九蓮宝燈(チューレンポウトン)とは、麻雀の上がり役、役満のひとつである。「蓮」は「連」、「燈」は「灯」の表記揺れがある。別名「天衣無縫」。
概要
同じ種類の数牌で、1112345678999+1~9のいずれかという形をそろえると成立。
門前で(暗槓も禁止)で上がる必要がある。
国士無双のように待ちの形によって2種類に分かれる。
- の形が揃っていない状態で先にいずれかの牌で対子(の場合は4枚)を揃え、最後に欠けている1つの牌を持ってきて和了。
一般的に見られる九蓮宝燈の殆どのケースはこちら。欠けている1つでアガれれば九蓮宝燈が成立するが、大抵は他の牌でも清一が成立しアガり牌になる。 - を先に揃え、~のいずれかをもってきて上がる。
この9面待ちの形は上記の一般的な九蓮に対して「純正九蓮宝燈」と呼ばれて区別される事が多い。(後述)。
~どれでアガっても役満の九蓮が成立する。
ちなみに、9面にも広がる待ちから役満特有の特殊な和了形かと思われることがたまにあるが、これもれっきとした「1雀頭4面子」に当てはまる役である。(1雀頭4面子の法則に当てはまっていないのは国士無双と七対子だけ)
和了形を1雀頭4面子の面子構成に分けると、以下のようになる。九面待ち聴牌をして、左の数牌でアガると、右のような面子構成になる。
→ (双碰・両面)
→ (単騎)
→ (辺張・両面)
→ (両面)
→ (単騎)
→ (両面)
→ (両面・辺張)
→ (単騎)
→ (両面・双碰)
役満の中でもかなり難易度が高い役で、ある統計によると純正九蓮宝燈は天和・四槓子と並んで最難レベルの役になっている。
純正でない九蓮ならいくらか出現率は高いようであるが、それでも他の役満に比べるとずっと難しい。
門前役に指定されているが、これは1回でも鳴いて(暗槓も含む)面子を確定させてしまうと、九蓮宝燈の本来の条件である九面張聴牌を満たせなくなってしまうためである。現在は最終的な形が九蓮宝燈になっていれば良い。
そもそも何故九面待ちを「純正」と呼ぶかというと、今でこそ待ち方は不問であるが、かつての九蓮宝燈は九面待ちのみに限られていた。すなわち、純正な九蓮宝燈ということで、「純正九蓮宝燈」と呼ばれている。同様に、今でこそ待ち方が不問である国士無双も元々は十三面待ち、四暗刻も単騎待ちのみに限られており、これらが純正な姿なのである。
ちなみに、九面待ちではない九蓮宝燈のことを、準正九蓮宝燈とも呼ぶ。
最初期の麻雀は3面子を揃えるゲームであり、その頃の九蓮宝燈は一色の数牌で一二三・四五六・七八九の順子を集めるという、現在でいう一気通貫に相当する役であった。そして1雀頭1面子が追加され、現在のように1雀頭4面子を揃えるようになると、一と九を3枚ずつと二~八を1枚ずつ揃えるという九面待ち聴牌をし、和了した時点で一気通貫が含まれていなければならなかった。つまり九面待ちで聴牌しても九蓮宝燈として上がれるのはとのみであり、それ以外の同色牌で上がるとただの清一色となった。この場合は九蓮宝燈九面待ちというより、九蓮宝燈二面待ちといった方がいいかもしれない。
その後すぐに一気通貫は条件から外されたが、九面待ちでなければならないという条件はしばらく続いた。現在では九面待ちではなくとも、結果的に九蓮宝燈の形になっていれば成立するというのが一般的となっている。
本家・中国麻雀でも最高役である88点役に設定されているが、こちらは現在でも九面張聴牌が条件である。ちなみに中国麻雀では、九蓮宝灯と表記される。なお中国麻雀は、原則としてその役に含まれる役(九蓮宝灯なら清一色)以外は全て複合するルールのため、1・9でアガれば清竜(一気通貫)と四帰一、2・8でアガれば双暗刻と連六、3・4・6・7でアガれば連六、5でアガれば双暗刻が複合する。ツモアガりであれば不求人(門前清自摸和)も複合する。
九蓮宝燈に関するローカルルール
- 純正の9面待ちがダブル役満である。
国士無双13面待ちと同じく、これ単独でダブル役満として扱うというルール。主なオンライン麻雀では、麻雀格闘倶楽部と雀龍門で単独ダブル役満として扱われている。(ただし、麻雀格闘倶楽部では「九蓮宝燈9面待ち」と言う名前)
シングル役満としか扱われていないタイトルでも、「純正九蓮宝燈」として別にカウントされるようになっている事が多い。 - 萬子を使った時のみ成立する限定役である。
こちらは役の成り立ちに由来するものであるが、現在は筒子・索子でも役が成立するとしているルールが殆ど。主なオンライン麻雀では全て筒子索子でも成立するとされている。 - あまり知名度はないが、索子で作った九蓮宝燈を孔雀開扉という別のローカル役として採用する場合がある。通常の九蓮宝燈と違い、鳴いて作ることも可能である(しかもカンしても良い)。しかし、鳴かなければ通常の九蓮宝燈の成立が優先されるため、孔雀開扉は最低1回は無く必要がある。
九蓮宝燈の都市伝説
九蓮宝燈は「アガると早死にする」と言う都市伝説がある。
これは諸説あるが、ある人がこの役をアガって皆からご祝儀を貰い、その帰り道で襲われて死んだことからきているという説による。
それ以外にも、極めて難しい役であるためにアガると運を使い果たしてしまって死ぬ、等という言われ方をする事もある。
もちろん全国で数えれば麻雀は日々膨大な数の対局が行われており、天和と同じく九蓮宝燈もそこそこの数が出現しているため、これを上がっただけで死ぬという事は無いが、都市伝説としては非常に有名である。
なおこのことに関係する逸話として
- 1969年の小説「麻雀放浪記」で九蓮宝燈で上がった登場人物が直後に死亡する。この麻雀放浪記は昭和中期の麻雀ブームのきっかけを作った有名作品。九蓮宝燈で上がると死亡するという都市伝説を一般に広めた。
- 上記の麻雀放浪記の漫画化作品「哲也 ~雀聖と呼ばれた男~」でも九蓮宝燈を上がった直後に死亡する。少年マガジンに連載されたので若い人はこちらの方がが有名かもしれない。
- 麻雀エロゲーの「いただきじゃんがりあん」ではプレイヤーが九蓮宝燈で上がると、主人公が死亡する特殊ゲームオーバーになる。
- 「九連宝塔」と言うPNの成人向け漫画家が過去に居たが、若くして死去している。
実演
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関蓮動画
その他のテレビ対局での和了り事例。左は道場破り盃での藤原隆弘、右はTHEわれめDEポンで初めて出た岡田紗佳によるもの。
関蓮項目
親記事
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- なし
兄弟記事
- なし
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