J.D.サリンジャー(J.D.Salinger,1919-2010)とは、アメリカ合衆国出身の小説家である。ユダヤ系。
概要
ほとんど人前に姿を現さない謎の作家とされ、晩年40年以上作品を発表していなかった。
しかし、同時代、後世の読者、後続の作家に与えた影響は大きく、『ライ麦畑でつかまえて』は青春小説の代表作として現代でも多くの読者を獲得している。
主な作品
『ライ麦畑でつかまえて』
1951年に発表。原題は『The Catcher in the Rye』。現在では野崎孝訳と村上春樹訳(春樹訳のタイトルは『キャッチャー・イン・ザ・ライ』)が入手容易(どちらも白水社)。後者にくらべて、前者の方が荒っぽい言い回しで訳されている。
主人公であるおちこぼれの少年・ホールデン・コールフィールドが寮を出て、ニューヨークに行くところから物語は始まっている。タイトルはホールデン少年が語る夢である。どうでもいいけど、妹のフィービーがかわいい、兄貴思いだし。でも、そんな妹は現実には(ry
『ナイン・ストーリーズ』
9本の短編を収録した自薦短編集。本作についても野崎孝訳(新潮社)など、複数の翻訳が存在する。近年では、柴田元幸が改めて翻訳している。以下のタイトルは野崎訳(新潮社)にもとづく。
- 『バナナフィッシュにうってつけの日』
- 『コネティカットのひょこひょこおじさん』
- 『対エスキモー戦争の前夜 』
- 『笑い男』
- 『小舟のほとりで』
- 『エズミに捧ぐ――愛と汚辱のうちに』
- 『愛らしき口もと目は緑』
- 『ド・ドーミエ=スミスの青の時代』
- 『テディ』
グラース・サーガ
グラース家7兄弟が出てくる作品群の通称である。日本では前述の『ナインストーリーズ』も含め、複数の本、媒体にまたがっている。
グラース7兄弟
- シーモア…長男。『バナナフィッシュにうってつけの日』で主に登場。
- バディ…次男。この物語の書き手らしい。
- ブーブー…長女。『小舟のほとりで』で登場。
- ウォルト…三男。日本占領時に不慮の事故で死亡。
- ウェーカー…四男。ウォルトの兄弟。
- ゾーイー…五男。『ゾーイー』に登場。
- フラニー…次女。『フラニー』の登場。
日本への影響
日本でも多くの人に読まれており、庄司薫、村上春樹、舞城王太郎、佐藤友哉などサリンジャーから影響を受けたとされる作家も多い。
また、TVA『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』では天才ハッカー・「笑い男」(サリンジャーの短編に由来)が『ライ麦畑でつかまえて』の一節を引用したり、野崎版『ライ麦畑で捕まえて』が本編中で登場するなど、大きな影響を与えている。
関連項目
- 6
- 0pt