水原勇気(みずはら ゆうき)とは、水島新司原作の漫画及びそれを元にした実写映画、アニメ作品、テレビドラマ『野球狂の詩』に登場する架空のプロ野球選手である。演じたのは、実写映画版とテレビアニメ(SP版)が木ノ内みどり、テレビアニメ(レギュラー)版が信沢三恵子、テレビドラマ版が斉藤由貴。
概要
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『野球狂の詩』後半(水原勇気編)の主人公で、モデル並の容姿を持つ華奢な(それでも身長は172cmもある)美少女。
武蔵野高校女子野球部出身で獣医を目指していたが、1975年のドラフトで東京メッツに1位指名されてしまう。
当初は日参していた岩田鉄五郎を相手にしていなかったが、鉄五郎の熱意にほだされて獣医への道を諦めてメッツへ入団した(当日は大学受験の日)。
当時のプロ野球では女子選手の入団は許可されていなかったが、鉄五郎がオープン戦の南海ホークス戦の試合前のバッティング練習中に野村克也と対決させたり(結果は野村が三振)、オープン戦の阪神タイガース戦で強行先発させたり(結果はKO)という策を取ったのが功を奏したのか、勇気(女性)の入団を頑なに認めていなかった犬神総裁に認められ正式に入団となった。
男子も顔負けの速球やナチュラルに曲がる変化球を持ち、左のアンダースローという当時のプロ野球としては珍しい投手であるが、球質不足(球が軽い)とスタミナ不足のためによく打たれていた。そのため、ボウリングからヒントを得たという魔球「ドリームボール」を開発。9回残り1人の残り1ストライクという場面でリリーフに起用されて11セーブを記録するが、広島東洋カープに移籍して勇気打倒のために一軍に上がっていた、かつての鬼コーチ・武藤兵吉にホームランを打たれてしまった(武藤はこの試合で引退している)。
勇気がいつ引退そして結婚したのかは定かではないが、続編『野球狂の詩・平成編』では茜という名前の中学生の娘を持つ主婦となっていた(結婚相手は不明だが、ファーストキスの相手はおそらく沢村慶次郎(前作の出来事))。
同作品では、同じく引退していた鉄五郎共々一日限定で復帰。負傷した鉄五郎の後にマウンドに立ち、ドリームボールで勝利して5年振りの最下位脱出に貢献した。
オーナー代行が鉄五郎を監督にしてメッツ身売りを撤回したため、これまでと変わらずメッツを応援するつもりだったが、かつてのチームメイト・国立玉一郎の娘・珠美が勇気に弟子入りしてドリームボールを会得後、メッツに指名されてプロ入りし、かつてのチームメイト・火浦健がメッツのライバルチーム・大阪ガメッツの監督に就任して珠美のドリームボールを打倒したため状況は一変、鉄五郎に珠美入団の責任を取らされる形でコーチとしてメッツに復帰している。
その後は、投手も兼任(ドリームボールのキレも健在)。
東京メッツが札幌の華生堂(化粧品会社)に身売りして誕生した「札幌華生堂メッツ」にも引き続きコーチ(兼投手)として就任。「東京」時代には鉄五郎と五利一平が判定に対する審判への態度で連続退場したため、「札幌」時代は鉄五郎との見解の相違で五利が一時退団し、さらに鉄五郎が負傷入院したため代理ながら女性監督にも就任して勝利したこともある。さらに少なくとも40代後半という年齢でありながら若い頃と変わらない美貌を持っているため、華生堂の化粧品のモデルにもなっている。
鉄五郎が70代以上で監督と現役投手を兼任しているため、第二の鉄五郎となりつつある(もうなっているのかも)。
ちなみに2005年に描かれた『野球狂の詩VS.ドカベン』では、日本シリーズで東京スーパースターズの山田太郎と対戦しているが、初球ドリームボールを見抜かれてホームランを打たれている(ちなみに『ドカベン スーパースターズ編』では札幌華生堂メッツ(東京メッツ)は存在していないが、『ドカベン』や『大甲子園』では東京メッツや勇気は存在している)。
また、PS2/GC用ゲーム『激闘プロ野球 水島新司オールスターズVSプロ野球』にも登場。この時の声優は、山崎和佳奈が担当している。
誕生秘話
元々水島新司が女性野球選手を登場させようと構想していたさい、知り合いのプロ野球選手に尋ねて回ったのだが、当時の風潮もあってか「そんなことできるわけない」と失笑を買うばかりであった。そこで、水島は当時懇意にしていた南海の監督兼捕手4番打者の野村克也に質問してみると「その投手にしかないボールがあれば、ワンポイントとしてなら通用するかもしれない」と、非常に前向きかつ野村らしいコメントを返された。これがドリームボールを投げる水島勇気誕生のきっかけとなった。
なお、勇気と野村の初対決についても、鉄五郎の小芝居に野村が彼の意図を看破してあえて乗り敗れる(当時の野村はパリーグを代表する名打者かつ看板選手でもある)、という流れがあったりする。
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関連項目
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