概要
執筆はTYPE-MOONの奈須きのこ、イラストレーターには同じくTYPE-MOONの武内崇に加え、逢倉千尋も参加している。
2010年に開催された「坂本真綾の満月朗読館」第4夜用に書き下ろされたもので、2011年10月に星海社から「星海社朗読館シリーズ」として、坂本真綾の朗読CD2枚組が付属した小説版が発売された。箱入りかつブックレットはイラスト入りのフルカラーという豪華本仕様。
2012年7月からは「真月譚月姫」を手掛けた佐々木少年による漫画版が「最前線」サイト上で連載開始。単行本化もなされている。
世界観
「『月姫』が起こらなかった世界」とされ、コンセプトとして「かぐや姫」「月姫3000」がある。主人公であるお姫さま(「おひいさま」と読む)の容姿もアルクェイドを思わせるものになっている。
「月姫」と世界観を同じくしているため、自動的に「魔法使いの夜」「空の境界」「Fate」とも同じ世界観である。ただし、魔術は残ってこそいるようだがほぼ出てこない。全体を通して『退廃的なイフ』となっている。
あらすじ
西暦はとうに失われているが、数えるなら3000年頃。人類はその文明こそ高度なものへと成長したが、発展開拓や繁殖への情熱を失い、滅亡の危機に瀕していた。
「珊瑚の島」の姫であるお姫さまは、後を絶たない求婚者に無理難題を吹っ掛けることで知られていた。そんな彼女のもとに、奇妙な姿の男性が現れる。
登場人物
お姫さま(おひいさま)
珊瑚の島の姫君。金髪のショートヘアでどことなくアルクェイド・ブリュンスタッドと似ている。瞳は金色。
島自体の希少価値もあって求婚者が後を絶たない。そんな彼らに毎度無理難題を吹っ掛けては撃墜しているものの、それには彼女なりの理由がある。
必要な事は口伝で伝えられているため、物語開始時点では読み書きができなかった。
その正体は、月の姫の末裔であり、クローン。人を愛することが理解できないが故に、愛というものが難題に比するものであるはずという気持ちがある。
小人
島にやってきた人形程度の大きさの男性。全身宇宙服に身を包んだブリキの人形のような姿で、小さな乗り物に乗っているが内部は見た目以上に広い。お姫さまに会い、とある商談を持ちかける。
月の姫
数百年前、人類が月を管理するために作った珪素体の少女。いわば生命体としての月の脳を少女の像に落とし込んだようなもので、手足の先は月の大地へ接続している。月にいた科学者のうちの変態一人が服を着せていた。
後に人間に恋をし、自らの体を徐々に作り替え、人間に近づいていく。その代わりに月の中枢としての機能を失い、地球へ落とされる。
地球の男
数百年前の地球の男性。人付き合いに消極的で、通信環境さえあれば良いという俺らのような存在。月の文明が滅んだ後に一人で月へとやって来る。本人の意志では止まらない心臓を持つデザインベビーだが、生まれつき音が聞こえない。
後に月の姫を人間のいる地球へ向かわせ、代わりに自身が月を管理することに。
アリシマの君
お姫さまに求婚した男性。難題を吹っ掛けられあえなく被撃墜。飛行機に乗って帰って行ってしまった。特に悪い人物というわけではない。
関連項目
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