ファフナーとは、XEBEC原作・制作のオリジナルアニメーション作品、『蒼穹のファフナー』シリーズに登場する人型機動兵器の総称である。
名称の由来は、ワーグナーの戯曲『ニーベルングの指環』に登場する巨人族「ファフニール(ファーフナー)」。(源流は北欧神話に登場する、自らが奪った財宝を守るために竜と化したドワーフ)
概要
宇宙より飛来し、地球人類に対して「同化」か「殲滅」による侵略を始めたシリコン型知的生命体「フェストゥム」。超常の力を振るう未知の存在である彼らとの絶望的な戦いのなかで、生存を勝ち取るべく開発された巨大人型兵器が「ファフナー」である。
「同化」の脅威のみならず、人の思考を読み取る読心能力や空間歪曲を攻防に駆使するほか、レーダー類も無効化し、核(コア)を破壊しなければ再生してしまうフェストゥムとの戦いは、人類にとって圧倒的不利でしかなかった。現行兵器がほとんど通用せず、有視界での戦闘を余儀なくされた人類は「ファフナーと一体化し、思考を隠して戦う」という戦法に希望を見出した。
基本システム
パイロットは「ニーベルング・システム」によってファフナーと神経系を連結し、脳に「シナジェティック・コード」を形成することで機体と一体化して戦う。半催眠状態となり、人間の脳の深奥――攻撃本能を司る〈R領域〉=「爬虫類の脳」を覚醒させ、引き出した攻撃性とファフナーを直結することで、思考の防壁で読心を防ぎつつフェストゥムにダメージを与えることが出来る。
- ニーベルング・システム
- パイロットが両手の指を通すこの10個の指輪型機器によって、神経系と機体制御システムを連結し搭乗者と機体が一体化する。これによって操作を意識せず思考による制御で体感的に操縦が行われることが最大の特徴。機体モデルによっては、他に複数の接続機器が身体各所(上腕・脇腹・大腿・耳周辺など)に装着され、コネクターが接続される際に大きな痛みを伴う。
なおTVシリーズ第二期『蒼穹のファフナーEXODUS』(以下「EXO」)からは、後述の同化現象を起こすパイロットに、この指輪の跡が残るという描写がされるようになった。(小説版設定の発展逆輸入) - シナジェティック・コード
- パイロットの脳とファフナーの連結に必要かつ理想的な、一種の脳の状態のこと。脳の自意識を司る部分を抑える〈積極的な自己否定〉の意識がコード形成に大きく影響し、成人の発達した脳ではこの形成が難しくなるため、パイロットの平均年齢は非常に低い。
- コード形成率は対比で指標化され、「 0.618 : 1 : 1.618 」という黄金率に近いほど適性が高い。(おおよそ、数値が小さいほど適正と言えるが、ファフナーとの一体化には精神的要因も強く影響する)
登場機体モデル
開発組織や技術系統の違いによって異なるモデルが複数存在する。アルヴィスが開発したものと、新国連人類軍の開発したもの、大きくふたつに分かれている。
アルヴィス製/竜宮島のファフナー
アーカディアン・プロジェクトに基づき、アルヴィスの研究員・技術者によって開発が進められたファフナー。〈エーギル・モデル〉〈ティターン・モデル〉〈ノートゥング・モデル〉の3種類が段階的に開発されてきた。
最大の特徴は、ミールの欠片を封じた「コア」をメインシステムに使用している点であり、これによって読心・同化・空間歪曲への抵抗力を備えるため、対フェストゥム戦力として他と一線を画す性能を発揮する。コアも適合できるパイロットも数が限られるため、大量生産は考慮されていない。
これらの機体に乗ることのできるパイロットは、体内に特殊なフェストゥム因子を移植された人間に限られ、また要求されるシナジェティック・コード形成率が極めて高いため、適正条件を満たす者は非常に希少。竜宮島では、アルベリヒド機関の人工子宮で培養段階から因子と染色体レベルの融合を行うことで、過去のような遺伝子汚染への免疫を与えると共に、人為的にコード形成値の高い子供を誕生させている。
しかし研究過程の技術であるため、機体に乗るたび因子の増大でパイロットの染色体異常(=同化現象)を促進させ、寿命を縮めてしまう(最終的に肉体が結晶・崩壊し、死に至る)という甚大な負荷が前提にあった。(搭乗中はパイロットの瞳が赤くなるが、これが元に戻らなくなるのが同化現象の初期症状のひとつ)
元々は、各機のクロッシング(=思考共有)によって読心を回避しながら部隊運用を可能にするための、「ジークフリード・システム」と一体型の画期的なファフナーとして開発計画がスタートしたが、パイロットへの極端な負荷が避けられず、やがてこれをファフナーと分離させ独立した全統括システムとして指揮系統を構成する方針へ転換した。
機体とその情報を守るために小型の大威力気化爆弾「フェンリル」が内蔵され、主に(劇中ではほぼ脱出不能の状況で)自爆用途で使用される。
ノートゥング・モデル
【概要】
作中で最も多く登場する機体モデルであり、竜宮島防衛における主戦力。名称の由来は楽劇『ニーベルングの指環』に登場する英雄・ジークフリートのもつ霊剣ノートゥング。設計・開発者は羽佐間容子、近藤彩乃、皆城公蔵ら。
アルヴィス開発のファフナーとしては3世代目。どこか爬虫類を連想させるような四肢のフォルムなど、曲線と直線が有機的に融合したデザインが特徴的。ジークフリード・システムを分離したことで、後述のティターン・モデルから機体サイズが小型化され、全高35m前後となった。
欠番機となったものを含め、劇場版『蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH』(以下「HAE」)までに13機がロールアウトし、EXO開始時点ではさらに3機が新造されている。
特有の機体構造として、コクピット・ブロックが下腹部に位置し、上下前後の反転した状態(内部はほぼ無重力状態)で搭載されている。これは人の母体が子宮に胎児を抱くかたちで、その位置が最も安全であるため。
装甲は、外側のセラミックと内側の金属の間に衝撃吸収剤(重層水銀)を挟んだ積層装甲板になっている。
ファフナー全機を統括指揮・管理する「ジークフリード・システム」によるバックアップを前提に、読心を防ぎながら相互に連携して竜宮島を防衛することが主眼のため、通信機能も最低限のCDC直通無線のみ。(機体間では射出接触式のケーブルを用いる)
【特徴】
シナジェティック・コードの影響で、搭乗時は「変性意識」によりパイロットの精神に変化が表れる。これは普段と異なる思考を前面に出すことで心の防壁として機能する。その変化の性質や度合いは個人差が激しく、まったく変わらない例外も存在する。
機体との一体化を追求するため、機体損傷が痛覚に反映されるほか、コード形成に伴う精神の変化(≒変性意識)を受け入れ、別の自分(ファフナーそのもの)になる意識が求められる。パイロットたちは日常的なメモリージング(無意識下での催眠学習)によって、ノートゥング・モデル操縦に適応するための知識を身につけている。それ以外の者では、伝達される巨体の重量感や表面の皮膚感覚までダイレクトに受け取ってしまい、変性意識にも耐えられないため、ただ乗り続けていることすら困難。
小説版の設定によれば、その真価は接近戦で最大に発揮される。フェストゥムの同化可能領域まで踏み込むことで「被同化状態」となり、侵蝕を封じつつ敵の展開する高次元防壁を突破して有効なダメージを与えることが可能。だがこれは同化される一歩手前の状態でのせめぎ合いのため、大きなリスクを伴う。(※アニメでは明示されないが、踏襲しつつ省略されていると思われる。ちなみに、撃破の可能性が最も高い手段であって絶対条件ではない)
【性能の発展】
TVシリーズ最終局面「蒼穹作戦」では、遠隔地での運用、システムと担当者の不在、もたらされた技術革新などの要因から、ジークフリード・システムのプロトタイプが分割・改良されて参加機に内蔵された。これは僚機間で相互にクロッシングすることで機能と負荷を分散維持するもので、被ダメージの痛みも全機で共有してしまうほか、一機でも欠けると支障をきたすようになっていた。
HAEでは、重ねられた改良で基本性能が大きく向上し、従来のワームスフィアー程度ならば直撃してもほぼ損傷を負わないまでになっている。また、内蔵されたジークフリード・システムも欠点を補う改善が成され、後発機を含めた全機によるクロッシングが可能となった。同化現象の抑制も更に進み、搭乗中も瞳が赤くならない。
EXO開始時点では、ジークフリード・システムが再び分離された全統括型に戻されたほか、第三改良型の〈AA〉(ダブル・エース)シリーズとなる3機が新たに建造されている。
また、EXO第3話におけるエメリーと竜宮島コアの接触以降、全機体のポテンシャルアップ、本来の動力を必要としない半永久稼働、さらにパイロットへの強力な同化抑制など様々な変化が引き起こされ、機体そのものがブラックボックスと化した。
【主な運用隊形】
単機=〈ローンドッグ〉…単独戦闘 / 2機=〈ツインドッグ〉…基本連携 / 3機=〈トリプルドッグ〉…横一列 / 4機=〈クロスドッグ〉…前後左右
※小説版では全12機による〈アルトドッグ〉が想定されている。なおEXOにおいては、5機での接敵時にCDCの報告で使用されている。
戦闘で担う役割毎に異なるタイプが設計され、パイロットのもつ因子との適合性、メディテーション(瞑想状態での心理訓練)による診断などを考慮して最適な機体が選ばれる。さらに個人が発揮する適性や変性意識下での傾向を踏まえ、適宜装備の選択や運用方法の変更がされる。
【タイプ分類】
1~3・11~14番機…〈近接戦闘型〉※ / 4・8~10番機…〈中距離支援型〉 / 5・15番機…〈防御特化型〉 / 6~7・16番機…〈空戦特化型〉 ※正確には13番機はワンオフ機(後述)
【全タイプ共通の標準装備】
短剣型列雷「マインブレード」(下腿部内蔵) / ハンドガン「デュランダル」(腕部マウント) / 高熱ワイヤー「レージングカッター」(両腕部内蔵)
【汎用武装一覧】
- 「レールガン」 …電磁誘導により弾丸を加速射出する。エネルギーは機体から供給。
- 「ロングソード」 …展開式の大型長剣。刃にプラズマを発生させる。使用時全長はファフナーよりも大きい。EXOから改良型の「レヴィンソード」となっている。
- 「ルガーランス」 …雷撃槍。近接戦で多用される主力武装。突き刺した敵に内蔵レールガンを撃ち込む武器だったが、後にプラズマ弾として射撃にも使用できるよう改良された。
- 「リンドブルム」 …ファフナーとドッキングして空戦を行う大型支援航空機。多様な武装を搭載する。
- 「ゲーグナー」 …小型のレーザーマシンガン。連射性は高いが一定回数毎にチャージが必要。
- 「ガルム44」 …中距離型機が主力武装とするファフナー用アサルトライフル。用途に応じて火力や射撃機能の切り替えが可能なほか、銃身下部にミサイルランチャー2基を備える。
- 「スコーピオン」 …連射性と取り回しに優れるビームサブマシンガン。片手でも扱えるため、中~近距離機が牽制や攪乱に使用する。
- 「イージス」 …極めて高い防御力を発揮する大型エネルギーシールドシステム。ワームスフィアーを含めたあらゆる攻撃に耐えきる。シリーズが進むごとに強化改修がされている。
- 「ピラム」 …高磁圧発生式の伸縮刃。鞭のようにも使える。
- 「ドラゴントゥース」 …遠距離用の炸薬式大型狙撃ライフル。威力精度ともに信頼性の高い武器。安定のために一脚アンカーが備わる。EXOからはジーベン用に空戦対応した改良版も登場。
- 「メドゥーサ」 …肩部に装備する二門一対の大型レーザー砲。長射程大火力を誇る。
- 「ガンドレイク」 …ルガーランスを小型化し射撃性能を与えた銃剣。汎用性の高いバランス型の武器。ティターン・モデルの主力武装だった。
〈SDP〉
EXO序盤の戦いの中、ファフナー・パイロット達に芽生えた新たなる力。フェストゥムが引き起こし行使する力と同じ「超次元現象(Super Dimensional Phenomenon)」を、パイロット毎に固有の限定的な特殊能力として発現する。島外では発揮されていないことから、竜宮島防衛専用の力と言える。
ファフナーでこの能力を発揮することにより、対フェストゥム戦の常識を大きく覆す”新次元戦闘”が可能になった。
しかし、同時にパイロットたちには従来と全く異なる新しい同化現象が進行し始め、それぞれに未知の苦しみに見舞われていくことになる。アルヴィス内・ウルドの泉に発生した11本の「ゴルディアス結晶」の柱、その出現と同時に発現した〈SDP〉、そしてそれに伴う「新同化現象」。これらは極めて密接に関係していると思われるが……?
ノートゥング・モデル一覧
- 1番機〈ファフナー・マークアイン〉(Mk-I) 【パイロット:皆城総士(起動実験のみ)/日野道生】
- 2番機〈ファフナー・マークツヴァイ〉(Mk-II) 【パイロット:蔵前果林】
- 3番機〈ファフナー・マークドライ〉(Mk-III) 【パイロット:要咲良/カノン・メンフィス】
- 近接攻撃型。マークフィアーと同時に実戦投入された。パイロットの性向もあって同型機の中でも接近戦志向が強い機体。主武装はスコーピオンのほか、咲良はピラム、カノンはルガーランスを主に使用。咲良搭乗時には集中させたエネルギーで強化した貫手での攻撃も繰り出した。蒼穹作戦のクロスドッグではイージスをマークアハトと一基ずつ分担し隊列防御も担当。
- 【HAE】
パイロットの適性変化にともない、主にリンドブルムとドッキングした空戦仕様で運用され、貴重な航空戦力として縦横無尽に戦場を翔けた。第二次蒼穹作戦では遊撃部隊に参加。[敵ミール母艦上空で戦闘中リンドブルムに被弾、緊急着艦しながら切り離すが誘爆に巻き込まれ、一時安否不明になるも生還した。] - 現存の同モデル中ではトップクラスに実働期間が長い機体となっている。なお小説版設定では、この機体のパイロットの死亡率が高い(というジンクスの)ため、機体カラーから「黄色い棺桶」と呼ばれている。
- 【EXO】
パイロットのリタイアに伴い、アハトと共に無人機運用の実験に使用されていた。悪化する戦局に対応すべく、4機のトルーパー・モデル(コア搭載型無人機)と同調することで操る「スレイプニール・システム」を搭載し、咲良が戦線に復帰する。 - 発現SDP…「増殖」
4機のトルーパーが倒される度に増え続ける。発現した初戦では26機までの増殖稼働が確認された。増えた機体は戦闘が終わると消滅する。 - 【BEYOND】
咲良のパイロット引退により空席。
- 4番機〈ファフナー・マークフィアー〉(Mk-IV) 【パイロット:春日井甲洋/???】
- 肩部に追加されたハードポイントで大型武装をマウントできる中距離支援型。マークドライと共に実戦投入された。メドゥーサを発射する姿が視聴者に印象を残すが、残念ながら本編では未使用におわる。本編中の実戦で使用した武装はゲーグナーのみ。第8話の人工島調査で護衛として初出撃し、人員救出のために海中作業を敢行した。[任務を果たすもコアギュラ型によってパイロットは半同化、コクピットだけは回収されたが、機体は放棄され海へと沈む。以後は欠番扱い。人類軍により海底からサルベージされる。後にそのコアはマークニヒトに移植された。]
- 【HAE】
意外なかたちで再登場し、晴れてメドゥーサを駆使して活躍を果たす。[防衛戦で各機が苦戦を強いられる中に突如出現。マークツェンのコクピットを回収し、マークドライの窮地を救うと戦線に加わる。その後、第二次蒼穹作戦にも防衛部隊の一員として参戦。マークニヒトに突撃してマークザイン脱出の切っ掛けをつくった後、ワームスフィアーを受けて消滅した。コアのみが間一髪で転移に成功している。] - 小説版でもパイロットと合わせて一定の描写がある数少ないファフナーだが、機体の特性やカラーリングが異なる。
- 【EXO】
[人間の容の身体を手に入れた甲洋とともに再構成され、第三次蒼穹作戦の土壇場も土壇場で復活。見事同作戦を成功へと導き、島の戦力として復帰する。パイロットがフェストゥムと成っているためか、単独飛行可能であり、ガンドレイクを媒体にワーム・スフィアを巨大な刃に変える、砲身もないにも関わらずメデューサを放つなど、底知れない強さを見せる。第四次蒼穹作戦前にエインヘリアルモデルに改装された。] - [発現SDP…「毒」]
[詳細不明。しかし、マークフィアーの攻撃に触れた下級フェストゥムは黒く濁り落ちていく描写が成された。]
- 5番機〈ファフナー・マークフュンフ〉(Mk-V) 【パイロット:小楯衛/堂馬広登】
- 防御特化型。マークアハトと同時に実戦投入。イージス4基を基本装備としており前方広範囲に大型シールドを展開できる。連携の中で味方機を守る役目だが、ヘルメットによる自己暗示と変性意識で精神が激変し、先導的になる「ゴウバイン」衛の勇敢さによって、必要とあらば最前線に突撃しながら敵を抑える。主にドライ・アハトとのトリプルドッグで運用され、武器を用いず味方の防御に徹する防衛戦力の要となった。
[終盤、スカラベR型との戦闘にてファフナー隊が壊滅していく中、捨て身の攻撃で敵を撃破するも大破。脱出装置が作動するも、消滅時のワームスフィアー反撃に巻き込まれ、コックピットブロックがねじり潰された。] - 【HAE】
完全修復され、「二代目ゴウバイン」広登を新パイロットとして再び戦線投入。イージスが強化され、膝部分にシールドが追加されたほか、ガルム44などを使用して攻撃にも積極的に参加する。第二次蒼穹作戦には防衛部隊として奮戦。仲間の窮地を救うなど本来の役割でも活躍した。[最終局面では敵ミールの直接侵攻に割り込み、身を挺して食い止めながら島を守る大役を果たした。] - 【EXO】
引き続き広登が搭乗。イージスにさらなる改良が施され、シールドのエネルギーを転用した砲撃が可能な攻防一体の装備となった。シュリーナガルへの島外派遣に際し、護衛部隊として参加。隊形の組めない状況下、ルガーランスも駆使して単体で申し分ない戦力を発揮した。
[ダッカ基地を目指す脱出行中の襲撃戦において、人類軍アルゴス小隊のファフナーにコクピットを狙撃され戦闘不能となり、鹵獲された。機体はバラバラに解体され基地へ回収されている。] - これまで同型機が存在しなかったが、新登場の15番機・ツクヨミのベース機となっている。
- 防御特化型。マークアハトと同時に実戦投入。イージス4基を基本装備としており前方広範囲に大型シールドを展開できる。連携の中で味方機を守る役目だが、ヘルメットによる自己暗示と変性意識で精神が激変し、先導的になる「ゴウバイン」衛の勇敢さによって、必要とあらば最前線に突撃しながら敵を抑える。主にドライ・アハトとのトリプルドッグで運用され、武器を用いず味方の防御に徹する防衛戦力の要となった。
- 6番機〈ファフナー・マークゼクス〉(Mk-VI) 【パイロット:羽佐間翔子】
- 7番機〈ファフナー・マークジーベン〉(Mk-VII) 【パイロット:遠見真矢】
- マークゼクスと同じ空戦型だが、判明した真矢の狙撃適性に合わせてドラゴントゥース特化の運用がされ、主に地上後方からの支援を行った。TVシリーズ第一期では最後発の投入となったが、パイロットの高い資質と極度に安定した精神によって、即戦力として活躍。以降、中核となって防衛を支えていく。
終盤に2回大破しているが、それぞれ脱出成功とコクピットが被害を受けなかったことで奇跡的にパイロットは生存した。決戦地・北極の蒼穹作戦にクロスドッグの後衛で参加。[激戦の果てに、宇宙へ昇る敵ミールをマークザインと共に狙撃し、決戦に終止符を打つ。島へ帰還を果たし、エピローグではザインを迎えに翔んだ。] - 【HAE】
狙撃支援をマークツェンに引き継がせ、本来の空戦特化仕様でマークドライと共に活躍。装備を取り回し重視のレールガンにすることで、高機動戦闘と上空からの射撃支援によって戦局を支えた。
第二次蒼穹作戦には防衛部隊として参加。終盤まで味方機で唯一損害なく立ちまわった。[その後、片腕ごと武器を失った状態にも拘わらずマークフィアーに続きマークニヒトに突進。マインブレードを突き立てるも斬り伏せられたが、結果的にザイン帰還に繋がった。] - 【EXO】
一騎達世代で唯一のレギュラーとして真矢が引き続き搭乗。空戦用に改良された新型ドラゴントゥースを装備して飛行しながら狙撃を行い、高速機動で旋回しつつの精密射撃など、衰えぬ技の冴えを見せる。
島外派遣部隊に同行し、中心戦力として護衛を担った。同化現象の拮抗治療法確立と変質したコアの抑制力によって、高い適性を持つ真矢の搭乗への耐久力は極めて高くなっており、難民護送の行軍では偵察のファフナー隊に参加して飛び続けるという重要かつ過酷な任務につく。
- マークゼクスと同じ空戦型だが、判明した真矢の狙撃適性に合わせてドラゴントゥース特化の運用がされ、主に地上後方からの支援を行った。TVシリーズ第一期では最後発の投入となったが、パイロットの高い資質と極度に安定した精神によって、即戦力として活躍。以降、中核となって防衛を支えていく。
- 8番機〈ファフナー・マークアハト〉(Mk-VIII) 【パイロット:近藤剣司】
- 中距離支援型。実戦にはマークフュンフと同時投入。主にマークドライ・フュンフとのトリプルドッグで牽制や攪乱役となる。当初こそ戦闘時のパッとしなさで(ファンから)生存を危ぶまれたが、ヘタレながらも前に進み続けるパイロットの成長と共に戦果を着実に重ねていった。主な使用武器はガルム44。剣司の直感力の発露として、無意識に敵の弱点を突くなどして戦局打開の端緒となることが多々ある。
蒼穹作戦ではルガーランスやイージスほか、一度の使い切りでメドゥーサも使用してクロスドッグの一翼を担った。[分断された混戦の中マークニヒトと単機で対峙し、追いつめられながらも戦局が変化するきっかけの一撃を与えた。] - 【HAE】
アルヴィス歴戦のファフナーのひとつとなり、(同一パイロット単位として)現存同モデル中で最も実戦経験が多い機体。防衛戦でも中核として戦闘を牽引し続け、損害を受けながらもパイロットは決して屈さず、リーダーに相応しい気迫をもって仲間や後輩たちを支えた。[救出したマークノインのコクピットを庇いながら奮戦、右肩から腕を失い半壊しながらマークフュンフに託し、更に前線に立ち続けた。]
第二次蒼穹作戦では遊撃部隊に参加し、単機で敵母艦内部に突入する。 - 【EXO】
開始時点では、ドライと同様に搭乗者のリタイアで無人機の実験に使用中。しかし、[第三次蒼穹作戦に臨む際]ジークフリード・システムならびにスレイプニール・システムを移植しファフナー部隊を指揮するという、重大な役割と莫大な負担を背負い戦線に復帰している。[また、この時エインヘリアルモデルに改修された。] - 発現SDP…[薬」
他者の機体に触れることで、他の機体の損傷を修復、同化現象ならばそれを肩代わりすることができる。また、その時対象の痛みも己に移し替えることも可能。また、使役するトルーパー・モデルが触れた物に対しても同様の事象を行うことができる。[ミールの導きによりこれを行使し、沈黙していたマークザインを復元した。] - 【BEYOND】
剣司のパイロット引退に伴い空席
- 中距離支援型。実戦にはマークフュンフと同時投入。主にマークドライ・フュンフとのトリプルドッグで牽制や攪乱役となる。当初こそ戦闘時のパッとしなさで(ファンから)生存を危ぶまれたが、ヘタレながらも前に進み続けるパイロットの成長と共に戦果を着実に重ねていった。主な使用武器はガルム44。剣司の直感力の発露として、無意識に敵の弱点を突くなどして戦局打開の端緒となることが多々ある。
- 9番機〈ファフナー・マークノイン〉(Mk-IX) 【パイロット:西尾里奈】
- 【HAE】
劇場版から戦列に加わる中距離支援型機。シミュレーションで同型機のパイロットに比べ強い〈火器ばら撒き型〉傾向が見られたため、専用の火炎放射器「サラマンダー」が主装備として開発された。これは特殊な気化燃料によって敵組成を崩壊させ動きを鈍らせるもので、拡散と射程調節が自由にできる武器になっている。
[防衛戦後半おける混戦の中で敵の連携を受け、スカラベJ型種に胸部を串刺しにされ大破。脱出したコクピットもスフィンクス型に掴み取られ絶体絶命になるが、間一髪マークアハトにより救出された。] - 【EXO】
引き続き里奈が搭乗。同型機不在の局面が主となったためか、序盤以降サラマンダーが使われなくなり、主にメドゥーサやレールガン、ガルム44を駆使した本来の中距離戦闘をこなしている。 - 発現SDP…「増幅(アクセル)」
武装を同化することでエネルギーを増幅し、異常な火力を引き出す。
- 【HAE】
- 10番機〈ファフナー・マークツェン〉(Mk-X) 【パイロット:西尾暉】
- 【HAE】
ノインと同じく新登場する中距離支援型機。ドラゴントゥースを主に使用し、狙撃による地上での遠距離支援をジーベンから引き継いで奮戦した。[防衛線後半、スカラベJ型種に海中へ引きずり込まれて同化を受け、意識を失ったことでフェンリルが放たれてしまい消滅。だが突如現れたマークフィアーによってパイロットは直前に救出された。] - 【EXO】
完全修復され、引き続き暉が搭乗。主武装のドラゴントゥースは変わらずだが、両肩部にレヴィンソードを装備する。後に派遣部隊に参加し、島外へ赴く。新天地への行軍が始まってからは、後方からの射撃以外で様々な戦況に対応する必要もあり、ガルム44やデュランダルを使用する局面が増えた。
- 【HAE】
- 11番機〈ファフナー・マークエルフ〉(Mk-XI) 【パイロット:真壁一騎】
- 近接攻撃型。竜宮島での開戦と同時、ノートゥング・モデルで最初に実戦投入され、中盤まで防衛の主力となった。ロングソードやルガーランスでの接近戦を得意とするが、リンドブルム装備での空中戦をはじめ、各種武装を駆使して状況に即した運用がされた。
第2話においてマークツヴァイに代わり急遽出撃。辛くも撃破するが敵消滅時の攻撃を受け大破する。胸部のコアも破損したため、修復の緊急性からマークツヴァイにコクピットを換装。以後マークエルフとして運用される。
[物語中盤、一騎の脱島後に東南アジアで人類軍に鹵獲された。機体から接収されたコアがモルドヴァ基地の研究所に運ばれ、マークザインに移植される。エルフの機体が以後どう扱われたのかは不明。] - マークエルフとしては欠番の状態だが、ナンバリングされたものが引き継がれているためか、アルヴィスで欠番機として数えられてはいない模様。なお小説版の設定では機体カラーが異なり、漆黒となっている。
- EXO新登場の14番機・スサノオのベース機。
- 近接攻撃型。竜宮島での開戦と同時、ノートゥング・モデルで最初に実戦投入され、中盤まで防衛の主力となった。ロングソードやルガーランスでの接近戦を得意とするが、リンドブルム装備での空中戦をはじめ、各種武装を駆使して状況に即した運用がされた。
- 12番機〈ファフナー・マークツヴォルフ〉(Mk-XII) 【パイロット:立上芹】
- 【HAE】
ノイン・ツェンと共に新投入された近接攻撃型機。模擬戦で頭突き攻撃をみせた芹の変性意識に対応するため、雷撃角「ショットガンホーン」を搭載している。これは背部から頭上に展開した刀身を軸に、機体保護も兼ねた角錐状エネルギーフィールドを形成して突進、ルガーランス同様にプラズマ弾を打ち込むという特殊専用装備。近接型だがスコーピオンを主に装備し、射撃で隙を作りこの突進で倒すという戦闘スタイルをとる。
第二次蒼穹作戦に際して、パイロットが劇中で別命を受けたため不参加となった。 - 【EXO】
引き続き芹が搭乗するが、徐々に適性が落ち始めている模様。レヴィンソードを使用して接近戦や連携をこなすようになったが、ショットガンホーンでの苛烈な突進も健在。
[第四次蒼穹作戦において、アルタイルを閉じ込めるため、パイロットごと竜宮島と共に封印される。] - 発現SDP…「同化・再生(リバース)」
周囲を同化し続けることで機体とパイロットの損傷が修復され、実質的に不死状態となる。[第三次蒼穹作戦の時点では、むしろこの同化を攻撃に転用しており、接触したフェストゥムを捕食・同化することができる。この捕食は武器越しでも可能。]
- 【HAE】
- 13番機〈ファフナー・マークドライツェン〉(Mk-XIII) 【パイロット:羽佐間カノン[/来主操]】
- 【HAE】
近接攻撃型機。開発計画が進んでいた13番機を、羽佐間容子がカノンの適性に合わせ専用機として新たに設計し直したもの。そのため同型機が存在しない。接近戦特化で各所に追加装甲が施され、背部の大型スラスター2基によって低高度なら空戦も可能。主な使用武器はルガーランスで、ベイバロン時代から熟練された戦闘スタイルをとる。
[防衛戦中、パイロットに同化現象が進行し、意識を失いかけてフェンリルの起動確認がされるも気力を振り絞り認証拒否。その後肉体の結晶化が始まりかけるが、マークザインが同化を代替して崩壊は回避された。]
第二次蒼穹作戦には防衛部隊として参加。[隙を突いてマークニヒトに挑むが格闘戦で圧倒され、逆に戦闘不能に追い込まれてしまう。] - 【EXO】
開始時点ではパイロットのリタイアにより適格者不在だった。後に状況の困窮に対抗するため、パイロットらの提案を受け、マークドライと共に戦線復帰が決定される。[SDP発現後は未来を変えるためにカノンが稼動させ続け、彼女の消滅と共にパイロット不在となり、竜宮島と合流した来主操が本機を引き継ぐこととなった。] - 発現SDP…「予知」
未来に起こり得る出来事の可能性を視る能力。敵の行動を読むことで機動力を活かした高速戦闘を実現する。[ただし、この力の本質は「未来を視る」ことでなく「未来と戦う」ことにあり、ファフナーに乗って未来で敵を倒すことで干渉し、現在という過去に影響を与えるというものだった…。操搭乗時はパイロットの違いのためか、或いはカノンが望む未来を実現させたためか能力が変化し、体感時間を延長するSDPに変化している。]
- 【HAE】
- 14番機〈ファフナー・マークエルフ改 【スサノオ】 〉(Mk-XIV) 【パイロット:御門零央】
- EXOより新登場。マークエルフをベースに新造された近接攻撃型機。零央のもつ非常に高い格闘技能を最大限に活かし、レヴィンソードとルガーランスの二刀流を基本スタイルとして前衛を担う。初陣ではスカラベ型の攻撃を受けた際、咄嗟に反撃しながら離脱するなど、初陣らしからぬ技量と闘志をみせた。
- 発現SDP…「消失(ロスト)」
ワームスフィアによって一次元へと潜ることで消え、一瞬で別の地点に再び現れることで、三次元空間を跳躍するゼロ次元移動を行う。対象は自身のみならず、集中することで周囲の機体も移動させて見せた。 - 仮登録名は「フェート・フィアダ」。元はベース機(の修復に使われたマークツヴァイ)に近い黒系色だったが零央の要望で塗り直され、結果的にエルフ本来の空色寄りの青となった。
- 15番機〈ファフナー・マークフュンフ改 【ツクヨミ】 〉(Mk-XV) 【パイロット:水鏡美三香】
- EXOより新登場。マークフュンフをベースに新造された防御特化型機。フュンフ同様の改良イージスを4基装備し鉄壁の防御力を誇る…が、3代目ゴウバイン美三香の発揮するセンスにより、格闘「ゴウバイン・プログラム」のほか、盾をエネルギー刃とした斬撃"超必殺ゴウ・スパーク"なども駆使し、既存の枠に捕らわれない戦闘を繰り広げる。
- 発現SDP…「壁(ウォール)」
二次元体を展開して超高度防壁を作り出す。フェストゥムのそれ同様、防御だけでなく攻撃に転用することができ、発生させた複数の壁によって捩じ切る強力な攻撃を繰り出す。 - 仮登録名は「リア・ファル」。元はベース機と同じく紫色だったが、美三香の要望でピンク系色に塗り直された。
- 16番機〈ファフナー・マークゼクス改 【アマテラス】 〉(Mk-XVI) 【パイロット:鏑木彗】
- EXOで新登場。マークゼクスをベースに新造された空戦特化型機。ガンドレイクの二丁装備を基本とし、空戦機動から射撃と突撃を組み合わせた中近距離戦を行う。防衛時の戦端が開かれる際、バトルフィールドへ敵を誘う囮役となる。また、彗の高度な状況判断能力を活かして上空から戦況を分析、ジークフリード・システムに戦術を提案するなど、前線指揮官機の役割も果たす。
初陣の戦闘でガンドレイクを投擲し、レージングカッターをグリップに絡ませて操りながら攻撃するというトリッキーな戦法をみせた。以後も投擲攻撃を活用する。 - 発現SDP…「引き寄せ(アポート)」
離れた物体を引き寄せる力。応用性ある能力であり、戦闘においては瞬時に武器を手元に取り寄せることができるだけでなく、出現地点を敵とすることで強力な攻撃手段となる。[アザゼルA型ウォーカーとの戦闘では、この能力により敵のコアを引き寄せ釘付けにする戦法がとられ、反射されたゼロファフナーの砲撃を「引き寄せる」ことで反射し返すといった応用性の高さを見せつけた。] - 仮登録名は「フラガラッハ」。新たな3機で唯一、機体カラーが変更されていない。
- EXOで新登場。マークゼクスをベースに新造された空戦特化型機。ガンドレイクの二丁装備を基本とし、空戦機動から射撃と突撃を組み合わせた中近距離戦を行う。防衛時の戦端が開かれる際、バトルフィールドへ敵を誘う囮役となる。また、彗の高度な状況判断能力を活かして上空から戦況を分析、ジークフリード・システムに戦術を提案するなど、前線指揮官機の役割も果たす。
ティターン・モデル
【概要】
TVスペシャル版『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』(以下ROL)に登場の機体。名称はギリシア・ローマ神話の巨神たちの総称に由来。設計・開発者はミツヒロ・バートランドと日野洋治。機体開発コードは、TSX-001(~004)。
ノートゥング・モデルの前身となったプロトタイプであり、全四機が存在した。動力炉の小型化が実現し、ゼロファフナーの約半分、後のノートゥング・モデルより一回り大きい程度のサイズとなっている。すべての機体に深紅色のカラーリングがされた。ジークフリード・システムを機体に内蔵し、二機一組でクロッシングを行うことで読心を防ぎつつ、連携して戦闘を行う。後のノートゥング・モデルとは構造やシステム面に多々違いがある(機体サイズ差/コクピットが胸部/接続機器がニーベルングのみ)が、基本性能は近く、同様にパイロットに変性意識が起こり同化現象が促進される。
【特徴】
なによりもファフナーとジークフリード・システムの二重の負荷が掛かるため、ノートゥング・モデルの数十倍の速度で同化現象を進めてしまうことが最大の問題点。そのため、一度の戦闘に制限時間(最長15分間)が設定され、持ち時間をパイロットふたりで分け、ひとつの機体を交代で運用することになっていた。また、当時は海中でフェストゥムの活動が確認されていなかったため、離脱手段として海中移動用の装備が標準搭載されている。
このティターン・モデルを用いた戦いは過酷を極め、最終的に戦闘での犠牲よりも同化現象の進行で全身が結晶化・崩壊していなくなった者が多かった。
【パイロット】
将陵僚、生駒祐未、立木惇、柴田小百合、船橋幸弘、柳瀬徹、村上剛史、鏑木早苗
【L計画】→[予期されるフェストゥムの竜宮島襲来を遅らせるために、陽動による危機回避プログラム「L計画」の主力として、開発されていたすべての機体が実戦投入された。あくまで生還を想定したものだったが、絶望的な推移をたどり、作戦遂行過程の戦闘で二機が大破、残り二機も脱出時に敵の襲撃を受けて目的上帰還が叶わなくなる。最後に残った一機が同化を逃れ竜宮島へ情報を残すため自爆し、パイロット含め参加者はひとりも帰還が叶わなかった。]
【主武装】
ガンドレイク / ミサイル・バルカン砲2門×2(両腕部ウェポンベイ内蔵) / サイレーンド(背部・海中潜行装備)
エーギル・モデル (ゼロファフナー)
【概要】
劇場版『蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH』に登場。名称の由来は、北欧神話の海神エーギル。機体開発コードはAGX(通称:ゼロファフナー)。設計・開発者は西尾行美。
瀬戸内海ミールをコアに使用し、「ジークフリード・システム一体型プロトタイプ・ファフナー」として開発された試作機。実験機となった一機のみが存在する。その後のモデルと違いパイロットが二人の複座型。
ファフナーの研究開発に技術革新を起こした画期的な機体だったが、動力炉が小型化される前だったため体高が100メートル近く、扱いづらかった。更に起動実験でコア制御に失敗し暴走、ワームスフィアで周囲を消失させパイロットも死亡する事故を起こし、実用化は見送られる。以後は機体がアルヴィスの補助システムに転用されていた。
開発者の孫であり、かつて犠牲となったパイロット夫婦の遺児、里奈と暉の搭乗機として第二次蒼穹作戦の遊撃戦に投入される。
[EXODUSでは海神島上陸作戦において、里奈と暉の二人をパイロットとし再び投入される。ベイグラントの侵攻を水際で受け止め、同化の為に伸ばした触腕を破壊するも、負担により暉が消滅。第四次蒼穹作戦においては新たに鏑木彗をパイロットとし、ベイグラント攻略の要となる。カノン式増幅装置が搭載されており、パイロット2名のSDPを発動することができ、その相乗効果により人工衛星に寄生したベイグラントを地上に「引き寄せ」叩き落とすことに成功した。]
【主武装】
振動共鳴波×2(両掌発振器)/レーザーパレット(機体全身各所内蔵)/イージス(両肩)/大型サイレーンド(背部・海中潜行装備)
トルーパー・モデル
【概要】
TV第二期『蒼穹のファフナー EXODUS』に登場。EXODUS初期から開発が示唆されていた「コア搭載型無人機」。
「スレイプニール・システム」を搭載した有人ファフナーで4機1組を遠隔操作する。自立型であり自己判断で行動するため、動きの全てをコントロールする必要はない。また、過去のノートゥング・モデルの動きを学習しており、その動きを真似ることもある。ノートゥング・モデルより一回り小さい。飛行機能も備えている。かわいい。
システム搭載機のSDPの影響も受け、マークドライ指揮下では実体ある幻として増殖し、マークアハト指揮下の機体は修復・同化代替の媒介になる。
スレイプニール・システムはジークフリード・システムを応用したもので、システム自体にも小さなコアが搭載されているため、システム搭載機の搭乗者には二重の負担となる。
【システム搭載機】
マークドライ(要咲良)、マークアハト(近藤剣司)
エインヘリアル・モデル
【概要】
EXO終盤から登場する、アルヴィス最新のファフナー。名称の由来は、北欧神話の「永遠に戦い続ける、死せる戦士たちの魂」。[命名者でもある羽佐間カノンによって、設計データがアルヴィスに託された。]
対フェストゥム戦における殲滅力の追求とも生還率の向上とも違う、「パイロットの消耗を防ぎ、一分でも長くファフナーに乗せる」ことそのものを目的とする、従来機と根本から異なる思想に基づいて設計された機体。新同化現象への対抗策が取り入れられている。
最大の特徴は、パイロットとファフナーのコアをクロッシングさせるべく構築されたシステム。「カノン式アクセラレータ」により、ウルドの泉にて生命の情報を集積し続ける「ゴルディアス結晶」に連なるコアとパイロットをリンクさせることで、結晶の成長とSDPの発揮を補助ないし強化するものと思われるが、存在が明かされた時点では性能を含め詳細不明である。
基本的にノートゥング・モデルを改修したものとなるが、ここではBEYONDにおいて改修・新造したもののみ掲載する。
エインヘリヤル・モデル一覧【BEYOND】
- 〈ファフナー・マークアイン改【スペクター】〉 【パイロット:マレス・エクセルシア(脱島時に使用)/レガート】
- 〈ファフナー・マークツヴァイ【グリムリーパー】〉 【パイロット:皆城一騎/マレス・エクセルシア】
- 〈ファフナー・マークフィアー改【アバドン】〉 【パイロット:春日井甲洋】
- 〈ファフナー・マークジーベン改【アズライール】〉 【パイロット:遠見真矢】
- 〈ファフナー・マークノイン改【イザナミ】〉 【パイロット:西尾里奈】
- 〈ファフナー・マークツェン改【アキレス】〉 【パイロット:真壁一騎】
- 〈ファフナー・マークドライツェン改【クロノス】〉 【パイロット:来主操】
- 〈ファフナー・マークエルフ改 【スサノオ】 〉 【パイロット:御門零央】
- 〈ファフナー・マークフュンフ改 【ツクヨミ】 〉 【パイロット:水鏡美三香】
- 〈ファフナー・マークゼクス改 【アマテラス】 〉 【パイロット:鏑木彗】
新国連製/竜宮島のファフナー
ザルヴァートル・モデル
【概要】
元アルヴィス所属の二人の技術者を中心に新国連で開発された、フェストゥムとの最終決戦用ファフナー。名称はドイツ語の「救世主」を意味する。設計・開発者はミツヒロ・バートランドと日野洋治。
開発者それぞれの設計思想が色濃く反映されており、従来の人類軍ファフナーとは根本から異なる存在。同一モデルでありながら対をなすコンセプトの〈マークザイン〉〈マークニヒト〉という2機が製造された。アルヴィスのファフナー同様、ミールの欠片の内蔵を前提に設計され、どちらにもノートゥング・モデルから接収したコアが移植されている。
【特徴】
コアを利用する点は同じだが、従来のように「敵の力を防ぐ」ためではなく、可能な限り「敵そのものになる」ことを目的に開発された。そのため、あらゆる武装と同化して威力を増幅するばかりか、フェストゥム自体までも同化することができ、現存するどの機体をも凌駕する驚異的性能を誇る。
一方で、発揮する能力に比例して搭乗者の同化現象も爆発的に加速させてしまう。また、同化能力を行使するには、ファフナーとの一体化で「違う自分になる」ことの先、自分の一部が「違うモノになる」ことを受け入れる精神が必要とされ、シナジェティック・コード形成数値が高いだけでは真に使いこなすことができない。
理論上は、これをさらに発展させ「存在自体が別のモノになる」感覚を受け入れることで、最大のパフォーマンスを発揮するとされているが、それに耐えられる人間が現れるのか(いたとして、人でいられるのか)は不明。
【主兵装】
ホーミングレーザー発振器×2(両肩背部ユニット)/同化ケーブル×6(両肩背部・翼状アンカー)
- 〈ファフナー・マークザイン〉(Mk-Sein) 【パイロット:真壁一騎/日野美羽】
- 洋治の追求したコンセプト=「兵士(パイロット)を一人でも多く生かす」ことを主眼に設計された機体。「ザイン(Sein)」は「存在」「肯定」を意味する、英語では"Be"に相当するドイツ語。内蔵するコアは、接収した[マークエルフ(ツヴァイ)]のもの。
- モルドヴァ基地でのイドゥンとの戦いにおいて、ミョルニアを通して機体を託された直後、一騎の怒りに呼応して暴走状態となり、[周囲一帯ごとイドゥンとフェストゥムたちを同化し、無の中へと融解してしまう。乙姫の助けを借りた一騎は、強い自己否定の原因となっていた過去と向き合い、自らの意志に従って存在の肯定を選択する。]それにより「存在」するという進むべき道がコアに示された結果、マークザインは新たに個を獲得し再生を果たした。
原型の機体が持ち合わせていた白緑色のカラーリングや頑健なフォルムからデザインを大きく変え、銀白色に輝くシャープなシルエットのファフナーとして再誕。以後、他人のシナジェティック・コードを受け付けない状態となり、実質的に一騎専用機となっている。元々搭載されていた武装はすべて失われ、外部の武器を同化・強化して戦うが、一騎はルガーランスを基本装備としている。 - これを扱う一騎の精神は、戦う意志を通じた総士との信頼・共有感によって、機体が要求する負荷に耐えている状態にある。その同化能力の際限無さと代償の凄まじさからパイロットを守るため、アルヴィス登録後はリミッターが掛けられることとなった。なお、同化された際の危険性を鑑み、通常量の3倍のフェンリルが搭載されている。
- 人類軍占領下の竜宮島へ帰還した際、プレアデス型との戦闘で窮地に陥っていた戦局を単機で覆し、ジークフリード・システムの支援を受けて圧倒的戦闘力を振るった。しかしその後の度重なる戦闘の蓄積で、パイロットの同化現象を進行させてしまう。
- 蒼穹作戦ではリミッターを解除され、クロスドッグの前衛として参加。主力となって乱戦を突破し、目標コアとの接触を目指した。[データ回収後、マークニヒトを退け、囚われていた総士とシステムを奪還。宇宙へ逃れようとするミールをマークジーベンの武器に同化して破壊し、決戦に終止符を打った。帰投直前、ニヒトに無の次元へと引きずり込まれてしまうが、甲洋の助けで存在を繋ぎ止められ、互いを同化するせめぎ合いをザインが制した。人類軍の航空機を同化して単機で竜宮島へ帰還を果たす。]
- 【HAE】
パイロットへ謎の激烈な負荷がかかるため、序盤以降一時使用されなくなる。[その負荷はマークニヒトをコアに封じていたがためだった。ニヒトを止めるために再び出撃したが交戦になり、ワームスフィアーの中へと飲まれてしまうが、その後の第二次蒼穹作戦の戦いの中で帰還。苦戦する防衛部隊の窮地を救い、遥か上空でニヒトと激闘を繰り広げながら対話し続けた。] - 【EXO】
開始時点ではアルヴィス内で隔離して保管されており、コア摘出後に破棄される予定だった。しかし、目覚めた島の新コア「織姫」の命を受け再起動、島外派遣部隊の救援に急行することとなる。全てのリミッターが解除された状態となっている。
シュリーナガルの戦いにおいて、マークニヒトと共に常識の埒外の能力を振るい、戦局を一転させた。これまで通り同化したルガーランスを武器とするほか、それを発振器として発生させた粒子状の光によって同化能力を超広範囲に行使する。 - 【BEYOND】
第5次蒼穹作戦時にパイロットは真壁一騎の替わりに「最も安全は場所」として日野美羽が搭乗。一騎同様に機体を使いこなす素養を持つが、彼女自身敵に対して「お話(殺したくない)」スタンスであるが故にその力を十全に発揮できないでいた。
- 〈ファフナー・マークニヒト〉(Mk-Nicht) 【パイロット:狩谷由紀恵(テスト時)/イドゥン/来主操/皆城総士】
- ミツヒロの目指した理想=「敵(フェストゥム)を一体でも多く倒す」ことを主眼に設計された機体。「ニヒト(Nicht)」は「不在」「否定」を意味する、英語では"Not"に相当するドイツ語。内蔵コアは、[マークフィアー]から接収したもの。マークザインよりもパワー重視・重装甲に設計され、要求コード形成値も高めになっている。機体カラーはザインの白基調と対になる黒系。
- モルドヴァを脱出したミツヒロを中心に引き続き開発が進められ、狩谷をパイロットとして起動実験を繰り返し完成目前となる。[だが潜入していたイドゥンに同化され、ミツヒロもろとも施設は破壊され機体も奪われてしまう。その手を汚させた狩谷を同化することで、イドゥンは「憎しみ」の感情を獲得・理解し、一層人間の殲滅を志向するようになった。]その結果、設計者の願いとは真逆にフェストゥムによる人類の「否定」を体現する存在と化し、強力な性能とフェストゥムの能力を行使する最強最悪のファフナーとなる。決戦を前に、人を滅ぼすために効果的なモノを奪うべく竜宮島に来襲した。
- 北極の決戦でマークザイン・ドライ・ジーベン・アハトと死闘を繰り広げるが、やがて自ら招き、そして皆城総士によってもたらされた致命的な変化により「傷」を負う。[その後、ミールが破壊されたことで真に個体となるが、痛みのない無へ還るために総士と一騎もろともマークザインの同化を試みる。しかし無の中で存在のせめぎ合いに敗れ、マークザインに上書きされるように同化されて消滅していった。]
- 【HAE】
[マークザインのコアに封じられた状態にあったことが判明。来主操のミールがフェストゥムを通じて接触したことで解放され、再び実体化を果たす。]機体は原型を留めないほどに大きく変貌を遂げ、生物的かつ鋭角的なフォルムの四肢をもつ暗紫色の禍々しい姿と化した。とりわけ両腕が長大になったほか、肩背部ユニットをはじめ全体シルエットが巨大化。各所に結晶のような装甲が追加され、同化ケーブルも左右一基ずつ増えている。[敵ミールの命令で搭乗した操によって島のコアを狙うが、マークザインと交戦になりワームスフィアーで飲み込んでしまう。]
第二次蒼穹作戦では敵ミール側の戦力として侵攻群に加わり防衛部隊のファフナーと戦闘、その凶悪な能力で苦戦を強いた。 - 【EXO】
開始時点では、石棺を模した専用隔離施設にて厳重な封印が施されており、機体の解体・コア摘出が試みられていた。しかし織姫の覚醒によりザインと同じく島外への救援の命を受け再起動、派遣されることになる。
シュリーナガルの戦いでは、マークザインと分担して大規模な殲滅戦を展開。フェストゥムと同等以上のワームスフィアーやアンカーケーブルによる並列同化能力など、機体の圧倒的性能と総士の持つ資質を存分に発揮し、戦局を支配するばかりかザインと共にアザゼル型ロードランナーをも追い詰めた。
第5次蒼穹作戦では、ベイグランドのフェストゥム郡を圧倒。その後、ザインと共にマークレゾンと交戦の末にザインを庇う形で中破。満身創痍の中剣司のSDPで機体を修復され、アショーカミールに迫るベイグランドを間一髪の末に撃破。そして、総士が同化現象末期に消滅したため機体は停止。 - 【BEYOND】
開始時点は海神島のアショーカ・ミール=世界樹の根元に建造された石棺で封印されていたが、転生した皆城総士がアルヴィス(海神島)に帰還した際に外部に接続されたコックピットに搭乗し、機体に遺されたかつての自分の声を聞くと共に再び覚醒。
偽りの記憶に囚われ、敵意と激情を受け海神島を破壊しようとするが、、海神島のファフナーパイロット達に軽くあしらわれ取り押さえられる。
第二次L計画では、孤立の末にフェンリルで敵を道連れにするスサノオとツクヨミを救うべく先の戦闘で目の当たりにした真壁一騎によるアキレス覚醒を真似る形で再ザルヴァートルゴウバインプログラム化。機体のフェンリル停止した後に二人からのニヒトへの同化を「否定」し、コクピットごと回収により救出を果たす。
新国連製/人類軍のファフナー
作中の世界においてはこちらが一般的なファフナーであり、量産されて世界各地の戦線へ配備されている。本編(TVシリーズ第一期)では〈グノーシス・モデル〉〈メガセリオン・モデル〉〈ベイバロン・モデル〉の3タイプが登場(「新国連製」としては前述の〈ザルヴァートル・モデル〉を加えた4種となる)。設定上は他にもバリエーションがあり、宇宙戦仕様のファフナーも存在する。
基本的にミールの欠片をコアとしていないため、パイロットに同化現象などの深刻な負荷や、変性意識のような副次的な影響はほぼなく、アルヴィスのファフナーに比べ低いシナジェティック・コード形成率でも扱える。接続機器も少なく、一体化も緊密でないため痛覚の同調もない。
しかし、ファフナーでの戦闘はどれだけフェストゥムの読心を防いで戦えるかに懸かっているため、これらの違いは兵器としての基本性能差に直結している。そのためパイロットのもつ適性・資質、技術の熟練度によって、兵士の有用性と生存率により大きな開きが出ることになる。
グノーシス・モデル
TVシリーズ時点の人類軍で制式化されている、量産型ファフナーの基本モデル。全世界で約30000機が配備され、その物量で主力を担っている。グノーシスは「知識」を意味するギリシア語で、”知識によって魂を解放”する〈グノーシス主義〉に由来。
全高約20mと、登場機体中で最小サイズ。ニーベルング・システムのみで機体と連結し、擬似シナジェティック・コードが形成されるため、成人の一般兵など適性をもたない者でも一定の知識と訓練によって扱うことができる。他モデルに比べ運用性で圧倒しているぶん、機体基本性能は低い。
作中では中盤以降に度々登場し、北極の決戦にも大量投入されている。モルドヴァ基地襲撃の混乱の中、真壁一騎も一時的に搭乗した。
【主兵装】
ガトリングガン(右腕と一体)/レールガン(左腕と一体)
メガセリオン・モデル
エースパイロットなど、精鋭や指揮官クラスに与えられる重装甲の大型ファフナー。グノーシス・モデルの総配備数と比べて3%弱しか存在しない。名称の由来はヨハネ黙示録の「大いなる獣」。作中では主に日野道生の専用機が活躍する。
全高は40m強と、多くの機体よりひと回り大きい。重装甲なぶんシナジェティック・コード形成の際に心理的重圧がかかり、乗りこなすには強靭な精神が必要。男の子用。
- メガセリオン・モデル 【パイロット:日野道生】
- 人類軍での機体識別コードはJ-013。この機体に乗る精鋭の中でも数多の戦果を挙げている道生は、「マスターセリオン」の異名を持ち、特別な機体刻印コード〈666〉(トリプルシックス)を与えられている。本来の機体色はグレーだが、専用を示すため青紫の塗装が施されている。
【主兵装】
プラズマライフル/ガルム44(竜宮島防衛に合流以降) - ベイバロン(カノン機)と共にマークエルフを鹵獲した。その後の竜宮島占領戦にも参加したが、撤退時に道生が離反し脱走。その際に狩谷の助けもあって人類軍から奪取された。そのまま島を救援して以後、アルヴィスの戦力となる。[終盤のスカラベR型との戦闘で大破し使用不能となり、道生はマークアインに乗り換えることとなった。]
- 人類軍での機体識別コードはJ-013。この機体に乗る精鋭の中でも数多の戦果を挙げている道生は、「マスターセリオン」の異名を持ち、特別な機体刻印コード〈666〉(トリプルシックス)を与えられている。本来の機体色はグレーだが、専用を示すため青紫の塗装が施されている。
ベイバロン・モデル
軽量でスマートな高機動型ファフナー。名称はヨハネ黙示録の”赤い衣の魔女”「バビロンの女王」に由来。配備数が極めて少なく、メガセリオンよりも更に希少。作中ではカノン・メンフィス搭乗機が活躍。
発展後継モデル群
TVアニメシリーズ第二期『蒼穹のファフナー EXODUS』に登場する、人類軍の主力となる最新鋭機。
コア内蔵となったことでノートゥング・モデル等に匹敵する対フェストゥム機構を備える。一体化のシステムも近づき痛覚が再現されるが、変性意識は起こらない。各モデルは素体と追加パーツの組み合わせで構成され、汎用型・陸戦型・空戦型の三形態に大きく分けて配備・運用されている。
基本性能が向上した分、本来ならばパイロットへの要求適性水準が跳ね上がるところだが、かつて真壁一騎より採取された遺伝子から「MAKABE(マカベ)因子」なる"特効薬"が作成されたことで問題がクリアされている。そのためこの因子の移植が成功した人間であれば、ある程度の年齢までは成人でもファフナーで戦うことが可能になった。当然ながら、これによって人類軍のパイロット達にも同化現象が進行し、寿命を縮めている。
各モデルの機体に制式カラーがあるが、編成部隊ごとに統一された識別カラーを施される場合もある。(ペルセウス中隊機=青/アルゴス小隊機=黒 など)
- トローンズ・モデル
「座天使」の名を付けられた、メガセリオン・モデルの発展後継機。主に大隊指揮官用で、フィードバックされる各機の情報を把握する。メガセリオン同様の心理的重圧もあってパイロットへの負荷が激しい。頭部横センサーが長い二本角。
基本兵装はガルム44タイプのアサルトライフル系武器。上下にミサイルランチャー等の各種アタッチメント追加が可能。 - ドミニオンズ・モデル
「主天使」の名を冠した、ザルヴァートル・モデルの量産化モデル…だが内蔵コアの出力が不足しているためマークザイン・ニヒトのような性能は持たずトローンズ・モデルにも劣る。その分、長時間の戦闘に耐えうる高い継戦能力を発揮する。従って、パイロットへの負荷と必要な適性はやはり厳しく、主に中隊指揮官機として使用される。頭部横センサーが短い二本角。
基本兵装はベヨネット(小型ガンドレイク系の銃剣)と、射出できる鏃を鋸状の刃とした武器。トローンズ・モデルと共通のライフルも使用する。
- パワーズ・モデル
「能天使」と名付けられた、グノーシス・モデルの発展後継となる量産機。因子移植と同化促進剤投与による大量動員を前提にしている。本来適性の足りない者でも乗せることができる代わり、機体の持つ対同化能力を十分に発揮できないケースが多く、パイロットが結晶化してしまう確率も高い。他の機体より一回り大きい。頭部センサーは一本角。
基本兵装はガトリング砲と大型ミサイルポッド、赤熱式ブレード等。
※※注意※※ 以下、存在自体が『蒼穹のファフナーEXODUS』第二期以降についてネタバレしています。 ここから下の記述の閲覧については十分注意してください。 |
ザルヴァートル・モデル
- 〈ファフナー・マークレゾン〉(Mk-Raison)【パイロット:遠見真矢(テスト時)/ジョナサン・ミツヒロ・バートランド】
- 【EXO】
EXODUS中盤にて鹵獲したマークフュンフをベースに新国連が開発した新たなザルヴァートル・モデル。「レゾン(Raison)」はフランス語で"理由"を意味する。他二機と比べてマッシヴなデザインとなっており、背部のイージス装備や両肩のホーミングレーザーなど多武装となっている。 - ミツヒロ・バートランドの研究成果を受け継いだヘスター・ギャロップが主導となり開発された。当初は遠見真矢をテストパイロットに据え、起動実験に成功した程度だったが、人類軍に潜伏していたフェストゥムの蜂起により、同時期にアトランティスのコア=ベイグラントが奪取。空白となっていた人格に「憎しみ」を与えることでベイグラントが傀儡としていたジョナサン・ミツヒロ・バートランドを搭乗させ、フェストゥムの戦力となる。しかし当時は辛うじてジョナサンの人格が残っていたためか、アザゼルF型種クローラーを退却させた後真矢達を逃がしている。他のザルヴァートル・モデルとは異なり、フェストゥムによる再構成はされていない。
- その後、ミツヒロが完全にベイグラントの傀儡となり、ベイグラントがアザゼル型フェストゥムと人類軍の一派を支配下に置いたことで、人類軍に籍を置きながらベイグラント最大の戦力として運用され、マークザインならびにマークニヒトと激突する。
- 【BEYOND】
第4次蒼穹作戦後は宇宙に放逐されたアトランティスのゴルディアス結晶の中にジョナサン(本体)と共に長らく眠りについていたが、第6次蒼穹作戦にてマレスペロによって目覚める。機体は尻尾を模したマニピュレーターが追加されている。
大気圏への再突入を行った際には、その位置エネルギーをそのまま母艦オリンポスに接近していた来主操のボレアリオス艦に叩き付け、ミール諸共文字通り粉砕。
参戦するな否や、操のクロノスを捕らえる傍らにアレスとアバドンをあしらいつつ最終的にクロノスをフェンリルの自爆に追い込んだことで、エウロス型フェストゥムを消滅・戦局をベノン有利に導く。その後は、立上芹のマークツヴォルフと甲洋のアバドンと交戦するも美羽がルタイル・ミールとの対話が成就しその力がマークザインに宿った事をマレスペロに知らされ、破壊して奪うよう命令され襲い掛かる。
- 【EXO】
- 〈ファフナー・マークアレス〉(Mk-Alles)【パイロット:真壁一騎】
- 【BEYOND】
アキレスがザルヴァートゥル化した姿。アレス(Alles)はドイツ語で「全て」、転じて「全能」を意味する。計画自体は海神島のアルヴィスで上がっており、理論上可能とされていたが、ザルヴァートゥル化には肉体に相当な負担が掛かるリスクがあった。実際、一騎はザルヴァートゥル化後に存在と無の地平線に落ちかけていた。
べノン軍の艦隊・ファフナー・フェストゥムをまとめて同化することで顕現。ルガーランスに似たブレードを一振りするだけで敵のフェストゥムの大群は消滅。第二次L計画でもLボート救援に駆け付けた(移動した)だけで周囲のフェストゥムが消滅するように描かるなど、まさしく全能としての一面を見せていた。
- 【BEYOND】
関連静画
関連項目
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