ブルムベア 単語

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ブルムベア

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ブルムベアとは。

  1. ドイツ語“Brummbär”の日本語読み。「ブルムベーア」が発音的には近い。よく"灰色(ハイログマ)"と訳されるがこれは誤訳。そもそも“Brummbär”という単自体がBrummbart(=気難し屋)から作られた造語(独和大辞典より)なのでそんな名前クマいるはずがない。英語版ウィキペディアexitにもBrummbär does not mean "Grizzly Bear"としっかり注釈されている。
  2. ゲームロックマンDASH 鋼の冒険心』に出てくるボスキャラ
  3. 第二次世界大戦においてドイツ軍が運用した軍用車両の名称(連合側が勝手に付けたものとする説あり)。本稿ではこれについて述べる。

熊さん、生まれる。

1942年9月ちょびおっさんは思った。

アドルフ・ヒトラー「あー、強固な装甲に守られた、歩兵についていく強自走砲がほしいなー」

 何のことかと言うと、6月から始まったスターリングラード攻防戦でドイツ軍歩兵地に侵入してはフルボッコにされるという事態が続いていたからである。
  いやあったのよ、歩兵撃で支援する「歩兵」という兵器が。I号戦車II号戦車改造や38(t)歩兵グリレH」とか。しかしこれらはすべてオープントップ…つまり天井がなくて野ざらし車両だった。そのため榴弾の破片や狙撃で乗した兵が簡単に殺されるザマ。
 一方、III号戦車から改造された33B突撃歩兵は装甲で守られた戦闘室を持ち、スターリングラード戦でも良好な結果を残していた。但し戦闘室が狭いなど良すべき点が摘されていた。

 10月自走砲改造や製造に定評のあるアルケット社より提案が出る。

アルケット社「まさかの時にスペイン宗教裁判私に腹案がある」 

 アルケット社の提案はIV号戦車のシャーシに広い戦闘室を載せ、15センチ榴弾を積むというものであった。

ヒトラー「よろしい。来年5月までに60両作ってね。ツィタデレ作戦に使うから」

 こうしてIV号突撃戦車は誕生した。称はブルムベア。

熊さんの秘密

足回り

 IV号戦車と一緒でリーフサスペンション独立懸架、いわゆるバネ。1940年代の時点ですら既に使い古された技術だったりするのだが、どこぞのさんみたいな凝ったことしてないから単純かつ堅。整備もらくちんな信頼の足回り。ちなみに21世紀の現在でもリーフスプリングダンカートラックの足回りとしてはデフォだよ。
 エンジンは信頼のマイバッハ社製。というかこれもIV号戦車と一緒。

武装

 15cm突撃榴弾StuH43』、後に軽量化・長身化された『StuH43/1 L/12』を1門と機関銃1基搭載。
 StuH43は12口径というから身の長さは大体180cm実写写真からえらく短い印があるけど、実際は意外に長い。StuH43の元になったsIG33はドイツ軍の標準的な野で、いろいろな車両に積まれている。

 StuH43は40kgもの重さの榴弾を発射できた。おかげで装填手は2名も必要となった。破壊は半径40mのクレーターを作る程度の能力だったとか。石やレンガでできた当時の建物ではたまったものではなかっただろう。
 また成形炸HEAT)弾も発射可で、2000mの射程で148mmの装甲をぶち抜くことが可とのこと。スターリン戦車すら破壊したことがあるらしい。ひぃ。

車体

 初期は6形、後期は4形の、横から見たら後ろは垂直、前は斜め向いた台形をしている。装甲は前面100mm。最初は80mmだったのをヒトラー100mmにさせたという逸話が残っている。なお後期は80mmになってしまった。
 ブルムベアはそもそも33B突撃歩兵の欠点である狭い戦闘室を善するために作られた車両であり、大Ⅳ号戦車ベースとした。乗員は5名、長・操縦手・射手・装填手2名が快適(?)に戦闘できる広さを備えた。
 ブルムベアは初期と後期でフォルムがかなり変わっており(6形か4形か、前面装甲の傾き具合)、判別は容易。

ツィンメリットコーティング

 体は『マグネットツィンメリットコーティング』というもので覆われた車両が存在する。なんかセメントみたいなものを塗った繰られたように見える車両がそれ。これはドイツ開発した「磁気吸着地雷」……戦車が上を通ると磁石で引っ付いて爆発するタイプ地雷のせいで、「これは他開発するに違いない」と勝手に思い込み施されたもの。
 ちなみにこのギザギザの正体は硫化バリウム(磁器の顔料に使われる)とおがくずでできてるんだとか。 なお、対する連合バズーカモロトフカクテル(いわゆる火炎瓶)で対抗。ぶっちゃけ、磁気吸着地雷なんて凝ったものは採用しなかった。このためドイツ終戦間際にはこのコーティングをやめてしまう。当たり前だ!

熊さんは戦う

 こうして作られたブルムベアはちょびおっさんの思惑通りクルスク攻略戦(ツィタデレ作戦)に間に合い、あのフェルディナントが配備された梁山泊656重戦車駆逐連隊に配備され、歩兵を守る頼もしい友人となった。
 ブルムベアは総数306両作られ上の656連隊に配備された第216突撃戦車大隊など4つの大隊に配備。火消役として歩兵の撤退を支援するべく終戦の日まで戦い続けた。

 現在アメリカアバディーン戦車博物館(前期)やドイツのムンスター博物館(後期)でその雄姿を見ることができる。アバディーンの子はやっぱり野ざらし放置プレイだけどなっ!

そして未来へ、魂は受け継がれるから……

 ブルムベアの「歩兵に随伴して火力支援を行う自走砲」というコンセプトは現用においても「自走迫撃砲」というカテゴリで存在している。今日も自走迫撃砲歩兵の頼もしい隣人として世界の軍隊で活躍している。だけど、

どいつもこいつも変態兵器そろいだなっ!

関連動画

無駄にいい声主人公を食いまくっているIII号戦車シリーズが見物。そんなとこまでブルーノアと被らせなくて良いのに…。

5:44より数だけ出演。

ブルムベアに乗って戦います。

関連静画

関連商品

タミヤのブルムベアはかなり古いキットのはずだけど今でも販売中。トラペッターのは1/72と小振り。
他にもたくさん関連商品があるよ。→関連商品一覧 exit_nicoichiba

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