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この項目を[檄]と[檄を飛ばす]に分割する提案が出されていましたが、編集議論の結果、分割しないことになりました。 |
檄とは、以下のことを指す。
- 檄 - 漢字の一つ。古代中国の召書のこと。本記事参照。
- 檄(BEMANI) - BEMANIシリーズの音楽ゲーム「jubeat」に収録されている楽曲。
- 檄(三島由紀夫) - 三島由紀夫が書いた最後の声明文のタイトル。
- 大熊星座の檄 - 漫画・アニメ「聖闘士星矢」に登場するキャラクター。青銅聖闘士の一人。
- 檄を飛ばす - 慣用句の一つ。本記事参照。
- 檄!帝国華撃団 - ゲーム・アニメ「サクラ大戦」の主題歌。
- 檄!阪神タイガース中継 - CS放送局・GAORAで2008年まで放送された、阪神タイガース主催試合の中継。
漢字として
檄
- Unicode
- U+6A84
- JIS X 0213
- 1-60-80
- 部首
- 木部
- 画数
- 17画
- 意味
- 古代中国において、役所から人民に出した召集・通知のための木札のこと。徴用や徴兵といったとりわけ重要なものには、鳥のように早く行くという意味合いから鳥の羽がつけられたという。
また他人の非をあげ、自身の主張を述べ、多くの人に行動を促す文書のこと。そこから転じて、自身の主張や考えを広く人々に知らせて同意を求めることを指す「檄を飛ばす」という慣用句が生まれた。 - 字形
- 形声で声符は敫。
- 音訓
- 音読みは呉音がギャク、漢音がケキ、慣用音がゲキ。
- 規格・区分
- 檄は表外漢字である。JIS X 0213第二水準。
- 語彙
- 檄文、檄書、檄召、檄致、檄布、羽檄、飛檄
異体字
- 𣜥は、〔康煕字典〕に「檄に同じ」とある異体字。
慣用句
「檄」を用いた慣用句に、「檄を飛ばす」があげられる。本来の意味は「自身の主張や考えを、広く人々に知らせて同意を求めること」であるが、「元気のない者に刺激を与え活気づけること」という意味で用いられることが近年多々見られる。
文化庁が実施する国語に関する世論調査によると、本来の意味を答えた人は平成15年度で14.6%、平成19年度で19.3%、平成29年度で22.1%と全体の2割前後しかおらず、本来の意味でないものを答えた人はいずれの年度でも70%前後を記録している[1][2][3]。
このような本来の意味でないものが日本で広まった原因として、読売新聞校閲部は「檄」を激励の「激」と取り違えたこと[4]、文化庁国語課は「檄」が常用漢字でなく見かけることが少ないために、同音でなおかつ日頃慣れ親しんだ「激」と取り違えたことをあげている[5]。また日本語学の芹澤剛は「野次を飛ばす」や「怒声を飛ばす」「冗談を飛ばす」の例を取り上げ、「○○を飛ばす」という日本語は口語的かつ勢いのある言語活動を語感に付与するために、多くの人が「檄を飛ばす」という慣用句を「激励」のような意味に類推したのではないかと指摘している[6]。
関連項目
脚注
- *平成15年度「国語に関する世論調査」の結果について - 文化庁HP
- *平成19年度「国語に関する世論調査」の結果について - 文化庁HP
- *平成29年度「国語に関する世論調査」の結果について - 文化庁HP(PDF)
- *読売新聞校閲部(2000)『学生・社会人のための日本語再入門』 PHPエディターズグループ.
- *文化庁国語課(2015)『文化庁国語課の勘違いしやすい日本語』 幻冬舎.
- *芹澤剛(2002)「ゆれの原因と背景 -『檄を飛ばす』の場合-」 『そのだ語文』1,p.37-46,園田学園日本語日本文学懇話会.
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