汐見橋線とは、南海電鉄の高野線のうち、汐見橋駅~岸里玉出駅間を指す愛称である。
概要
もともとこの区間は高野鉄道(→高野登山鉄道→大阪高野鉄道)が大阪市内へ乗り入れる際に難波駅へのターミナル駅設置ができなかったために、仕方なく道頓堀駅(現在の汐見橋駅)にターミナル駅を設置するために建設し、1900年(明治33年)に開業したものである。しかし、大阪高野鉄道が南海鉄道に買収され、1925年(大正14年)に高野線が難波駅まで乗り入れるようになると、現在の汐見橋線の地位は低下していき、1929年(昭和4年)には汐見橋駅~住吉東駅(一部は堺東駅)間での折り返し運転となる。1945年(昭和20年)には高野線の列車は汐見橋駅発着となるが、翌年に再び難波駅発着となり、1985年(昭和60年)には完全に分断され、現在に至る。
汐見橋線は全線が大阪市(浪速区・西成区)内にあるにも関わらず、ローカル線という状態で、全線複線(岸里玉出駅構内のみ単線)なのに1列車だけが往復するダイヤだったり(大阪市内である)、途中の木津川駅の乗降人員が2019年度で141人しかいなかったり(繰り返すが大阪市内である。ちなみに木津川駅より乗降人員が少ない南海電鉄の駅は高野線の山間部の駅。)、始発6時台・終電22時台と始発が遅く終電が早い(しつこいようだが大阪市内である)。
そもそも、南海電鉄の他の路線の唯一の接続駅である岸里玉出駅に普通・各駅停車しか止まらない時点で、もはや汐見橋線は見放されてるに等しい状態なのだが。
なぜ、このような状態であるにも関わらず全線複線で残されているのかと言うと、一応なにわ筋線のルートの1つとして汐見橋駅を活用する計画が存在していたためである。しかし、結局なにわ筋線はJR難波駅・南海難波駅ルートで建設・開業することになったため、今後は汐見橋線の存廃問題が注目されることになる。
しかし2021年汐見橋駅の外壁や駅トイレのリニューアル、改札口上の観光案内を現代風にして復元などが行われた。これはなにわ筋線の話が無くなったことで手を加える事が容易になった為である。
そして2022年10月に南海2000系をワンマン化改造して2200系を置き換える事が発表されている。2024年4月には試運転を行ったという話もTwitterで上がっており、その後営業運転を開始している。
なぜ廃線にならないのかというと、並行するバス路線などが存在しないことや、ラッシュ時はバスだと捌ききれない乗車率であること、あと2024年問題で大阪シティバス等のバス会社などが手を回せない事などが関係している。
駅一覧
全線が大阪市内である。
駅番号 | 駅名 | 乗降人員(人/日) (2019年度) |
接続路線 | 所在地 |
---|---|---|---|---|
NK06-5 | 汐見橋駅 | 646 | 阪神なんば線(桜川駅) 大阪市営地下鉄:千日前線(桜川駅) |
浪速区 |
NK06-4 | 芦原町駅 | 226 | JR西日本:大阪環状線(芦原橋駅) | |
NK06-3 | 木津川駅 | 141 | 西成区 | |
NK06-2 | 津守駅 | 774 | ||
NK06-1 | 西天下茶屋駅 | 269 | ||
NK06 | 岸里玉出駅 | 6,224(※) | 南海本線・高野線 |
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関連項目
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