ニコニコ大百科 : 医学記事 ※ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。 |
水虫とは、カビの一種が原因で生じる皮膚病の一つである。
白癬菌感染症ともいい、患部の場所によって名称が変わる。
虫によって引き起こされる病気ではない。同名の虫についてはミズムシを参照。
概要
白癬菌と呼ばれる真菌(カビやキノコの仲間)が皮膚表面の角質層に侵入することで生じる。要は、角質に異常にしつこいカビが生えてしまった状態である。
感染するとその部分が炎症を起こし、赤く腫れたり皮膚が剥がれたりするほか、鬱陶しい痛みや痒みを伴う。
主に、足に症状の現れる病気として知られるが、爪、手、股間をはじめとして、体全体に生じる病気である。
足によくできるのは、長い間靴を履いているせいで蒸れやすく、角質層も他の部位より厚いために、真菌が棲みつきやすいためである。
足の皮膚に出来た足水虫あるいは足白癬と呼ぶ。
同じ足部分でも、爪に出来るものがあるが、こちらは爪水虫(爪白癬)と呼ぶ。爪は汚れがたまりやすく、巨大な角質であるため、やはり感染しやすい。
足水虫と爪水虫のほか、発症した部分が股間だと陰金または陰金田虫(股部白癬)、頭部だと白雲(頭部白癬・ケルズス禿瘡)、手だと手水虫(手白癬)、その他の部位だと田虫または銭田虫(体部白癬)と呼ばれる。
足、爪、陰金以外のものがあまり知られていないのは、その他の部位は基本的に清潔に保たれやすいからである。一方、衛生環境の整っていなかった、大戦以前の時代では、体に田虫が出来ている者はあまり珍しくなかった。
ちなみに、『ゲゲゲの鬼太郎』にねずみ男は超不潔な妖怪として有名だが、彼の体は全身が田虫に覆われている。
予防・治療
漫画『ブラックジャック』では、「風邪・ガン・水虫、これらのいずれかの病気の特効薬を作ることが出来れば間違いなくノーベル賞を受賞できる」という揶揄が紹介されているが、これは正確には、「白癬菌を根絶することは不可能」という意味である。
適切な治療を行えば、症状を全くなくすことは可能である。
感染を防ぐには、手足の周りを中心に体を清潔に保ち、通気を良くしておくこと、床やバスマットを清潔にしたり履物の共有を避けたりして感染経路を絶つことなどが有効である。なお、清潔を保つのが有効なのは感染後も同様。不潔にして良いことはないといったところである。
水虫かもしれないと思った場合、早めに皮膚科で診察してもらうことで病状悪化を最小限に抑えることができる。
白癬菌は、白血球が行き届く範囲よりもさらに外側に棲みつきやすく、角質の生成よりも速く浸透していくため、自然治癒は望めない。かといって、悪化した場合、塗り薬が届くよりもさらに内側まで侵食してしまう。
そのため、外用薬・内服薬の併用が必要なときも少なくなく、さらにそれに加えて前述の通り生活環境を改善する必要がある。
いずれにしても、医者のアドバイスと適切な治療を受けるのが一番である。
根拠のない民間療法に頼るのは危険である。
昭和中期までは、俗に「水虫を焼く」と称して、熱い砂や石の上を歩くか、豪気な人はマッチなどで直接あぶって、角質を熱して剥がしていたが、現在では廃れている。また、クレゾールなどの石鹸液からカビキラーなどの強力な殺菌剤まで、いろんな薬を塗る療法も広まっているが、ものによっては水虫を排除する代わりに皮膚に深刻なダメージを与えることもあるため、やはり勧められない。
再発するとき
自分もしくは家族などの近くにいる人の体に白癬菌が残っている可能性がある。
また、白癬菌が繁殖している靴を使ってしまうことで、再発することもありうる。
陰金、白雲はもちろん、爪が白癬菌によって白くなってしまう爪白癬(割れたりはがれたりした後起こしやすい)は要注意で皮膚科に行って薬をもらう必要がある。
いずれにしろ関係者全員で治療しないことには何度でも再発する。
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
- 0
- 0pt