カオス・ソルジャー -開闢の使者-とは、遊戯王OCGのモンスターのひとつである。
2003年4月24日発売の「混沌を制す者」で登場した。レアリティはウルトラ、パラレル、アルティメットレアの3つ。さらにGOLD SERIES2012でノーマルとゴールドレアが追加された。テキストは以下の通りである。
効果モンスター(無制限カード)
※遊戯王カードWiki
星8/光属性/戦士族/攻3000/守2500
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地から光属性と闇属性のモンスターを1体ずつ除外した場合に特殊召喚できる。
このカードの(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを除外する。
この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない。
(2):このカードの攻撃で相手モンスターを破壊した時に発動できる。
このカードはもう1度だけ続けて攻撃できる。より引用
闇遊戯の使用モンスター、「カオス・ソルジャー」のリメイクカード。対となる「混沌帝龍 -終焉の使者-」や、「カオス・ソーサラー」と共に通称「カオス」と呼ばれるモンスターの1体。
墓地の光属性と闇属性を1体ずつ除外するという特殊な召喚条件を持つ。だが、この召喚条件はむしろ生け贄召喚(アドバンス召喚)よりも好都合で、フィールドに2体の生け贄を揃えるよりはるかに楽に特殊召喚できる。攻撃力3000のモンスターが手軽に出せる上、そのターンさらに通常召喚可能と、これだけでも十分使い勝手のいいモンスターである。
さらに存在する2つの効果も非常に強力なものである。
一つ目はコストなしでフィールドのカードを1枚除外すると言うもの。遊戯王においては「死者蘇生」をはじめ、たとえカードが墓地に行っても再利用出来るカードがたくさんあるため、たとえ破壊したとしても再利用される危険性が高いのである。しかし、このカードはカードを除外してしまうため、「死者蘇生」、「聖なる魔術師」をはじめとした数々の墓地回収、再利用カードで戻すことが出来なくなるのだ。さらに「クリッター」、「黒き森のウィッチ」などの墓地に行くことで発動する効果も封殺できる。
そのターンのこのカードの攻撃が封じられてしまうデメリットがあるものの、厄介なカードをほぼ再利用不可能にしてしまう効果はデメリットを補って余りあるだろう。
二つ目は戦闘でモンスターを破壊したとき、もう一度だけ攻撃できるというもの。1つ目も強力であるが、このカードが真価を発揮するのはこの2回攻撃の能力である。攻撃力3000のモンスターで2回も攻撃されればダメージ量も馬鹿にならない。他のモンスターと一緒に並べて総攻撃を仕掛ければ一気に相手ライフを削りきることも出来る。
汎用性が高いカードを中心にして構築するタイプのデッキは、単体でも機能する良効果のカードが多い分、いわゆる切り札のような高攻撃力のモンスターが欠けているという弱点もあった。しかし、このカードは光&闇属性中心のデッキなら無理なく入る上に高い攻撃力とこの効果であったため、それまでの悩みであった打点の低さを克服し非常に強力なデッキになったのだ。
その非の打ち所の無い強力な効果によって、他の「カオス」と共に当時の遊戯王OCGをカオスの渦に巻き込み、初登場パックの名の通りまさに混沌とした遊戯王OCGを制したのである。 当時のOCG環境はこのカオス中心のデッキと、「霊滅術師 カイクウ」などを用いたアンチカオスのデッキが争いを繰り広げると言うカオスありきのもはや「カオスゲー」と言ってもいいくらいの状態になった。
そんな混沌王カオスモンスターズな状態を抑制するために、「カオス」に規制のメスが入る。「混沌帝龍 -終焉の使者-」に遅れること約3ヵ月後、2003年10月15日にはこのカードも制限カード入りした。しかし、それでも依然としてカオスの時代は終わらない。墓地からの回収も比較的容易である上に、「カオス」以外の個々のカードも強力であって、1枚体制でも十分にやっていけたのである。
その次の制限改訂である2004年3月1日にはついに使用不可能な「禁止カード」が導入されたが「カオス」は揃ってスルー。半年後の9月1日の改訂でようやく対となる「混沌帝龍 ‐終焉の使者‐」や、カオスデッキのキーカードのいくつかが禁止カード入りした。だがそれでもこのカード含め2体のカオスは環境に残り続ける。
それから1年後、2005年9月1日の制限改訂でとうとうこのカードも禁止指定を受けることに。さらには「突然変異」、「サウザンド・アイズ・サクリファイス」などのカオスデッキで用いられた強力カードが軒並み禁止、制限カードとなり、ひとまずカオスは沈静化したが、それでも「カオス・ソーサラー」は無制限状態で残り、2体が抜けた後の「カオス」デッキの中核となる。
先の2体の「カオス」に比べると非力な「カオス・ソーサラー」であったが、「貪欲な壺」の登場によって、デッキタイプを変えつつ「カオス」はまた強力なデッキとなる。そんなカオスに止めを刺したのが2006年9月1日の改訂。「カオス・ソーサラー」が無制限からいきなり禁止になるという異例の事態によって、遊戯王OCGを混沌の世界としたカオスデッキは完全に消滅した。
「カオス・ソーサラー」は2009年3月1日に制限として復帰、準制限と制限を行ったり来たりした後、2011年3月1日に無制限カードとなり完全復帰を果たした。一方でこのカードは、2回攻撃の強力さや「オネスト」などとのコンボ、ライトロードにおけるコスト調達の容易さなどが危険視されたのか、長らく禁止指定を受けたまま移動することは無かった。
そのため、もはや復活することはないだろうと思われていたのだが・・・。
だが、予想を覆し、2011年9月の制限改訂により、長きの時間を経て開闢の使者は制限カードとして環境に復帰した。これは禁止カード指定から復帰までの期間として当時最長だった「ブラック・ホール」の4年半を大幅に超える6年ぶりの復帰であった(2017年6月現在の最長は「王宮の勅命」の12年10か月。エラッタによる復帰を除けば「ハーピィの羽根帚」の10年10か月)。妨害手段の増加や環境の変化のほか、起動効果に関するルール変更で特殊召喚成功時に効果を使えなくなった(特殊召喚成功時に除去すれば効果を使われないで済む)ことなどが理由か。
制限復帰後は、闇属性要素を入れた【ライトロード】デッキはもちろん、光属性と闇属性が中心の【TG代行天使】のようなデッキで使用された。闇属性中心のデッキに汎用性の高いライトロードや「エフェクト・ヴェーラー」といった光属性を投入したうえで採用されることもあった。
しかし、カテゴリ単位などのテーマデッキが主流となったこともあり、かつてのようにカオスを活かすために光属性・闇属性を集めるというよりは、光属性・闇属性を使えるデッキにアクセントとして投入する使い方が多くなった。カオスを意識したデッキとしては、カオスと同じ召喚条件を持つ「ライトパルサー・ドラゴン」と「ダークフレア・ドラゴン」を使用した【カオスドラゴン】が存在するものの、それ以外で【カオス】を名乗るデッキはあまり見かけなくなっている。
各カテゴリにはこのカード並みかそれ以上に強力なモンスターが存在する場合もあり、カテゴリのサポートを共有できないことなどから、無理に光属性と闇属性を揃えてこのカードを採用する必要がなくなっている。第9期になると、闇属性中心で「エルシャドール・ネフィリム」の融合素材として光属性も要求される【シャドール】デッキで多く採用されていたが、ネフィリムの禁止指定によってそれもなくなり、あまり見かけないカードになっていた。
そのためか、2016年10月1日に準制限カードに緩和され、2017年7月1日にはとうとう制限解除となった。このカードを3枚投入できるのは初めて制限指定を受けた2003年10月15日の改訂以来、約14年ぶりとなる。
かつてのような環境を席巻するカードではなくなったものの、容易な召喚条件と強力な効果は健在であり、相性の良いデッキであれば十分採用に値する。また、「カオス・ソルジャー」と名のついたモンスターのサポートカードが登場するなど、これまでと違った方向での活躍も期待される。
制限復帰の情報が流れた後、このカードが出回っているカードショップなどから軒並み消える事態が続出。また、オークションなどでは制限復帰発表前に比べ、レートが数倍、下手をすれば10倍近くの値段に跳ね上がる程の見せている状況にあった。その後、GOLD SERIES 2012に収録されるも、多くの人が予想した通りノーマルレアでの収録なので、入手するには苦労する。
現在は(高レアリティだが)再録回数が増えたことや、需要が低下していることから、以前よりは入手しやすい。
アニメGXでは武藤遊戯のデッキ(レプリカ)を使用した神楽坂と十代のデュエルで神楽坂が使用した。 墓地の「クリボー」(闇)と「ワタポン」(光)を除外して特殊召喚し、その連続攻撃能力を生かして十代を追い詰める。
このときの三沢の解説によれば、このカードはGXの世界では制限カードらしい。登場回の放送当時のOCGの禁止・制限リストでもそのとおりになっている。
遊戯自身がこのカードを使用したことは無いが、神楽坂が使用したということはつまり遊戯のデッキにもこのカードが入っていたと言うことになる。海馬は対となる「混沌帝龍 -終焉の使者-」を使用しているので入っていても不思議ではないと言えばそうなのだが。
攻撃名は「開闢双破斬」、2回目の攻撃は「時空突刃・開闢双破斬」。
アニメZEXALのオープニングテーマ、「マスターピース」の歌詞の中に「縦横無尽 踊れ 天地開闢」なる歌詞があり、ニコニコ動画のコメントなどで時々ネタにされる。 しかし、本当にこのカードが縦横無尽に踊られると、また遊戯王OCGがカオスになりかねないので、出来れば避けたいところであった。
本編中に「カオスエンド・ルーラー -開闢と終焉の支配者-」なる、このカードと「混沌帝龍 -終焉の使者-」をごちゃまぜにしたようなカードが登場したことで、開闢の使者制限復帰フラグと思っていた人は見事に絶望を味わったはずだったのだが、上記の通り制限復帰が決まったことで今度はカオスに脅えるデュエリストたちが絶望を味わうこととなった。今となっては絶望どころか制限解除だが……。
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最終更新:2023/03/23(木) 16:00
最終更新:2023/03/23(木) 16:00
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