怪獣大戦争マーチとは、主に東宝特撮映画で自衛隊のテーマ曲として扱われるマーチである。別名伊福部マーチ。
お前ら、概要読んだ甲斐があったな!
作曲者は言わずと知れたゴジラのテーマをはじめとして数々の特撮音楽の名曲を残したことで知られる伊福部昭。
元々は戦前の1943年に製作された古典風軍楽「吉志舞」という楽曲だったのだが、それが1951年の映画『源氏物語』において例の旋律がピアノ演奏で再使用された。怪獣映画での使用は、映画『ゴジラ (1954年)』において、「フリゲートマーチ」という形で編曲され、さらに映画『宇宙大戦争』では『大怪獣バラン』における自衛隊テーマを組み入れる形で再編曲、さらに映画『怪獣大戦争』において現在我々がよく知る基本メロディが完全に確立された。伊福部作品にはこうした楽曲の援用が多々見られることでも知られる。
主に自衛隊が怪獣攻撃に対して出動したシーンで流れるイメージ(ついでに怪獣が自衛隊装備をぶっ壊す)が強いが、実は昭和ゴジラだと使われたのは件の『怪獣大戦争』だけで、後に平成ゴジラの『ゴジラvsビオランテ』のサンダービーム作戦遂行時に再演奏版が使用されるまではゴジラシリーズから長らく遠ざかった存在でもあった。
この後、ミレニアムシリーズでは『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』のエンディングで再演奏版が、伊福部死後のシリーズ再開作『シン・ゴジラ』では本編に宇宙大戦争でのアレンジ版、エンドロールにおいて「怪獣大戦争」で使用されたオリジナル演奏音源のモノラルバージョンが用いられている。
伊福部が東宝怪獣映画に提供した楽曲を1作品として再構成した「SF交響ファンタジー」では「吉志舞」のバージョンや「宇宙大戦争」バージョン、「怪獣大戦争」バージョンなど複数この曲の旋律が流れる箇所がある。
また、ゴジラシリーズではないが、アニメ映画「クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦」では、自衛隊出動シーンでオリジナル演奏版が自衛隊のスピーカーから流れる。ちなみに、敵のロボットは同じく伊福部のゴジラのテーマを流し、自衛隊員が逃げ出すというギャグ返しも行われた。(本作の配給はゴジラシリーズと同じ東宝で、使用許可を伺ったところ快諾されたことによる)
実は「怪獣大戦争マーチ」のバージョンは主旋律の大半がピアノで言うところの白鍵で演奏が可能なので、小学校などでちょっとピアノをかじった奴なんかはこの曲をちょいと弾いてみせて周囲を驚かせた、なんてことが結構あるだろう。(ゴジラのテーマがドシラ、ドシラであるように、この曲も旋律がドレミファミーソーレーソーと非常に憶えやすいことも手伝って)
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