Here's to You とは、英語で「あなたに乾杯」というような意味の慣用句である。
「乾杯!」を意味する同様の慣用表現に Here's luck! / Here's hoping! / Here's looking (at you)! (それぞれ「いい事がありますよ」「神様も期待してますよ」「神様が(あなたを)見てますよ」が元の意味)がある。これらの表現から Here's だけが残り to ~ (~に)が付いたと考えれば理解しやすい。
また以下のことを表す。
- アメリカのフォーク歌手ジョーン・バエズ(バイエズ、Joan Báez)の1971年のヒット曲。邦題は「勝利への讃歌」。
本項で記述 - Zebrahead の楽曲
- Rascal Flatts の楽曲
- O.A.R.(OF A REVOLUTION) の楽曲
- Eli Young Band の楽曲
Here's to you(勝利への讃歌)
1971年のイタリア映画 Sacco e Vanzetti (邦題: 死刑台のメロディ)のために作られた。
作詞・歌唱: ジョーン・バエズ / 作曲: エンニオ・モリコーネ(Ennio Morricone)
映画は1920年にアメリカ・マサチューセッツ州で起きたサッコー&ヴァンゼッティー疑獄事件[1]について取り上げており、この歌のわずか4行の歌詞は事件の渦中にあって苦境を乗り越えた2人のイタリア系移民ファーディナンドー・ニコーラ・サッコー(ニコーラ)とバートロミーオー・ヴァンゼッティー(バート)を「尊厳を以て敢えて死の苦難を勝ち得た勝利者」として讃え、彼らの魂の永遠の安らぎを願う内容となっている。
ゲーム『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』のエンディング・テーマソング(ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ編曲)など、ジャンルを問わず多くのアーティストらによってカバーされている。
また、『メタルギアソリッドⅤ グラウンド・ゼロズ』では原曲のままテーマソングとして使用された。
ちなみにイタリア語コーラスによるカバーでは元の英詞に加えてイタリア語の詞が合計12行ほど追加され、「私は貴方たちへ歌う、隷属を憎み真実を愛する者のため、強い自由を歌う、・・・・・・」とより直接的な内容となっている。
関連動画
関連商品
関連項目
- Sacco e Vanzetti
- エンニオ・モリコーネ
- MGS4
- MGSV:GZ
脚注
- *1920年4月にマサチューセッツ州のスレイター=モリル製靴会社の工場に押し入り現金および会計士と守衛の命を奪った強盗殺人の容疑者として、靴職人のサッコーと鮮魚商のヴァンゼッティーが確たる証拠も無いまま投獄・処刑された事件。
2人はアナーキスト(無政府主義者)として過激な思想の人物の薫陶を受けて公然と徴兵拒否を行うなどしており、イタリア系移民への偏見とアナーキストによるテロリズムへの警戒が高まっていた当時のアメリカでは当局に目を付けられ易い存在だった。
杜撰に過ぎる捜査と証拠、明らかに公平を欠く裁判は当初から批判の的だったが、二審で死刑が判決。これが全米だけでなく欧州をも巻きこむ抗議の嵐となり、アルベルト・アインシュタインやアナトール・フランスら各国トップクラスの知識人たちから次々と反対声明が挙がるという異例の事態に発展した。
しかし判決は覆らず2人の死刑が確定し、1927年に電気椅子刑が執行され、遺体はイタリアのそれぞれの故郷に埋葬された。司祭による告解すら拒否した2人の最期の言葉は、サッコーが電気椅子へ向かいながら「無政府万歳! さようなら、母さん」と絶叫、ヴァンゼッティーが世話になった刑務官らと握手を交わしてから「どうか今も私をこの境涯に追いやり続ける何人かが、その行いを(神様に)赦されますように」。
更に参考: サッコ・バンゼッティ事件 - ウィキペディア
- 6
- 0pt
- ページ番号: 306462
- リビジョン番号: 2203990
- 編集内容についての説明/コメント: