ロード・エルメロイⅡ世の冒険とは、三田誠による魔術冒険小説である。
概要
TYPE-MOON世界を舞台に、多数の型月作品に登場経験のあるロード・エルメロイⅡ世を主人公とした冒険小説作品。
発行元はTYPE-MOON BOOKS。2020年12月15日に第1巻発売。2021年8月13日に第2巻発売。2022年1月28日に第3巻発売。2022年8月19日に第4巻発売。2022年12月31日に第5巻発売。2023年8月13日に第6巻発売。2023年12月31日に第7巻発売。2024年8月12日に第8巻発売。
前作『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』から数年後の世界を舞台とし、ロンドンから飛び出したロード・エルメロイⅡ世とグレイが世界中を巡って大冒険を繰り広げる。前作最終巻が『Fate/stay night』とほぼ同じ時期だったため、実質的にSNの数年後の物語となり、SNメインヒロインの一人遠坂凛もメインキャラクターを務める。
前作ではロンドンの魔術協会総本山「時計塔」の詳細が語られたが、今作ではそれ以外の世界に点在する魔術組織や魔術以外の神秘を取り扱う組織のことが語られている。また、前作ではホワイダニット(なぜやったか)が重要視されていたが、今作ではフーダニット(だれがやったか)が重要視されるようになっている。ただし、今作のフーダニットとは本来の意味とは若干異なる使われ方をしている。
なお、SN後の物語として、SNのどのルートの続きになっているのかも気になるところであるが、1巻巻末のあとがきによれば、“原作の奈須きのこさんと相談し、解体戦争につながるであろう『独自のルート』を想定した書き方”となっているため、SNのどのルートとも異なるようだ。
しかし、作中の言葉を並べてみると
- 遠坂凛はロンドンに来てエルメロイ教室の生徒となっている。
- 衛宮士郎も凛に同行してロンドンに来ており、ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトからアプローチを受けている。
- ロード・エルメロイⅡ世は士郎と一度語らったことがある。
- 凛がグレイときちんと向き合ってその顔を見るのは今作が初めて。
などの情報は得られる。
さらに、型月関連の他作品とのつながりも意識しており、第二巻では前作『事件簿』で大きな役割を果たした『空の境界』の蒼崎橙子の関係者である「両儀幹也(黒桐幹也)」、およびその娘で『空の境界 未来福音』に登場した「両儀未那」が登場する。さらに巻が進むと『MELTY BLOOD』から「シオン・エルトナム・ソカリス(シオン・エルトナム・アトラシア)」、『Fate/stay night』から「衛宮士郎」も参戦する。
FGOでの言及
スマホアプリ『Fate/Grand Order』にもロード・エルメロイⅡ世をはじめとして今作登場キャラも複数参戦しているが、2022年1月に行われた復刻版「ロード・エルメロイⅡ世の事件簿」コラボイベント追加シナリオにて、本作『冒険』の内容に触れるシーンがある。
登場人物
エルメロイ一行
- ロード・エルメロイⅡ世
- 魔術の解体の被害者が増えるにつれ、その悪名もさらに増加。「略奪公」「鼠の王」など、前作からさらに異名が増えた。
- 今作ではグレイの現状を打破する研究に没頭するために講師を止めるべきか悩んでいる。
- グレイ
- 前作と変わらずエルメロイⅡ世の内弟子を続けている。
- が、その肉体は前作ラストから成長しておらず、容姿は少女のままである。
- また、前作よりも魔力量が増え、『強化』の魔術がより強力になり、かつては周囲の魔力を吸収しなければできなかった切札の使用も自力のみで行えるようになっている。
- その理由はもちろんあの王様が第五次聖杯戦争で再びサーヴァントとして顕現したため
- 遠坂凛
- 『Fate/stay night』ではメインヒロインの一人。その数年後を舞台とする今作でもメインキャラクターの一人。エルメロイ教室の一員となっており、エルメロイⅡ世を「先生」と呼ぶ。
- 第1巻では夏季休暇を利用してシンガポールでとある宝をサルベージしようとした。その際にエルゴと出会った事でエルメロイⅡ世とグレイをも巻き込んだ大冒険に出ることになってしまう。
- 『Fate/stay night』および『Fate/hollow ataraxia』などで語られていたルヴィアとのプロレスエピソードは今作でもエルメロイ教室の語り草となっている。
- エルゴ
- 本作が初登場の新キャラクター。記憶を無くした赤毛の青年。
- 背中から透明な6本の腕を出すことができるが、その由来などは不明。この腕の射程範囲は10メートル以上で、『強化』を使用したグレイを捕捉するほどの精密性とパワーを併せ持ち、暴走した際には小さな島の半分を消し飛ばした。
- エルメロイⅡ世は彼の証言からヨモツヘグイを行ったためではないかと予想した。
敵役
- ラティオ・クルドリス・ハイラム
- アトラス院の錬金術師。青い長髪に紫の目をした彫刻のような美貌を持つ中性的な女性。「時計塔」の君主(ロード)に匹敵するアトラス院の「六源」のひとつハイラム家の出身。その言動は無機質的と表現されている。
- アトラス院特有の高速思考と分割思考に、自らの骨から作り出した骨の巨人タンゲレや使い魔を組み合わせてエルメロイ一行を襲撃した。
- エルゴは自らの先祖が行った実験の産物であり、自分はそれを遺産として引き継ぐと主張し、エルゴを奪おうとする。
- タンゲレ
- ラティオの作り出した使い魔の骨の巨人。ラティオの分割思考のうち二つをあてがわれて自己判断で成長させた結果、本体とは異なる人間味あふれる個性を手に入れている。
関連静画
関連項目
親記事
子記事
兄弟記事
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