宇宙船サジタリウスとは日伊合作のTVアニメである。動物を擬人化したキャラクター達が登場するSF作品である。
概要
日本ではテレビ朝日の金曜日夜7時30分枠で、1986~1987年に渡って放送された。トッピー、ラナ、ジラフの三人の主人公が宇宙船に乗り、宇宙を舞台に様々な冒険を繰り広げていく。
全体的に牧歌的な雰囲気とスリルを織り交ぜた楽しい作品ではあるが、主人公が零細企業で働くサラリーマンという設定であることから、他のSF作品とは異なり生活感や社会人の苦労が描かれることが多い。財務体力に乏しい零細企業故の苦労、雇用を盾に無理に仕事を振ってくる経営者の横暴さ、保障が不足しがちな企業で働くことの苦労、大企業の専横、起業する喜びと苦労、家族を支えるお父さんの苦労などがそれである。本放送時に小学生だった子供達も今は30代となり、自らが主人公と同じ立場になったことで、物語を偲んでいるという。
日本の子供達に、イタリア料理「ラザニア」を広めた作品としても良く知られている。
あらすじ
※第一話から
零細企業の宇宙便利舎に勤務するトッピーとラナは月での仕事を終え、会社の備品である宇宙船「サジタリウス号」を地球へ再突入させる。零細企業ゆえ、サジタリウス号は時代遅れの性能しかないポンコツで、大気圏では冷却装置がないため船内がサウナのように熱くなる。やっと大気圏を突破しアプローチに入ろうとするが、管制は大企業の宇宙船を優先し、サジタリウス号の着陸は後回しにされる。
そんな二人には楽しみなことがあった。トッピーの妻は臨月を迎えており、これから生まれてくる子供の名前を考えながら、家族三人での生活を想像し喜びを噛みしめている。ラナはうるさくも可愛い子供達と会い、妻が作るラザニアを食べることが楽しみだった。
二人が小さくてボロい本社に戻ると、社長が早速次の仕事を割り振ってくる。帰還したばかりの二人は文句を言うが、雇用を盾に取る社長には逆らえない。二人とも、妻と子供を養わなくてはならないからだ。
つかの間の家族との触れ合いの後、二人は次の仕事の為に港へと戻る。そこで一人の女性に会うが、彼女はある男性に追われていると言う。ところがその男性こそ宇宙便利舎に仕事を依頼したジラフだった。依頼内容は、先ほどの女性を追いかけること。彼女はアンという考古学者なのだが、学会で自分の学説が取り合ってもらえなかったので、自ら証明する為に宇宙へ旅立とうとしていたのだ。ジラフはアンを慕う後輩なのだが、彼女に危険があってはいけないからと止めようとしていたのだ。
こうして三人はアンを追いかけて宇宙へと旅立っていく。
登場人物
主題歌とEDテーマ
主題歌は「スターダストボーイズ」、EDテーマは「夢光年」となっている。いずれも作詞・阿久悠、作曲・鈴木キサブロー、歌唱・影山ヒロノブである。
スターダストボーイズは、主人公を自虐的に表現しながら「これでも良い所があるんだぜ」と歌い、彼らが普通のサラリーマンであることを端的に表わしている。夢光年は、人は生きていると夢を見失っていくが、でも夢を抱くことは素晴らしいと歌ったもの。大人が聞くと涙腺崩壊であろう。TUBEのデビュー曲「ベストセラー・サマー」に曲調が酷似しているが、作曲者が同じなのであってパ○リなわけではない。
また、夢光年は、放映からかなり早い段階で合唱曲として知られるようになり、音楽の教科書に掲載されていたこともある。
関連動画
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関連項目
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