Cubaseとは、DAW(Digital Audio Workstation)または日本においてDTMソフトと呼ばれる製品のひとつ。
ATARI用に端を発し、30年以上の歴史を持つ最長の歴史を持つPC用シーケンサのひとつでもある。
同様の歴史のものにLogic(昔はNotatorと言った)等。
ドイツSteinberg社(現在YAMAHA傘下企業)製品。
概要
- 主に、ハードウェアMIDI音源やソフトウェア音源を演奏するシーケンサ部分と、オーディオトラック部分がある。
- 両者は一つの画面内に統合され、違和感なくシームレスに扱う事が可能(Logic、SONAR等も同様)
- ソフトウェアエフェクタの事実上標準規格である、「VST(Virtual Studio Technology)」の策定元。
- ソフトウェア音源の事実上標準規格である「VSTi(Virtual Studio Technology Instruments)」の策定元。
- オーディオI/Oの事実上標準ソフトウェアドライバ規格「ASIO(Audio Signal Input Output)」の策定元。
- なお上記はいずれも「唯一の規格」ではない(Protools、Logic(≒Mac)等にもそれぞれの規格が存在)
- YAMAHAに買収された効果として、YAMAHA技術・資産の投入が増えている(後述)
- YAMAHAのハードウェアミキサーやシンセサイザー等とのシームレス連携機能が装備されている。
余談だがYAMAHAとの連携関連は、RolandとSONARについても似たような事になっているため、どちらの製品を使うかの選択基準として考えるのもよい。
長い歴史の例として、10~15年ほど前には「4大シーケンサ」の一角に数えられたり(Cubase / Logic / Vision / Performer)、メーカーがピナクルに買収されたりYAMAHAに売られたり色々起きているが、今もなおアップデートが行われている。
20年間における、主なメジャーバージョンは下記の通り。小数点以下のバージョンは記載しない。
- Cubase
- Cubase 2.0
- Cubase VST 3
- Cubase VST 4(Macのみ)
- Cubase VST 5
- Cubase SX
- Cubase SX2
- Cubase SX3
- Cubase 4
- Cubase 5
- Cubase 6
- Cubase 7 (Artist、Elements)
- Cubase Pro 8 (Artist 8)
なお、2019年5月7日をもって誕生30周年を迎え、これを記念して30周年アニバーサリーセールと題してCubaseを半額で販売するセールを同日から行った。なお、半額対象となるCubaseの種類は以下のTwitterリンクから参照。
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https://twitter.com/SteinbergJP/status/1125717286684225543
Cubaseの特徴
- VST規格の策定元のため、Cubaseで動かないVSTはほぼ存在しない。
- 同じく、VST規格がバージョンアップするのは当然Cubaseに他社が追従する形になる。
- 実はスコア編集能力と、その演奏反映能力が高い。近年ではVST Expression機能等。
- 搭載音源・エフェクト・音ネタがすべてメディアベイというブラウザでシームレス統合され、検索実用性が非常に高い
- YAMAHA技術・資産の投入度合いが高く、SONARよりもやや過激な傾向にある。
- 例1:付属ソフト音源HALIion One / HALion SONIC SEの音色テーブルはMOTIFチームが手がける。
- 例2:YAMAHA S90ES(フラグシップだったシンセサイザ)のピアノ音色が丸ごと移植されている
- 例3:Melodyneのような強烈なピッチ修正機能(VariAudio)が内蔵されているが、YAMAHAのPitch Fix系技術がベースとなっている。Cubase 7から大幅に機能が強化された。
- 例4:IRリバーブはYAMAHA SREV-1のデータを移植。当然、浜松コンサートホールのデータまで入っている。
- 例5:YAMAHA主導で開発した新技術を真っ先に投入するケースあり。Loopmashソフトシンセ等。
- 例6:YAMAHA MOTIF(ハードウェア)を勝手に認識して統合する。
YAMAHAの技術導入はCubaseに限らず、同社の別売り音源にも広がっている。
なお過去のSX時代においては、Wizoo(Digidesignに買収)の音ネタを搭載したり、Waldorfの技術(HALionのフィルターや、A1アナログシンセサイザー等)を使用したりと、「有名どころ」との連携がいずれも高評価だった歴史がある。現在はYAMAHAベースで同様のことが行われていると考えてもよい。
2022年6月時点のラインアップ
- Cubase Pro 12(約6万円。最も高価なフル装備版。昔は高かったけどちょっとお安くなりました)
- Cubase Artist 12(約4万円。不定期にArtistの値段でProにアップグレードできるキャンペーンが行われてます)
- Cubase Elements 12(約2万円。初心者向けですが高機能です。本格的にやるならArtist以上がおすすめ!)
- Cubase AI 12(主にYAMAHA製品にバンドルされているバージョン)
- Cubase LE 12(主にYAMAHA以外のハード製品にバンドルされる)
Cubase 5までに存在した「Studio」は、「Artist」に、「Essential」は「Elements」にシフト。完全な後継ではなく、無印Cubase6の下位として若干スペック再調整がされているので注意(トラック数制限の変更など)。バージョン8から「Cubase Pro 8」に改名された。
バンドル版の「LE」「AI」のバージョンが6に更新されたかは不明。なお、下位に行くほど機能や付属音源がオミットされるが、基本的にはAI5でも一通りの事は可能。
バージョンアップ時、少ない投資で上位版に自動的にあがれる場合がごくまれに発生する。(VST5からSX時。すべての下位バージョンが最上位SXに同一額アップグレード)
根拠はないが、よく言われること
- オーディオに強いぜ!(昔はそうだったが今は他のDAWも追いついてる。寧ろAcid/Liveに劣る機能もある)
- プロが使うのはCubaseだ!(SONARもLogicもFL Studioも使ってる人はいる。なおNuendoというのがCubaseの上位版です)
- SONARなんて新参者とは違う!(SONARの源流、Cakewalkも相当歴史は古い)
- ダンスミュージック制作に適する(FLやAcid、Ableton Liveの方が適しているのではという声もある)
- さすがドイツ製品だ!(Logicを作っていたemagicもドイツだね。Appleに買収されたけど)
- 音が良い!(主観です)
- 音が悪い!(主観です)
- VOCALOIDと同じYAMAHAグループだから相性がいい!(・・・専用機能は搭載されておりませんVOCALOID Editor for Cubaseというものが発売されました!なんか凄い!)
上記いずれも、罵り合い(罵り”愛”とも)によく発展するため、注意が必要である。なおこれはlogic、FL、Studio、SONAR等の著名なDAW/シーケンサのユーザー全てについて言えるため、全て「話半分」で捉えること。
・・・・・・でもCubase最高!俺はCubaseこそが最終兵器だと信じる!という思いもクリエイションには必要なので、一概に否定してよい感情でもないよねと大百科的テキトーな〆を書いちゃっとく。
超どうでもいい小ネタ
- 実はLogicと起源が同一と言っていいぐらいに近かったりする(創始者が元師弟関係)
- スタインバーグとは、日本語にすると「石山」。創業者カール・スタインバーグさんは石山さんです。
- でも石山さんはもういません。
- その他開発陣も結構スピンアウトしまくる。PresonusのStudio Oneは元Cubase開発者が立ち上げてたり。
- 手を組んだWaldorfとかWizooが買収されたり色々あって、次のバージョンでなくなって涙したり。
- 世界最大のYAMAHAさんになってからはさすがにそんなことないよね!よね!
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Essential6はまだ市場に輸入版しか並んでいないので、割愛
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関連項目
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