダラも健在(代わりに地球が滅亡)しているため純血のサイヤ人のみ存在しており、女性のサイヤ人も多い。ちなみに尻尾は昔は生えていたが、いつしか生えなくなったらしい。こちらのサイヤ人も超サイヤ人へと変身できるが、第7宇宙のサイヤ人たちに出会うまでその存在を誰も知らなかった。
主なサイヤ人一覧
純血サイヤ人([ ]内は名前の由来)
- カカロット(孫悟空のサイヤ人名)[キャロット(ニンジン)]
- ベジータ [ベジタブル(野菜)]
- ナッパ [菜っ葉]
- ラディッツ [ラディッシュ(はつか大根)]
- バーダック(Zアニメオリジナル、原作にも登場) [Burdock(英語で「ごぼう」)]
以下は原作以外の登場人物。数が多いため分けて記載。
- ベジータ王(Zアニメオリジナル、ドラゴンボール超) [ベジタブル(息子と同じ)]
- トーマ(Zアニメオリジナル) [トマト]
- セリパ(Zアニメオリジナル) [パセリ]
- トテッポ(Zアニメオリジナル) [ポテト(ジャガイモ)]
- パンブーキン(Zアニメオリジナル) [パンプキン(かぼちゃ)]
- キャベ(ドラゴンボール超) [キャベツ]
- カリフラ (ドラゴンボール超) [カリフラワー]
- ケール (ドラゴンボール超) [ケール(アブラナ科の野菜)]
- パラガス(劇場版オリジナル、ドラゴンボール超) [アスパラガス]
- ブロリー(劇場版オリジナル、ドラゴンボール超) [ブロッコリー]
- ターレス(劇場版オリジナル) [レタス]
- ビーツ(劇場版オリジナル) [ビーツ(テンサイの仲間)]
- オニオ(『ネコマジンZ』) [オニオン]
- ギネ(『銀河パトロール ジャコ』) [ネギ]
- ターブル(短編アニメオリジナル) [ベジタブル(兄や父同様)]
- ブロッコ(一部ゲームオリジナル) [ブロッコリー]
- オニオン(一部ゲームオリジナル) [オニオン(玉ねぎ)]
- パンプキン(一部ゲームオリジナル) [パンプキン(かぼちゃ)]
- 過去のサイヤ人(名称不明の2人。アニメオリジナル)
- シャロット(ゲームオリジナル)[エシャロット(ネギ属)]
- ジブレット(ゲームオリジナル)[シブレット(ネギ属)]
地球人との混血
クローン
フュージョン
- ゴテンクス(トランクス+孫悟天の成功、失敗共通)
- ゴジータ(劇場版、GT、ドラゴンボール超。孫悟空+ベジータの成功版)
- ベクウ(劇場版オリジナル。孫悟空+ベジータの失敗版)
- ゴハンクス(フュージョンズ。未来トランクス+未来孫悟飯)
- ナッツ(フュージョンズ。ラディッツ+ナッパ)
EXフュージョン
いずれも初出はゲーム「ドラゴンボールフュージョンズ」
- EXゴジータ(孫悟空+ベジータ)
- EXゴテンクス(孫悟天+トランクス)
- ヤムータ(ベジータ+ヤムチャ)
- ゴリリン(孫悟空+クリリン)
- クリゴハン(クリリン+孫悟飯)
- クウハン(孫悟空+孫悟飯)
- バーロット(孫悟空+バーダック)
- カロリー(孫悟空+ブロリー)
- ゴルス(孫悟空+破壊神ビルス)
- グレートサタンマン(グレートサイヤマン+ミスター・サタン)
- ギニューマン(グレートサイヤマン+ギニュー)
- グレートサイヤマン12号(グレートサイヤマン+グレートサイヤマン2号)
- スーシンクウ(四星龍+孫悟空)
- ベジンクス(ベジータ+未来トランクス)
- タクス(未来トランクス+勇者タピオン)
- ジャンクス(未来トランクス+ジャコ・ティリメンテンピボッシ)
- ラッパ(ラディッツ+ナッパ)
- タッツ(ターレス+ラディッツ)
ポタラ
- ベジット(孫悟空+ベジータ)
- ゴタン(孫悟空が想像した孫悟空+ミスター・サタン。一部ゲームでは実際に登場する)
- カカデンデまたはデンデロット(アニメオリジナル。孫悟空が想像した孫悟空+デンデ)
- 合体ザマス(ドラゴンボール超。ゴクウブラック+ザマスだが、ザマス色が強く声も混じらない)
- ケフラ(ドラゴンボール超。カリフラ+ケール)
- ベジークス(ゲームオリジナル。ベジータ:ゼノ+トランクス:ゼノ)
サイヤ人の肉体を利用した者
- ギニュー(孫悟空とボディーチェンジしたあと)
- セル(地球にいたサイヤ人らの細胞を配合し作成した人造人間)
- 魔人ブウ(ゴテンクス、孫悟飯らを一時的に吸収)
- ベビー(ドラゴンボールGT。ベジータ、孫悟飯、トランクス、孫悟天、ブラに寄生)
- 超七星龍(ドラゴンボールGT。パンに寄生した七星龍)
- ゴクウブラック(ドラゴンボール超。ザマスが超ドラゴンボールを使い孫悟空と肉体を交換)
関連項目
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