グリス・ボックとは、電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラムに登場する第2世代の後方支援用バーチャロイドである。制式名称はSAV-326-D GRYS-VOK。
タグとしては「グリスボック」の方が多く使われる。
失敗作だった前世代のベルグドルの反省点を踏まえ、低コストで汎用性に富み高火力であることをコンセプトに開発されたボックシリーズのうち、実弾兵器のみを搭載したものがグリス・ボックである。マシンガンからICBMまでをそろえる豊富な火カと信頼性の高い機体構造は高く評価され、ボックシリーズの中では最も多く生産されるタイプとなった。
RNAによる第二世代VRに対抗すべくDNAの主宰、第8プラント、フレッシュ・リフォー(FR-08)がその傘下のプラントである3社、デッドリー・ダッドリー(DD-05)、リファレンス・ポイント(RP-07)、そしてムーニー・バレー(MV-03)に第二世代型VRの設計依頼を出した。VOK系列を生み出したのはこのMV-03であった。
MV-03はかつてドルカスを製造し、その実績および生産力の高さからド本命と目されていた。
だが、MV-03の企業国家規模がVR事業へ参入する前からFR-08と拮抗する程だったため、FR-08による下克上対策という名の嫌がらせ…即ち体力削ぎという目的の発注テロが始まる。
手始めに、RNAの侵攻が想定以上に早く、戦線を支える補給品が10/80やベルクドルの改修機ベルメイトなどの第一世代バーチャロイドを作らされていた。
第二世代型研究もFR-08の口出しが結構あり、
…という話があり、重量級にも中量級にも作り替えられるバーチャロイドの設計にシフトしていった。仕様変更の4文字は設計・開発部門ではデスマーチの合図なのは言うまでもない。
その結果、「Dk/dc(ディク・ディク)」という小柄なバーチャロイドをベースに、頭頂部・両肩部に武装を搭載することで1機とする『二人羽織』設計となり、その追加する武装ポッドでMBVにもSAVにもなるVOK系列が完成。
その様な仕様を可能としたのが「ユニット・スケルトン」技術である。フレームをVR側と武装側に
分割出来る構造としたことで現地整備・仕様変更が比較的簡単となった。しかし本当の効果は「生産性」だった。
なにしろD.N.A.のベルメイト全てを置き換える程の発注数が(ほとんど嫌がらせレベルで)来ていたため
従来のVR生産ラインでフレームに直接武装を艤装する方法では納期までに間に合わない事が判明。
それでも間に合わせるためMV-03配下のVRとは無関係のプラントまで総動員して組み立てる事となり、
それら別事業プラントの生産ラインで武装ユニットの製造が容易に出来る構造設計が必要となったのである。
しかも武装ユニットの部品まで配下の企業から調達、物流も配下の運送企業に統一という徹底ぶりである。
VRラインではひたすらディグ・ディグだけを作り最後に武装ユニットを搭載という手順で量産されていった。
ほんの僅かでも遅れが出たら間に合わない、MV-03に対する悪意の塊のような発注だったがぎりぎりで間に合った。
こんな無茶な事ができたのはまさにFR-08が恐れた企業体力によるものであった。
そのなかで当初の要求であるSAVとしての要求を満たす「グリス」ユニットを搭載したのがグリス・ボックとなった。
武装ユニットは使用目的によって換装でき、光学兵器ユニット「シュタイン」を装備したタイプは、SBV-328-B シュタイン・ボックとして区別される。また、公式外伝小説ではMBVとしての汎用型「ゲムズ・ボック」が掲載されている。
しかしながら、先述した数合わせのために無理やり作らされた第一世代は不良在庫として残り、再三の仕様変更もあいまってでMV-03はFR-08に不信感を抱く。残当。
裏切りのDD-05の資材・人員を吸収して以後はMV-03は「アダックス」と改名し、第三世代バーチャロイドの時代にはFR-08による影響力が緩いことをいいことに勝手気ままに商売するようになっている。
今でこそ強さが目立つVRだが、初期版のM.S.B.S.Ver.5.2では、「当たらない、弾かれる、コケない」と揃った不遇のVRで、そのかわいい外見に魅かれたプレーヤーを失望のどん底に突き落としたという。
しかしM.S.B.S.Ver.5.4でSAV-326-D/9にマイナーチェンジされると、ミサイルの弾速や誘導性の向上などの強化点のほか、相手のVアーマーを以前より楽に減らせるようになったために、設定上の傑作機という評価に見合う強さが再現された。
分かりやすく性能を説明するとベルクドルとドルカスを足して割らない性能。
回転率と誘導性に優れたCWと弾速・転倒性に優れたRWによる弾幕に加え、ドルカス譲りの爆風バリアが可能となったLWによって文字通り遠近両用のド火力機体。横に速い挙動特性もあいまって正面戦闘では避けにくい・当てにくい状況を相手に押し付ける。
ただし、重量級特有の空中機動の鈍さもあり、その回転率の高さゆえに攻撃中の硬直を差し込まれやすい。各種テクニックで硬直を軽減し、どうしても消せない隙を障害物で上手くカバーするなど、操縦者の判断力がモノを言うある意味でバランス型らしい性能と言える。
レフトウェポン(LW) | センターウェポン(CW) | ライトウェポン(RW) |
オーバーヘッドランチャー | ショルダーランチャー | ミサイルランチャー |
1.*第一世代VR時代に、SHBVDと交戦したドルカス中隊が多大な被害を出していたため、上層部からは欠陥機という評価がドルカスについていた。
なお、SHBVDはドルカスを高く評価していたことが『one-man rescue』にて語られている。
掲示板
15 ななしのよっしん
2018/11/15(木) 21:20:39 ID: lPAQBOFBhe
>>14
多すぎるというか、DNAの運用が火力一辺倒のゴリ押ししかしないせいで「観ててつまんない(限定戦争はあくまでショービジネスなので)」って言うクレームが方々から殺到したので、国際戦争公司(いわゆる運営)から「なんとか面白くせんかい」と注意された…という流れ。
これに焦ったのがFR-08で、無理をおして707型テムジンの開発をRP-07とホワイトフリートに急がせた
16 ななしのよっしん
2019/07/31(水) 15:19:18 ID: BGrWMMVAsi
当時からよく勘違いされてたけど、
機体セレクト時に表示されている火器名はそれぞれの引出線を観察すると、
ショルダーランチャーは肩部、オーバーヘッドランチャーは頭頂部、
ミサイルランチャーは腕部の武装を指し示しているのであって、
LW、CW、RWの名称ではないよね。
17 ななしのよっしん
2020/07/02(木) 19:28:51 ID: 8QB2szvv24
創作界隈のロボットもので、華が無いというクレームは初めて見た。
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最終更新:2024/05/13(月) 23:00
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