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フランク・シナトラとは、アメリカのジャズ・ポピュラーシンガー、俳優である。
20世紀を代表する、史上最も偉大なシンガーの1人であり、アカデミー賞を受賞した名優でもあり、また一方でマフィアとの繋がりが史上最も露骨であったシンガーの1人でもある。
略歴・人物
1930年代に20歳でデビューしてから程なくして高い人気を獲得。
戦後一時スランプに陥ったものの、映画『地上より永遠に』へ出演しアカデミー助演男優賞を受賞すると、これを機に人気が再燃し、50年代～60年代にかけて人気の最盛期を迎え、アメリカ、ひいては世界でもトップクラスの人気シンガーとしての座を掴む。
エルヴィス・プレスリーなどのロックンロールがアメリカ国内を席巻する中で、ジャズ色の強い、昔ながらのポピュラー音楽の作風を貫いた。
60年代以降は俳優としての活躍もさらに増えていった。
70年代初頭に一旦引退したものの数年後に復帰し、以後1993年に心臓発作を起こすまで精力的に活動した。
心臓発作での入院以降は活動を縮小し療養に専念していたが、1998年に死去した。
最初の妻との娘の一人にナンシー・シナトラがいる。平成世代には「うたばん」のテーマソングで知られる『These Boots are Made for Walkin'』や『007は二度死ぬ』のメインテーマなどを輩出したシンガーとしてこちらも有名。
世界的な人気を得た大人気歌手であった一方、「歌の上手いマフィア」と揶揄されるほど、イタリア系マフィアとの繋がりが強く、ほぼ公然の秘密となっていた。
イタリア系アメリカ人の家に生まれたシナトラは、そのデビューのときから既にイタリア系マフィアと深く繋がっていた。
FBIがマフィアの捜査を進めていくうち、マフィアの歴代ボスや大物幹部が、どいつもこいつもシナトラと繋がりがあったことがわかっていき、その関係の広さに驚いたという逸話すらある。
特に有名なのは、人気復活から最盛期突入への契機となった『地上より永遠に』への出演のエピソードである。人気が低迷していたシナトラにとってこのオファーはカムバックの貴重なチャンスであったが、何と直前に女性スキャンダルを起こしてしまっていた。そんな中でこの映画に出演できたのは、困ったシナトラが、マフィアの超大物（サム・ジアンカーナ）に泣きついたためであった。
このエピソードは後に『ゴッドファーザー』でネタにされた。基本的にマフィアとの繋がりは全般的にタブーな話題であったが、この映画でネタにされたことについては特にシナトラは気に入っていなかったらしく、映画の原作者にマジ切れしている。
また、60年代の人気絶頂期には、あのケネディ大統領と非常に親しい関係になった。バンドメンバーの一人がケネディの妹と婚約したことがきっかけであった。
2人の中は当初非常に良く、シナトラはケネディを積極的に支援し、彼のパーティで自ら国歌を歌ったりもした。
しかし、その支援内容はクリーンな範囲にはもちろん留まらなかった。シナトラを通じて、マフィアからの多額の寄付金がケネディに渡り、賄賂による不正選挙の原動力となったほか、マリリン・モンローをはじめとするトップスターが不倫相手として斡旋されたりもした。
そもそもマフィアとつながりの深いシナトラと付き合うというだけでも危ないのだが、それに留まらず、このようにブラックな支援をいろいろと受けたことで、ケネディはFBIに目をつけられた。そのため、ケネディ側は大統領当選後にシナトラとマフィア達との関係をすっぱりと切り、あまつさえマフィアの徹底的な取締りを宣言した。
このことでマフィアを完全に怒らせてしまったことが、後にケネディが暗殺された理由なのではないか、という説は、彼の暗殺事件にまつわる陰謀論の中でも最もポピュラーである。
シナトラは、単なる「偉大なシンガー」という枠にさえ留まらない、いくつもの顔を持つ複雑で巨大な人物であったことがわかる。
楽曲
『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』『マイ・ウェイ』『カム・フライ・ウィズ・ミー』など、日本人にもなじみの深い曲をはじめ、数々の曲がスタンダードとして広く親しまれている。
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音楽
↑キャリア全体を通して、人気曲のみを集めたベスト。国内でも手に入りやすく、最初に聴くのならこれ1枚でよい。
↑60年代に立ち上げた自身のレーベル「キャピトル・レコード」時代のベスト。
映画
関連項目
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