邪神 単語

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ジャシン

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邪神とは、人間に災いをもたらす神々のことである。

「神」という概念について

「神」という概念は、一神教唯一神教)と多神教で大きく意味が異なる。ユダヤ教や、そこから生したキリスト教イスラム教に代表される唯一神教では、造物たる「(大文字の)God」、「YHVH」、「Allah」のみが一絶対の「神」であるため、邪神は存在しない。虚偽や罪過は「悪魔」という概念に表される。また、厭世義であったグノーシス思想では、従来一神教一絶対の神とみなされてきた造物は、不全な物質世界を作った「偽の神」であって、の神は精神的・観念的な世界に存在すると考えた。

一方、邪神が存在するのが、多神教、あるいは一神教でも複数の神を認める宗教ゾロアスター教など)である。しかし、これら宗教においても、善悪二元論に基づくゾロアスター教の邪神と、日本民間信仰における邪神では、その存在意義がかなり異なる。

また、邪教における神を邪神とする定義もあるが、ある宗教邪教かどうかを判断する絶対基準は存しない。邪教という見方は反対する教義から見た一方的な解釈であるため、この解説ではする。

各宗教における邪神

唯一神教における邪神1

唯一神教における悪魔は、遡れば異教の神々であったという事も多い。有名なのは、古くカナン地方イスラエル周辺)で崇められていた豊饒の神バアルが、“山の悪魔ベルゼバブベルゼブブ)に貶められた例である。
このように、地方由来の神々を悪魔に堕とすのは、キリスト教徒が教義を広めていく上で用いた手段である。元が力の大きい神であればあるほど、強大な悪魔として認識されるようだ。元が神であったという意味では、彼らは悪魔というよりもむしろ、邪神と呼ぶべき存在なのかもしれない。

唯一神教における邪神2

14世紀、地中海世界の知識階級で一大勢力をなしたグノーシス思想の諸(マニ教など)では、物質世界は不全であると考えた。そして、従来ヤハウェなどの名で示されてきた「造物デミウルゴス)」は、不全な世界を囚えた、邪悪な存在であり、偽の神であると見なした。代わりに、プラトン哲学における数学的イデア(観念)の世界こそが全な世界で、「知識(グノーシス)」の獲得によっての神への認識に至ることができると信仰した(この意味では、一神教ではあるが二元論的である)。

多神教における邪神1

善悪二元論を基本理念とする宗教では、善神と邪神(悪神)が存在する。古くはゾロアスター教などに見られ、善神アフラ・マズダーに対する邪神(悪神)アンラマンユ(アーリマン)を挙げることができる。厳密な分類ではないが、本項ではクトゥルフ神話旧神と邪神(旧支配者、古き者ども)の対立もこれに含むこととする。

多神教における邪神2

上記の邪神たちが基本的に人間なすのに対して、逆に利益を与える邪神もいる。日本民間宗教における邪神はこの範疇にあり、祟り神として拝されている。代表的なものは牛頭王であり、京都祇園祭は当該神を鎮するための祭である。ニコニコ動画的には、東方プロジェクト洩矢諏訪子が有名。彼女は祟り神であるミシャグジ様を束ねていたとされている(子孫の早苗が巻き付いているのはミシャグジ様がの姿をしているとされるため)。
善悪二元論における邪神と決定的に異なるのは、貶めれば厄災が降りかかり、り上げる事で守護神となる両極性を有している点である。ちなみに、真・女神転生名前に「さま」がある悪魔は、祟られないようにということで「さま」がついているらしい(マーラ様は例外)。 

その他の邪神

神性を帯びたキャラクター腹黒さを見せた場合も邪神と称される場合がある。これも日本古来の八百万信仰によっていると考えられる。

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