オート三輪とは、車輪が3つからなる自動車(三輪自動車)の通称である。この項では便宜上、トラック等の貨物車両を指す場合はオート三輪、乗用は三輪自動車と表記する。
三輪自動車のうち、トラックなど貨物用途に使われるものを特にオート三輪という。そもそも日本における三輪自動車はほぼ99%トラックであり、乗用として誕生したのはダイハツBeeやフジキャビンぐらいである。その事から、日本における三輪自動車≒三輪のトラックと置き換えても問題はないと思われる。車輪配置はほぼ前1輪後2輪である。
軽トラックの台頭で1970年代には日本でのオート三輪の生産は途絶えているが、世界中では今でも生産を行っている国もある。
この項目においてはその当時の法規におけるメリットも記述する(太字)
日本におけるオート三輪は戦前より存在していた。それこそ初期はバイクの後部を2輪にした、今で言うところのトライクみたいな風であった。その後、徐々に「自動車化」の様相を見せ始めてきたが、一旦戦争のために系譜が途絶えてしまう。その戦後に再び復権し、1960年代にかけて日本各地で見られた。日本では諸外国に見られるような乗用の三輪自動車が存在せず、また諸外国では見られないレベルの大型化を遂げた特徴がある。
日本特有の狭い道路事情の中で圧倒的な小回り性能と4輪並みの積載性能で爆発的な広がりを見せた。特に中小の零細メーカーがまだまだ多く存在してたこの当時はこぞって、どこのメーカーでも生産をしていた。それこそ、日本の路地裏や田舎における点描としてどこにでも見かける一風景ともなった。一番有名なのはダイハツ・ミゼットであろう。その他、マツダは「けさぶろう」ことK360やT1500・2000を生産した。
しかし、オート三輪の時代は長くは続かなかった。安定性に対する問題が出てきたのである。一昔前における日本の風景の中に田んぼ道で転げるオート三輪という言葉を耳にした事をあるだろう。それぐらいに転倒が付き物だった。それが顕著になりだしたのが1960年代で道路事情がよくなり、速度を出せるようになると安定性のデメリットがいよいよ顕在化し、また安全で快適で、(オート三輪には劣るがそれでも)コスト面や小回り性能も好条件な4輪のトラックが多くなり、あえて三輪とする意義を見出せなくなった。
それでも山間部など、道路状況が狭隘な場所では非常に重宝がられ、オート三輪の究極の進化と言うべき4トントラック「トクサン号」が誕生した。しかし、道路事情がよくなればよくなるほど、オート三輪の立つ瀬がなくなり、1974年にマツダが生産を中止し、日本におけるオート三輪の命脈に終止符が打たれた。
かくして4輪軽トラックが日本の田舎や路地裏の風景の点描として取って代わられたが、近年のノスタルジーブームにより、「古きよき時代」のアイコンとしてたびたびオート三輪が出てくる事が多い。無論それとは関係なく、21世紀にいたってもまだまだ現役で走る個体もある。
一時期は中小のメーカーが、こぞって生産していたがそれらはほとんど資料の世界でしか見る事ができない。また、メジャーなメーカーの中でも偏りが見られた。
まだまだ多く存在するが、割愛する。
海外では地域に偏りがあるが、オート三輪を見る事が出来る
東南アジアではオート三輪をベースに旅客用車両に転用される例が多いのも特徴である。ルーツをたどると大きく分けて2つの系統に分けられる。タイやラオスのトゥクトゥクに代表されるミゼットベース、インドのオートリクシャーに代表されるピアジオ・アペベースのものである。これらは力車(リクシャー)や輪タク(サムロー)の系譜からの延長であり、現地における名称にもそれが表れている。
中国ではあらゆる地方都市で現地製のオート三輪を見かける事ができる。大きなものはマツダT2000ぐらいのサイズが存在する。また、クローズドデッキにしたタクシーも見られ、百花繚乱の様相である。中にはアメリカに輸出しているものも存在し、オート三輪をもっとも見かける事の出来る国の一つである。
特徴的なのは一部の車両にエンジンに耕運機のエンジンをつけている事であり、「バタバタ」と自動車らしからぬエンジン音を発する。大小のオート三輪が現地で走っており、中には日本に輸入をされるものも存在する。
イタリアではピアジオ社がAPEを生産している。エンジンは50cc2ストガソリン、220cc2ストガソリンと420ccのディーゼルエンジン、電気駆動がラインナップがある。50ccの小型トラックの他にも一回り大きなサイズのもの、パネルバン、4人乗り、さらに復刻版の様な初期モデルフィーチャーのものもあり、非常に豊富なラインナップとなっている。今もってオート三輪が残っているのは隘路の多いイタリアの都市の構造もさることながら、免許制度もAPEぐらいの場合は非常に簡便であるから。
イギリスの場合は三輪自動車が比較的多く存在していた。バイクの免許で乗れる制度や車検等々の理由で安価に乗れる車として、主に免許取得に時間を割けない労働者層に人気を博した。特に有名なのは「リライアント・ロビン」であろう。Mr.ビーンのいじられ役として登場するこの車は転げる事に定評があるが、他方で労働者階級にとっては安価で労をかけずに取れるバイクの免許で乗れる事で人気を博した。現在もスポット生産を行っており、人気が高い。なお、こけやすさは演出であり、本来はそこまで転げる車ではない。
トライクは厳密にはオート三輪の範疇ではないが、構造などにおいて共通する部分が多いのでここで紹介する。
オート三輪との違いはオート三輪が自動車の構造に近いのに対し、トライクは最初期のオート三輪のようにベースがあくまでバイクである事にあるがそれに当てはまらない、自動車のエンジンや一部コンポーネンツを使用している場合もあるので一概には断言できない。そもそも、トライクという言葉自体が本来的には三輪全般の意味を内包しているので少々ややこしい。
狭義のトライクの場合はバイクの延長線上に当たり、その用途も乗用のものが多い。立ちごけの心配がない事やオート三輪と同じく積載出来るものが4輪並みである事がメリットにある。
日本におけるトライクの扱いは道路運送車両法では三輪自動車としてではなく、側車付二輪自動車、つまりサイドカーの扱いを受ける。一方、道路交通法では自動車の扱いを受ける。その為、税金などは二輪車のものが適用され、乗車に当たってはヘルメットの着用義務がない代わりに運転に当たっては排気量相当の二輪免許ではなく、普通免許が必要となる。
なお、近年は日本においてトゥクトゥクや中華製オート三輪が輸入されるようになったが、従前の三輪自動車登録では安全基準などの面で厳しく、非常に煩雑な手続きを踏まねばならない為、トライク扱いにする例が見られる。
オート三輪の消防車 こうなったら、近くの人を呼ぶのが昔のお約束。
ミゼットが生まれ変わって、こうなった。
掲示板
10 ななしのよっしん
2018/08/13(月) 02:26:49 ID: wvHYgyaDFS
>>6
自転車でやってみると分かるが、前1輪だとハンドル90度近くまで切れば全長以下で旋回できるし、椅子でやると分かるが3点で支えれば横転しない限り、どれか1輪が浮くこともないからな。
ちなみにオート三輪というとこち亀70巻で、これでレースやる回があるんだが、両さんダイハツやマツダの2000㏄車を見て「あいつは日本最大の排気量を持つ~」って言ってた。
・・・さすがに両さんも3000~4000㏄級があるトクサン号は知らなかったようだな・・・
11 ななしのよっしん
2019/12/24(火) 08:39:29 ID: 582Q5dFSkO
三輪車ってなんかあの子供が乗る自転車って感じするんですけど
オートバイの三輪車、それオートバイって言わないでしょうけど
三輪の車ってメーカーも出さないですよね基本的に
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最終更新:2024/12/05(木) 22:00
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