概要
Toolとは、アメリカ合衆国ロサンゼルスで結成されたへヴィ・ロックバンドである。3rdアルバム「Lateralus」が全米でダブルプラチナに輝き、2ndアルバム「Ænima」および4thアルバム「10,000 Days」がグラミー賞を受賞するなど、本国では押しも押されぬ評価と人気を誇っている。
おおよそ通常のロックンロールの範疇からは外れた、重厚長大で陰鬱な作風と、それを支える超テクニカルな演奏が最大の特徴。そのためジャンルの解釈は人によって異なり、へヴィ・メタルともプログレッシブ・ロックとも形容されているが、基本的には荒々しいエレクトリックギターの演奏を基調とするハードロックバンドであると言える。
また、ギタリストのアダム・ジョーンズがハリウッドでアーティストとして働いていた経歴を持つため、バンドのプロモーションビデオのほぼ全てを自らの監督で撮影している。彼の作り出す幻想的でグロテスクなビジュアルは、曲と合わせて鮮烈なインパクトを残す。アルバムのアートワークやライブパフォーマンスにもPVの世界観が取り入れられている。
略歴
1990年、ロサンゼルスにてメイナード・ジェームス・キーナン、アダム・ジョーンズ、ダニー・ケアリー、ポール・ダムールの4人が集まって結成される。1991年より本格的に活動を開始。1992年に6曲入りEP「Opiate」を発売しデビュー。当初はニルヴァーナなどのオルタナティブ・ロックバンドと比較されていた。
1992年よりレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンやロリンズ・バンドのサポート・アクトを務め、着実にファンの人気を集めていった。93年に1stアルバム「Undertow」をリリース、アダムの手によるPVも初めて作成される。95年にポールが音楽性の違いから脱退し、新たにジャスティン・チャンセラーが加入。テクニカル・バンドぶりに磨きがかかっていくこととなる。
96年、2ndアルバム「Ænima」をリリース。全米初登場2位を記録、後にグラミー賞のBest Metal Performanceを取得。その人気と評価を不動のものにする。同年10月よりワールド・ツアーを行い、97年には本国アメリカでは半ば神格化された扱いを受けるに至るが、98年にレコード会社の契約トラブルから訴訟に発展し、その後数年間バンドは停滞状態に陥ってしまう。メイナードは99年新たなるバンドア・パーフェクト・サークルを結成しそちらの活動が好調だったこともあり、Toolの解散は時間の問題と囁かれていた。
しかし2001年、メイナードの不在時に3人で暖めていた新曲を収録した3rdアルバム「Lateralus」を発売、世界的なヒット作となりバンドは完全に復活する。同年にはキング・クリムゾンらと共にワールド・ツアーを展開、7月のフジ・ロック・フェスティバルで初来日を果たす。翌年にも単独で日本公演を行った。
2003年からはメイナードは再びア・パーフェクト・サークルを中心とした活動に舞い戻り、ダニーもTool加入前に結成していたメタルバンドPigmy Love Circusとして活動するなど、Toolとしての表立った活動は沈静化した。しかし05年からは新作アルバムのレコーディングを開始し、06年に4thアルバム「10,000 Days」を発売、同年6月にはサマーソニック06で4年ぶりの来日ライブを行った。
09年現在、バンドは再び沈黙期に入り、特に目立った動きを見せなくなっているが、ジャスティンの言によるとToolを題材にした映画を撮影する計画があり、新作アルバムと合わせて準備をしている最中とのこと。
メンバー
ボーカリスト。1964年4月17日、オハイオ州ラヴェンナ生まれ。本名James Halvert Keenan。陸軍に入隊したことのある元軍人だが、軍隊の現実に幻滅し音楽の道へ進むことになる。友人だったビル・ヒックスの誘いでコメディアンとして活動した経験もある。又、前述の軍人経験に加えグレイシー柔術も学んでいたため格闘技術は高く、ライブ中に興奮してステージに上がってきた観客を大腰で投げ、スリーパーホールドをキメながら平然と歌うという技術を披露している。最長で20秒を超えるド迫力のシャウト、派手かつ奇怪なステージパフォーマンス(黒パンツ一丁でステージに現れたり、ハゲ頭に金髪のカツラを被って暴れまわるなど)で目立ちまくるバンドのフロントマン。現在はア・パーフェクト・サークル(A Perfect Circle)及びプシファー(Puscifer)というふざけた名前のバンドでも活躍している。初来日の際には全身を青色にボディ・ペインティングし、観客に背を向けて歌い続け、日本語で「自分自身に問いかけろ」などと語りかけてきたと言われている。ワインマニアとしても有名で、2006年にはワインメイカーとしてオリジナルワインの販売を行っている。
ギタリスト。1965年1月15日、イリノイ州パークリッジ生まれ。本名Adam Thomas Jones。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのギタリストであるトム・モレロとはハイスクール時代の友人で、Electoric Sheepというバンドを結成していた(が、アダム曰く「バンドは全然人気がなかった」とのこと)。ヘヴィかつロックの紋切り型に囚われない独特のギタープレイが持ち味。80年代後半にハリウッドで特殊効果デザイナーとして働き、ジュラシック・パークやターミネーター2などの大ヒット作にも裏方として関わっていた。2007年に「10,000 Days」のアート・ディレクションが評価されグラミー賞を受賞している。
ドラマー。1961年5月10日、カンザス州パオラ生まれ。本名Daniel Edwin Careyで「Danny」は愛称である。巨大バスセットを用いて高速の変拍子を事も無げに演奏する技巧の持ち主。シンセパッドを駆使し素早さとパワフルさを兼ね備えたドラミングを行う。彼のテクニックは若い頃ジャズドラマーとして活動していた経験に支えられている。Pigmy Love Circusとしても活動しオリジナルアルバムを発売している。
ベーシスト。1971年11月19日、イギリス生まれ。本名Justin Gunnar Walter Chancellor。4人の中で唯一オリジナルメンバーではない(しかもイギリス人)彼だが、繊細なプレイングで奏でられる「歌心のある」ベースは特にアダムのギタープレイとの相性が抜群で、時にリードの役目も果たし、曲によってはどちらがギタリストだか判別がつきにくくなるほどである。ヨーロッパでPeachというバンドに在籍していたが、そのときにToolのサポート・アクトを務めたことが縁となり、ポールの脱退後にオーディションを経て加入した。
関連動画
PV(公式)
PV(非公式)
これらはToolファンのミュージシャンMorgan Routtの手によるもの。映像素材として、ルネ・ラルーのアニメーション作品「かたつむり」、Robert Morganの「THE SEPARATION」がそれぞれ用いられている。公式作品っぽく見えるが、作成手段はMADと同じと思われる。
LIVE
右の映像はメイナードがレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのライブに出演したときのもの。
MAD
関連商品
関連コミュニティ
関連リンク
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- TOOL
(公式サイト)(英語)
- トゥール | Information
(BMG JAPAN公式)
- Tool (band) - Wikipedia, the free encyclopedia
(日本語版
)
- TOOL Maniacs
(ファンサイト)
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