石綿(せきめん、いしわた)とは、防火性に優れた鉱物のひとつである。
優れた建築資材などとして長年利用されてきた。
その他、保温性に優れることから布などに使用された場合もある。[1]
しかし近年では健康被害が認識されるようになり、危険物として取り扱われている。
アスベストと表記される場合も多い。
曖昧さ回避
人名
苗字に石綿(いしわた)姓がある。関東一帯に分布するが神奈川県南足柄市や小田原市に非常に集中している。
概要
防火性に優れ、炎に接しても燃えないことから防火素材として広く使われていた。
石綿そのものが安価だったということもあり、特に高度経済成長期には多くの建物で石綿が使われた。
長所
…これだけ見ると、良いことづくめの魔法のような優秀な特性を持っている。
短所
しかし、昨今の研究により石綿の細かい粒子が呼吸により肺に入り込むと
長い潜伏期間を経た後に肺がんや中皮腫を発症させる原因となることがわかった。
このため現在の日本では石綿の使用が大幅に制限され、既存の建築物からも石綿の除去工事が行われた。
だが、石綿の健康被害が表に出てくるのはこれからだといわれている。
サイレントキラー[3]と呼ばれる場合もあるが、その名に恥じない危険性である。
規制
- 1975年には規制が始まっているものの、含有率によっては使用され続ける。
- その後、1989年、1995年、2004年と段階的に種類や使用方法などが絞られていく。
- 2006年に製造、輸入、譲渡、提供、使用が全面禁止。
2006年以前に作られた建物には使用されている可能性がある。
※厳密には0.1%未満のアスベストに関してはどこかで使用されている可能性はある
アスベスト規制の歴史について|アスベスト測定・シックハウス測定なら滋賀県のBLUE ACT ブルーアクト (blue-act.com)
除去作業
当然ながらアスベストを見つけたからと、素人が剥がして捨てれば良い訳ではない。
- 有資格者が必要[4]
- 防護服の着用が必要。頭部もフルフェイスガード、ロングノーズマスクフィルタ、ハーネスで完全に固定するヘルメットなど1ミリも体外付着や体内に入れてはいけない。
- 飛散防止等の入念な準備も必要。内側外側の防護幕(当然暑い)と低気圧装置は最低でも必須だが、実際は道具の洗浄、エアシャワーなど徹底。当然大規模
- 飛散に備え、解体時は周辺住民に事前警告等が必要
こう書くといかに危険性のあるものかお分かり頂けただろうか。
廃墟など
…冗談でなく、アスベストとかガチでシャレにならないのであえて書かせて頂きました。[5]
物語の中の石綿
『炎で燃えない布』という特性を持つため、ときおり物語の中に珍しいアイテムとして登場することがある。
かぐや姫が求めた5つの宝物の中の『火鼠の皮衣』やマルコ・ポーロの東方見聞録のなかに登場する『サラマンダーの皮』などは、その特性から正体は石綿であろうと推測される。
当然の事ながらかぐや姫がモチーフの蓬莱山輝夜もこの石綿を持っていると考えられる。永遠亭にて健康被害が出ないことを祈るばかりである。そもそも死なない人たちだから問題が起こるはずがない。玉兎たちは知らんけど。
似ているもの
「天井にモコモコした硬い綿のような建材が使用されている」=「アスベスト」とは限らない。
注意点として、目安はあるもののアスベストは「誰でも簡単&絶対に分かる判別方法」はない。
建材を見て怪しいと思った場合、専門機関への調査を依頼することをお勧めしたい。
アスベストは見た目で判断できる?ロックウール・グラスウールとの違いを解説 | 岡山で解体工事・内装解体ならアクティブ (active-okayama.com)
関連動画
関連項目
脚注
- *https://www.env.go.jp/air/asbestos/commi_coe/ref01/chpt2-3-2_1.pdf
- *鉱物のため、燃やそうとしても溶けてガラス状になるだけである。
- *「そっと背後に忍び寄る殺し屋」「静かなる殺し屋」という意味である。
- *「石綿取扱い作業従事者の特別教育」または「石綿作業主任者」の講習を受ける必要がある。
- *その他、初見殺しのトラップが満載である。(→廃墟)
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