南井克巳とは (ミナイカツミとは) [単語記事]

南井克巳とは、JRAの騎手→調教師である。

概要

1971年に騎手デビュー。73年に重賞初勝利をし、また同年からGIに騎乗。
関西の若き腕利きとして活躍していたが、そこからは勝鞍に恵まれず、また酷いスランプに陥ってしまう。
それを見かねた宇田明彦調教師により、同厩舎に誘われ78年から宇田明彦厩舎に所属。
宇田明彦調教師や周りのサポートもあり、スランプを脱出してからは勝利数を重ね、関西のリーディング上位に顔を出すようになり、87年には関西のリーディングジョッキーにもなっている。南井はこの恩を忘れず、1994年に宇田調教師が亡くなり厩舎が解散してフリー騎手になった後も、調教時には宇田厩舎のユニフォームを着続けた。

ところがG1にはとんと縁がなく84年のキクノペガサスやゴールドウェイなど２着に持ってくることは度々あったが、G1を勝つことができなかった。
そのため、「無冠のリーディングジョッキー」とすらも呼ばれ、「大舞台に縁がない騎手」と野次られることすらあった。

そんな中　1987年、タマモクロスとの出逢いが南井の騎手人生を大きく変える。
秋までは条件馬であったタマモクロスは破竹の勢いで一気にオープン馬に上り詰める。
直線で猛烈な勢いで加速するタマモクロスと、最後までしっかりと追う南井の闘志溢れる騎乗スタイルががっちりと噛み合い、タマモクロスとのコンビは「遅れてきた大輪」、「白い猟犬」などと人気を博すようになる。
翌88年にはその勢いのまま天皇賞春を制覇し、初めてのG1 タイトルを獲得。そして最終的には天皇賞春秋連覇を含む重賞6連勝。
関西の一騎手であった南井がタマモクロスとの活躍により一気に全国区になる。

こうして騎乗依頼が多くなった南井は、平成三強の一角にして多数の名手を鞍上に迎えたオグリキャップとの相性は抜群とも言われ、「豪腕」と呼ばれるようになる。

騎手として大成するまでに17年かかり、そこからは多くのG1 タイトルを獲得するようになった南井の騎手人生を「タマモクロスのような騎手人生だ」と表記する本は多い。

騎手としてはデビューからGI 勝利まで17年かかったが、調教師としては厩舎開業1年目に第1回ジャパンカップダート（現・チャンピオンズカップ）をウイングアローで制した。これが結果的に調教師としては最初で最後のGI制覇となった。

2023年 2月をもって定年のため調教師を引退する予定。

騎手テンプレート
中央競馬の三冠達成騎手
クラシック三冠	牡馬三冠	★小西喜蔵 \| 蛯名武五郎 \| ★栗田勝 \| 保田隆芳 \| 増沢末夫 \| 武邦彦 \| 郷原洋行 \| 田島良保 \| 菅原泰夫 \| 中島啓之 \| ★吉永正人 \| ★岡部幸雄 \| 柴田政人 \| ★南井克巳 \| ★武豊 \| 河内洋 \| 四位洋文 \| 横山典弘 \| ★池添謙一 \| 内田博幸 \| 岩田康誠 \| 川田将雅 \| ミルコ・デムーロ \| クリストフ・ルメール \| ★福永祐一
	牝馬三冠	前田長吉
	変則三冠	前田長吉
中央競馬牝馬三冠		嶋田功 \| 横山富雄 \| ★河内洋 \| 松永幹夫 \| 武豊 \| ★幸英明 \| 本田優 \| 池添謙一 \| 安藤勝己 \| ★蛯名正義 \| 岩田康誠 \| 福永祐一 \| ★クリストフ・ルメール \| ★松山弘平 \| ★川田将雅
古馬三冠	春古馬	達成者無し
古馬三冠	秋古馬	和田竜二 \| オリビエ・ペリエ
★は同一馬による達成者。変則三冠、古馬三冠は同一年達成者のみ。