百万の恵まれたるもの単語


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百万の恵まれたるものども(the Million Favoured Ones)とは、クトゥルフ神話ナイアルラトホテップに関わる語句である。

概要 (基本)

H.P.ラヴクラフトの『闇に囁くもの/The Whisperer in Darkness』(1931発表)で、ナイアルラトホテップの別名として「Father of the Million Favoured Ones」という呼び名が登場する。な訳語は以下の通り。

「百万の恵まれたるものどもの」(大瀧啓裕 訳)
クトゥルー 9 (暗黒神話大系シリーズ)exit』収録
万のされたる旧支配者たちの」(大西尹明 訳)
ラヴクラフト全集 1exit』収録
「“万のでらしものら”の」(南條則 訳)
インスマスの影 クトゥルー神話傑作選exit』収録
万のでらしものどもの」(瀬繚 訳)
宇宙の彼方の色 新訳クトゥルー神話コレクションexit』収録

これは、ユゴスよりのものどもとその手下達の儀式をある人物が蝋管レコードで密かに録音し、その中から採取された話しに出てきた語句である。
直前には「大いなる使者[1]、虚をよぎりてユゴスに奇異なる喜びをもたらすもの」[2]とも呼ばれており、この文脈での「百万の恵まれたるものども」はミ=ゴナイアルラトホテップ信者達をしていたと推測できる。

概要 (幕間)

リンカーターの『月光の中のもの/Something in the Moonlight』(1980)では、今しも破滅しようとしている魔術師が「(わしのは)名もき亡霊として泣き叫ぶ百万の恵まれたるものどもの中に消え去ってしまうだろう…」と書き付ける場面がある。ちっとも恵まれてない。

この小説ムノムクァの初出作品であるとともに大量のクトゥルフ神話ワードを詰め込んであるのが特徴で、よく見るとイーティル(Yhtill)まで言及されている。これはハスタークトゥルフ神話に引っ越してくる前にいたロバート・W・チェンバース小説で登場した言葉である[3]カーターにとってはこれらの語句を作品内で言及することこそが重要で、百万の恵まれたるものどもの意味などは二の次だったのではないだろうか。

概要 (応用)

クトゥルフ神話TRPGモンスター図鑑『マレウスモンストロルム』においてはこの語句の位置づけは変化しており、キーパーが考えたオリジナルモンスターや、元々クトゥルフ神話とは関係なホラー作品をTRPGシナリオ移植する際に「実はこいつは百万の恵まれたるものどものうちの一体だったのだ」という説明づけを付与するための便利存在となっている。ただし、基本的に神格(外なる神旧支配者)はこの分類には含まれない。
このTRPGで同様の使われ方が想定されているものとして、下級の異形の神たちが該当する。

シナリオ作者TRPGキーパー小説著者がこの設定を採用する場合には、以下に述べる存在を百万の恵まれたるものと設定してもいいし、しなくてもいい。最新のモンスター資料集である『新クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム Vol.1 クリーチャー編exit』ではる眼を持つのが共通点だとされているが、この設定を採用するもしないも自由だ。

  1. ナイアルラトホテップと他の存在(人間女性等)との子供
  2. ナイアルラトホテップに仕えるものという公式設定を持つ (例: マイケルアランネルソンによるアメコミシリーズFall of Cthulhu』に登場した「ナイアルラトホテップの四騎手」)
  3. イアルラト(ryがその存在の誕生に関わっている存在 (必ずしも子であるとは限らない) (例: 星のよどみに潜むもの)
  4. イアル(ryがお気に入りにしている存在 (気に入られている本人はそのことを知らないかも)

それ以外にもナイ(ryの化身の一つとされている存在をこちらに分類変更して使うことも可であるほか、適当にナイ(ryとの関係性を作ることができればその存在をこの分類に加えることが可

一体ごとに全く違う存在と言うことになっているので、人間外種族(ゲーム用語でいえば奉仕種族独立種族)はこれに含まれない。ただし種族のボス特定の個人は別である。

例外は『クトゥルフダークエイジ』設定におけるドゥエルグ族(Dweorg)で、以前のTRPGバージョンではダークワンと言われていた怪物ダークエイジ第3版exit(CoC第7版/新クトゥルフ神話TRPG対応・未訳)で改名したもの。
北欧神話のドヴェルグが巨人死体から湧いたことと、モチーフの1つであるミリ・ニグリ原作で知性を持たないこと繋がりで、ダークエイジ版ドゥエルグも蛆虫並みの知しか持たないはずなのだが、魔制作技術などの異常な知恵を働かせることがあり、百万の恵まれたるもの疑惑があると公式で記載されている。
おそらくはこの力のせいで、

(ネみ。ックで内容表示)ダークエイジ』旧版のルールブック収録シナリオ『墓所/The Tomb』では、文字通りダークなとんでもない胸糞悪い展開になってしまう。これにはナイアルラトホテップニッコニコ!

関連項目

脚注

  1. *Great Messenger」
  2. *大瀧訳による。原文は「bringer of strange joy to Yuggoth through the void
  3. *短編集『衣の王』の一編、『名誉修理者/The Repairer of Reputations』。クトゥルフ神話のうち、チェンバースやアンブローズ・ビアスの作品に由来する要素は「カルコ神話」と通称される。
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百万の恵まれたるもの

1 ななしのよっしん
2019/02/13(水) 12:37:54 ID: Slqaq2mUVy
この資料によるとリンカーターが同名の作品を1968年に書いているとあるが情報が全然見つからない...
>>az1934501050
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