性犯罪とは、他者に対する性的な行為のうち、法律及び条例等で定められる犯罪の総称である。
性犯罪、ダメ、絶対!
概要
性犯罪の中で特に強制性交等罪(注1)は魂の殺人ともいわれる凶悪な行為であり、被害者の心に対し重大な傷害をつける凶悪犯罪である。これは強制わいせつ罪等においても同様であり、被害者に対し身体的ではなく、見えにくい精神的な傷害を負わせる点特徴がある犯罪である。
そして、そのような特徴をもつ犯罪でありながら、行為自体が密室等で行われやすい犯罪である。そのため、第三者が直接知る機会が少なく、被害者に対し誤解、落ち度があった等と無理解からの対応が取られやすく、この点が被害者支援について問題となっているとこでもある。また、痴漢などでは、その状況において判別が難しいものもあり、捜査の困難さも相まって冤罪問題として取り上げられることがあり、問題の難解さがある。
刑法において、性的な犯罪として種別される犯罪は、現行法においては公然わいせつ罪(174条)、わいせつ物頒布罪(175条)、強制わいせつ罪(176条)、強制性交等罪(177条)、準強制わいせつ罪及び準強制性交等罪(178条)、監護者わいせつ及び監護者性交等罪(179条)、強制わいせつ等致傷罪(181条)、淫行勧誘罪(182条)、強盗・強制性交等及び同致死罪(241条)などである。
これらの罪の中で、強制性交等罪および強制わいせつ罪、監護者わいせつ等罪は、一般に「性的自由の侵害」が保護法益と考えられている。これらは他の性犯罪と異なり個人的法益に対する罪である。犯罪白書等で使われる性犯罪とは基本的にこれを指すと思われる。これに対し、公然わいせつ及び頒布罪に関しては、社会的法益に対する罪であり、風俗犯とも言われる。「わいせつ」について議論があり、この点保護法益が明らかでない。(→わいせつ物頒布罪の大百科で仔細されている。)
また、特別刑法においては、売春防止法における売春等行為の禁止(5条以下)などがあげられる。
この他、条例等により定められた性犯罪もある。例えば、東京都青少年育成保護条例の未成年者に対する反倫理的な性交等の罪(18条の6、19条)、いわゆる迷惑防止条例の痴漢行為に対する罪(5条以下)などがあげられる。これらの罪に対しては、各都道府県も同様の規定がなされている。
(注1)強制性交等罪は、平成29年施行の刑法改正により強姦罪から名称変更されている。
刑法改正について
平成29年法律第72号により、百年ぶりとなる刑法条文の大幅な改定が行われた。本改正においては、特に旧刑法での強姦罪が強制性交等罪へと変わり、男女関係なく主体となれることとなり、下限罰則が3年から5年へと引き上げられる厳罰化する改正され、また監護者による性犯罪規定も盛り込まれる形となった。さらに、親告罪であった強姦罪及び強制わいせつ罪などについて、被害者の告訴がなくとも起訴することの出来るよう親告罪の廃止された。
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関連リンク
- 法務省:刑法の一部を改正する法律案
- 法務省:法制審議会-刑事法(性犯罪関係)部会
- 法務省:性犯罪の罰則に関する検討会
- 内閣府:都道府県青少年保護育成条例集(平成21年12月1日現在)
- 性犯罪にあったら!(警視庁)
- 警察庁:犯罪被害者支援ホームページ
- 警察庁:性犯罪被害相談電話設置一覧表
関連項目
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