ユーロファイター・タイフーン単語

37件
ユーロファイタータイフーン
2.1千文字の記事
  • 12
  • 0pt
掲示板へ

ユーロファイター・タイフーンとは、イギリスイタリアスペインドイツがEF2000(EFA)計画によって共同開発した多戦闘機(マルチロール機)である。

概要

ヨーロッパ4か共同の開発計画は1988年スタート1992年にはユーロファイター2000ネーミングされた。その後2002年にはユーロファイター・タイフーンとリネームされ、2003年イギリスドイツイタリアスペインの4かで配備が開始された。[1]

JAS39と同様にカナードとデルタを組み合わせたクロースカップルデルタの形状を取っており、端を除いて13ヶ所ものハードポイントがあるのが大きな特徴。またアフターバーナーなしでのスーパークルーズに対応しており、全備重量でもマッハ1.3を発揮できる。前面のRCS(レーダ断面積)はF-22に及ばないものの電波吸収材の多用によりF/A-18E/Fラファールよりは小さいとされている。

イギリス防衛評価研究所の試算をもとに、改良Su-27(Su-35相当)と撃墜/被撃墜で較するとEF-2000は34.5となる。(F-22Aは910、F-15Cは0.76、F-16ブロック40は0.26となる)

これまで9ヶが680機を発注している。[2]

トランシェ

ユーロファイターは段階的に力の拡大を図る形で開発・生産を行っている。調達の大きな区切りとして「トランシェ」があり、トランシェごとに細かい区切りの「ブロック」がある。最新は「トランシェ3A」で(3Bも計画されていたが中止)、ドイツ2020年に、保有しているトランシェ1を更新する機体として「トランシェ4」を導入する方針を決めている。[3]

厳しい現実

トランシェ3では新開発アクティブ電子走査アレイAESAレーダーの導入が予定されている。現行のユーロファイターが搭載しているユーロレーダー社の「CAPTOR-M」(メカニカルスキャン方式)のアンテナ部分をAESAにした「CAPTOR-E」(現在はECRS:European Common Radar Systemと呼ばれている)の実用化は遅延しており、各の予算不足からかさっぱり進展してない。

メカニカルスキャンでは、電波の発信から受信までアンテナ部を動かす必要があるので、レーダー幅などに制約を受ける。AESAの場合、アンテナを構成する発信・受信機が電子的に位相を変えつつ送受信を行うので、レーダー探知距離などの性メカニカルスキャンよりも優れる、とされている。ユーロファイター以外の戦闘機ではすでに実装が進んでおり、航空自衛隊F-2が搭載しているJ/APG-1、F/A-18E/FBlock2が搭載するAN/APG-79などがある。

現状、2007年から開発していて2015年実用化という予定はいくらなんでも時間がかかりすぎかもしれない。その間、J/APG-1がAAM-4を運用するためなど各種のアップデートを行い探知距離を延ばしたJ/APG-2になるほか、AN/APG-79は限定的な電子戦力まで備えるなどにべるとその動きは低調と言えるだろう。

この間、インドでの126機導入の輸出チャンスがあったといわれるがこのレーダー部分がネックとなり、ダッソー・ラファールの採用が決まった(ラファールはパッシブ電子走査アンテナ(PESA)レーダーを搭載)。

2013年6月海外向けの輸出拡大が低調であることを受けて製造元のEADSでは、レーダーAESAへしないと導入に有利に働かないと、開発(イギリスドイツスペインイタリア)に予算承認をめている。2011年に基本合意に達したものので、まだ正式調印ではなく、今後の推移はまだ不透明であるといえるだろう。

2015年7月23日イギリス空軍インド空軍で行われた演習インドラダヌーシュ」では、「34.5で有利」と言われていたはずのフランカー(正確にはSu-30MKI)相手に0対12で敗するという失態を犯した。さらに、その対戦の中には2機のタイフーンで1機のフランカーと戦うも返り討ちにされる場面も存在したと言われている。

関連動画

MMD-OMF モデル部門 No.027 『ユーロファイター・タイフーン(三機セット)』 (モデラー:シナモソ)

関連項目

脚注

  1. *「ユーロファイター・タイフーンの全貌」今泉 航空情報2005年10月
  2. *今年で初飛行から半世紀!2024年に節目の年を迎える戦闘機3選exit 2024.3.30
  3. *「ユーロファイターのトランシェとブロック井上 J-Wings 2022年11月
  4. *http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2012/2012/html/n2352000.html
関連記事

親記事

子記事

  • なし

兄弟記事

【スポンサーリンク】

  • 12
  • 0pt
記事編集 編集履歴を閲覧

ニコニ広告で宣伝された記事

この記事の掲示板に最近描かれたお絵カキコ

この記事の掲示板に最近投稿されたピコカキコ

ピコカキコがありません

ユーロファイター・タイフーン

636 ななしのよっしん
2023/01/18(水) 04:10:39 ID: 8zc1CTv2Un
魔改造論者ナントカの一つ覚えだったと思われる
👍
高評価
2
👎
低評価
1
637 ななしのよっしん
2023/05/12(金) 18:11:00 ID: trzDLu2tTd
トランシェ1がウクライナに供与されそうと聞いたが本当なんだろうか
いや本当になってほしいが、F-16Vに及ばずとも重な戦力になるだろ
👍
高評価
0
👎
低評価
0
638 ななしのよっしん
2023/05/12(金) 22:32:37 ID: IDdD/xHjEV
トランシェ1って使い物にならなくない?
改修されてブロック8相当になってればまだマシにはなってるけど…
供与するイギリス辺りになるのだろうか確かF-35で初期が余剰機になってた
ウクライナが欲しがってるのはF-16VではなくF-16C/Dのワイルドウィーゼル仕様ブロック50及び52っぽいんだよね
NHKとかの取材で出てきてるキーウの防任務に従事してる隊長も言ってたりに貼りだしてするので
👍
高評価
2
👎
低評価
0
639 ななしのよっしん
2023/05/26(金) 01:07:17 ID: kK/CpfLh9f
ブロック50Dな
んなこと言ってたらオランダF-16だって使い物にならん

まぁ警機と給油機がなくっちゃ、戦闘機なんてちょっと射程の長いSAMぐらいの仕事しかできんけど
👍
高評価
0
👎
低評価
0
640 ななしのよっしん
2023/05/27(土) 21:22:27 ID: 0ZZsDvmEqc
タイフーンってそもそも送れるような機体って残ってるのかな、送れても性的にはなんとも微妙だし
F-16もあまりにもピンキリすぎるからそっちもどうかと思うけど、グリペン送る動きあるしこっちは相当喜ばれそう
👍
高評価
2
👎
低評価
0
641 ななしのよっしん
2023/11/08(水) 18:56:47 ID: wxSORJ0AW8
今は改善してるとかの話もあるが、2014年の時点で日本が参入して導入していたら確実にトラブル頻発で運行停止になってたと思う。
でも改善しているとの話もあるが、やはり陳腐化?
👍
高評価
2
👎
低評価
0
642 ななしのよっしん
2023/12/22(金) 16:01:18 ID: 8zc1CTv2Un
トランシェ1も初期の初期だと間防戦闘しか出来ないので、ガンガン使い潰されてるMiG-29の初期といい勝負ですね
👍
高評価
0
👎
低評価
0
643 ななしのよっしん
2023/12/23(土) 10:15:15 ID: BTUMIvfXa/
サウジオマーンクウェート、そしてトルコも検討中。意外に売れているんだな
👍
高評価
1
👎
低評価
0
644 ななしのよっしん
2024/02/05(月) 20:50:59 ID: /mlBH04th/
確かに意外と売れてる
グリペンラファールと並べてもそれほど遜色はないぐらいにはなったか
👍
高評価
0
👎
低評価
0
645 ななしのよっしん
2024/08/17(土) 09:06:43 ID: 3e1b5H3Wsw
タイフーンの醜聞を聞くと日英の共同開発も期待しない方がいいな。(イギリス政府が計画見直すという飛ばし記事があったけど案外本心かも)
いくら外貨を使うとはいえ担当省庁・企業の(関係者の昇給・昇進の評価集めのための)実績作りで大金が浪費されるのは噴飯ものだが。
👍
高評価
0
👎
低評価
1