四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件とは、2004年2月17日に発生した誤認逮捕事件である。未解決事件。
誤認逮捕された68歳の男性は、拘束された際の精神的・肉体的ストレスで体調を崩し、翌日搬送先で意識の戻らぬまま死亡した。
三重県四日市市にあるスーパー、ジャスコ四日市尾平店(現在はイオン四日市尾平店。ジャスコのブランド自体が国内では消滅したため)で起きた事件である。いわゆる「胸糞が悪くなる」内容として有名な事件の一つ。
誤認逮捕した警察官の判断の甘さ、過剰な拘束行動もさることながら、騒動の原因を作った女性が忽然と姿を消し、行方不明のまま虚偽告訴罪・窃盗未遂事件ともに公訴時効を迎えてしまったことが、本件においてもっともやるせない点であると言える。
2004年2月17日、被害者となる68歳の男性A氏は、ジャスコ四日市尾平店にあるATMを利用していた。彼の両手は終始買い物袋で塞がれており、誰かの何かを奪えるような状態ではなかった。この時、実は少し前からATMを物色したり覗いたりしていた、加害者となる子供連れの女性Bがうろついていた。
そのことを知らないA氏がATMを出ると、そのBが彼にわざとらしくぶつかり、さらにBが何かを掴むような動作をすると、ついには揉み合いに発展する。
この時、A氏は財布のものを必死に守ろうとしていたという(監視カメラの映像のため、音声がなく、どういったやりとりが行われていたかは不明)。
しかしこの騒ぎを利用してか、腹いせなのか、Bは「泥棒!」と叫び始めた。事情を知らない周囲の人々は、財布を奪われようとしているA氏を見て「あの男が泥棒である」と判断し、その内の3名ほどが駆けつけてA氏の方を取り押さえてしまった。
その後、別件の万引き事件の処理で店に居合わせていた、四日市南警察署の若手警察官Cを含む2名が到着、すぐさまA氏を「泥棒」だと判断し、碌に事情を尋ねずに即座にA氏を後ろ手にして手錠を架け、うつ伏せ状態に抑え込んで制圧した。
A氏が起き上がろうとするので(有罪にせよ何にせよ抵抗するのは当然である)、警察官CはA氏の頭と上半身を床に押しつけた。その時に壊れたのであろう、1年後に家族に返還されたA氏の眼鏡は片方のレンズが外れて壊れてしまっていた。A氏は「違う…」と無実を主張していた(目撃証言より)が、やがて制圧による心身への過度のストレスから嘔吐を始め、ついには気を失ってしまう。しかしC警官らがその異状に気付くことは無く、何の処置もなされないまま、頸部と胸部に鬱血を生じるほどの力任せの制圧は20分もの間、継続された。
なお、警察が駆けつけた時には既にBはこの騒ぎに紛れたかのように忽然と現場から姿を消していた。
他の警察官が応援に駆けつけたところで、ようやくA氏の異状を把握した警察は慌てて救急車を要請したが時すでに遅く、既に心停止に陥っていたA氏の脳はもはや回復不能なダメージを負った状態であり、翌日に搬送先の病院で死亡した。死因は、過度なストレスが原因の高血圧性心不全及び不整脈であった。
A氏がBから死守しようと必死に握り締めていたキャッシュカード(もちろんA氏本人のもの)は3つに折れ曲がっていたという。女性が狙っていたのは、一連の流れからすると財布の中身のキャッシュカードだったのであろう。
以上のことから言って、そもそもA氏を加害者とする窃盗事件が発生していなかったのは疑いようのない事実であった。つまりA氏は不当に拘束・制圧されたあげくそれが原因で死亡した被害者なのである。
ちなみに、地方検察庁により財布がA氏自身のものであると認められたのは、事件発生からなんと7年余りも経過した2011年3月のことだった。窃盗などそもそも実在していなかったということが名実ともに証明されたのもこの時であるが、A氏は亡くなってからもずっと「窃盗未遂の現行犯」として深く名誉を傷付けられており、また検察による以上の発表が行われたのも、皮肉なことにその1か月前にA氏の窃盗罪の公訴時効が成立して被疑者死亡のまま書類送検され、その証拠物が検察側に送致されたからである。検察はわずか1ヶ月ほどで財布の持ち主を特定したというのに、県警はこの7年間、捜査の人員を減らす(後述)以外にいったい何をやっていたのだろうか。
まず、本件で加害者となった子連れの女性Bは警察官Cらが現場に到着する前に姿をくらましていた。とはいえ警官が2名もいながら、A氏を取り押さえた3人を含めた周囲の客や店員に対し十分な状況確認を行わず、あまつさえ「被害者」であるBの不在を把握せぬまま無為に応援を待ち続けた結果、Bを完全に逃してしまったのは大きな失態だった。
もっとも警察官の最大の過失は、言うまでもなく明らかに体調不良に陥っていたA氏の異変に気付かなかったことである(異様な呻き声を上げていたという目撃者証言もあり)。こちらもこちらで2名も居ながら、その状況把握能力の低さを露呈する結果となった。
そもそも68歳という高齢のA氏をうつ伏せにし、上半身が鬱血したり眼鏡が割れたりるほどの力で圧迫する必要があるとは常識的には考えられない。これは、A氏を押さえつけていたC警官が、当時29歳という出場経験の浅い警察官であったことも加味しても、行き過ぎの感は否めないだろう。
仮に数歩譲って、A氏が火事場の馬鹿力を発揮し予測を大きく超えて抵抗し、格闘技の心得のある30前の大柄な青年警官C(目撃証言より)を以てしても力づくで取り押さえる必要があったとして、それでも嘔吐するまで制圧を続けるというのは、いくらなんでもやり過ぎであったと言わざるを得ないし、それに意識を失った時点で抵抗は無くなっていたはずである(高裁でも過剰行為であったことが認められている)。
A氏が嘔吐を始めた時点か、せめて意識を失った時点でC警官らがその変調に気付いて適切な処置を講じていれば、この事件はもっと穏やかな結末を迎えていたのかもしれない。
ちなみに、三重県警は後に誤認逮捕こそ認め、四日市南署署長による遺族への説明では「警察は『制圧行為には問題が無かった』とは言っていない」と述べたものの、法廷ではきっぱりと「一般的な制圧行動であった」と主張している。その後、地裁では「過失は認めるが、死亡との因果関係は認められない」として1,000万円以下の支払いしか命じられず、不服とした遺族は数日後に控訴した。
その後、地方検察庁によって「男性Aは無実」ということが認められ、被疑者保証として1日の最高額となる12,500円を遺族に支払う通知を行った。さらに名古屋高等裁判所では担当警察官らの過失が認定され、三重県が遺族に対して3,670万円を支払うよう命じられた。しかしながら、警察は遺族に対して公的な謝罪を一切行っていない(当時の署長らが遺族に対し「あくまで個人の考え」と前置きした上で一定の遺憾の意を表明してはいるが、警察としては全く非を認める姿勢が見られなかった(後述))。
2015年現在も、加害容疑のかかっている女性Bの消息は一切わかっていない。現場にはA氏を押さえつけた3人を含む複数の目撃者がいたにも関わらず、Bの似顔絵やモンタージュ写真は作成されなかった。また、嫌疑不十分で監視カメラの映像を公表するというのは、かの「グリコ・森永事件」以来のことだったが、映像が公開されたのは事件から1年もたった後のことであり、その間にBが顔を変えたり高飛びしたりする余裕は十分過ぎるほどあったわけで、現に映像公開後も有力な情報はほとんど寄せられなかった(なお、遺族はかなり早い時期から映像公開を要請していた)。ちなみに、低画質のカメラ映像を再処理して得られたBの人相がかなり不気味であったことも世間で話題になった。
彼女にかけられている容疑は既に時効を迎えているので、今捕まえたところで何ら罪に問うことはできない。そうなるまでに捜査が全くの進展を見せず、それによりA氏への冤罪が7年余りも放置されることになってしまった要因は、誤認逮捕を含む初動捜査のミスにより碌な証拠を収集できず、その結果としてBの存在が事件の真相を解く唯一のカギとなった時には既に確保すらままならなくなっていたことである。また、事件発生からわずか1年で本件常駐の捜査担当者が一人も居なくなっていたという事実からも、既にこの時点で警察がお手上げ状態であったことが判る。これらの事実はA氏の遺族側が四日市南署署長に辛抱強く食い下がってようやく明らかになったことだが、これらを知った遺族たちが抱えた無念は筆舌に尽くし難いものであろう。しかもそれまでの間、遺族たちは捜査の妨げとならぬように辛抱強く最大限の沈黙を守り続けていたのだが、それが皮肉にも「犯罪者の家族」という周囲からの心無いレッテル貼りを助長し、警察との裏取引があるなどという事実無根の風評を浴びせられるなど、深刻な社会的被害に曝され続けていたのであるから、なおさらである。
A氏とその遺族たちの苦痛の幾らかに報いる為にも、今後このような悲劇が繰り返されないようにするためにも、この事件は決して風化させてはならない。
最後に、Bの画像公開の半年後、A氏の遺族宅で先述のような説明を行った、当時の四日市南警察署署長の言い放った下の言葉を本項目の結びとしよう。
(※「今回の事件での警官の行為に問題が有った事、あるいは反省すべき点を警察から公表してはもらえないのか」という主旨の遺族側の要請に対し)
「それをすることは絶対に有りません。
警察が事件で反省点を一々公表した事なんか
今まで見た事有りますか? 無いでしょう?」
四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件に関するニコニコ市場の商品を紹介してください。
掲示板
271 ななしのよっしん
2024/11/15(金) 23:43:16 ID: F9KMOVGrhL
記事の内容の情報が不足してますね。
だてれびで裁判記録を元にこの事件を考察してますが
女の発言を真に受けた3人組がおじさんをうつ伏せで拘束し続けて警察が来る前には既に吐瀉物が地べたにありました
警察がついた頃には被害者は既に虫の息で太った警察がトドメをさした感じです
272 ななしのよっしん
2024/11/15(金) 23:46:00 ID: F9KMOVGrhL
>>271
記事の情報が不足してますね。でした 変な日本語になってしまった
273 ななしのよっしん
2025/02/10(月) 02:19:56 ID: t9czVwpcDn
日本の市警が如何に終わってるかよ~くわかる一例
加害者の屑女も結局逮捕する気無く放置
所詮この程度なんだよね日本の警察ってさ、 呆 れ る
今後はこういうのど~んどん起きて来るだろうなぁ?
例えばクルド人大好きな埼玉とか中国人犯罪者とかの扱いよ?
性犯罪やらかしたり飲酒運転で日本人撥ね殺しても不起訴放免無罪まで当たり前~とか笑うでしょこれwwww
急上昇ワード改
最終更新:2025/05/01(木) 09:00
最終更新:2025/05/01(木) 09:00
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