
ZUN(上海アリス幻樂団)制作の弾幕STG「東方Project」作品内に登場するキャラクター。
→東方Projectの登場キャラクター
種族:神様
テーマ曲:ネイティブフェイス
二つ名:土着神の頂点(風神録・非想天則) 両生類の神様(ダブルスポイラー) 名存実亡の神様(茨歌仙)
「東方風神録 ~ Mountain of Faith.」のExtraボスとして、「東方非想天則」ではプレイヤーキャラとしても参加。
別名:ケロちゃん。印象的な台詞は「あーうー」。土着神の頂点としてミシャグジ様を操る。
ミシャグジはヘビの神様であるという説の方が強く、カエルの神様ではない。カエルである理由は、八坂神奈子に敗れたため、神奈子は強者の方の蛇を、諏訪子は弱者の方のカエルを当てはめたらしい。詳しくは後述のスペルカードの欄か、ミシャグジの記事を参照。
ロリキャラとして定着しているが、その実体たるや、大和朝廷がこの列島を治めるより前に信仰されていた、日本最古級の神なのである。
諏訪子の来歴
洩矢の王国
守矢神社の本当の祭神。生誕、農作、軍事、様々な事柄の祟り神である『ミシャグジ様』を統括していた。
ミシャグジ様は少しでも蔑にするとたちどころに神罰が下るという恐ろしい神様であり、これをコントロール出来るのは諏訪子だけである。その為、彼女への信仰は圧倒的で、ヤマトの神々の国譲りが起こる前までは神であると同時に一国の王として王国を築いていた。
しかしそんな彼女の元に、ある日大和の神々の魔の手が迫った。『古事記』にも謳われる「国譲り」である。
神奈子は諏訪の地の平定を任された天津神たちの尖兵であった。破竹の勢いで勢力を拡大する大和の神々は、単一の神話を持って全ての国々を統一するという大望のため、諏訪の地をも併呑しようとしたのである。
この侵略行動に対し、諏訪子は国の王として神奈子を迎え撃った。諏訪子は当時としては最先端の兵器であった鉄製の武器を持って抵抗したものの、結局は神奈子の圧倒的な力の前に敗北、天津神との神力の差を確信した諏訪子は潔く王国を明け渡し、隠居生活に入った。
しかし事態はそうもスムーズに行かなかった。嫉妬深く執念深い(はずの)祟り神であるミシャグジ様の恐怖を忘れることが出来ない王国の人間達は、新しくやってきた見知らぬ神を受け入れようとしなかったのである。
結局、ミシャグジの影響力を越えることが出来なかった神奈子は、この王国を手中に収めることを諦めた。そのかわり、元々の支配者であった諏訪子と交渉し、自分が表向き実務を取り仕切り、実際は諏訪子がミシャグジ様の恐怖を持って国を治める体制を提案したのである。そのような紆余曲折を得て、表向きの為政は神奈子が、実際に政を執り仕切るのは諏訪子が、という、世にも珍妙な二巨頭体制が実現されたのである。
幻想郷へ
しかし科学万能の時代がやってくると、信仰の正当性以前に、神に対する信仰そのものがどんどん失われていくようになった。
すでに隠居の身である諏訪子はこれをさほど気にしていなかったが、これに焦った神奈子は、事前の相談もなく、勝手に神社を湖ごと幻想郷に持って行くという荒業を実行してしまった。そこまですれば普通怒ってもよさそうなものであるが、諏訪子にとっては関心ごとではなかった。むしろ、幻想郷で第二の人生を送るチャンスを与えてくれた神奈子に感謝しており、今も仲が良い。
能力
坤を創造する程度の能力。坤(こん)とは八卦における「地」のこと。まさに土着神の頂点。
ちなみに八坂神奈子は乾(けん)を創造する程度の能力。こちらは八卦における「天」のこと。
風神録ではどういった能力かは明らかになっていなかったが、非想天則にて大地に関する様々なことを創造し、操ることが出来る能力であることが判明した。
由来
スペルカード
東方風神録
- 開宴「二拝二拍一拝」
- 「二拝二拍手一拝」とも呼ばれる神社参拝の基本作法。神遊びも最初は挨拶から。
腰を深く90度にまで曲げて二拝、拍手(かしわで)を二回打ち鳴らし、そして最後に一拝。
弾幕もよく見ると、まず赤レーザーと青レーザーが時間差で放たれて二拝、パンパンという音とともに弾が降ってくるので二拍、そして最後に赤レーザーが両側から同時に迫ってきて一拝、となっている。
実はこのスペルにはバグがあり、戦闘突入直前まで諏訪子の上に自機を置いておくとレーザーが上にしか行かなくなるため、自機狙いの弾を避けるだけの楽勝スペルとなる。でも神への挨拶くらいは実力でなんとかしよう。
- 土着神「手長足長さま」
- 地方によって様々な言い伝えがあり、時には悪い妖怪や巨人とされているが、諏訪地方では諏訪明神の配下としてそれぞれ手長神社、足長神社というところに祀られている。元ネタの通りであるなら建御名方神が諏訪神社で祀られるより前からいるという古株。文字通り手長様は手が長く、足長様は足が長い。
- 神具「洩矢の鉄の輪」
- 建御名方神との戦いで洩矢神が使用した鉄の輪(本人によるとフラフープであるらしい)。建御名方神の藤の蔓によって鉄製である武器が錆びてしまい、結果的に負けてしまった。色が赤いのは錆びているから。
- 源符「厭い川の翡翠」
- 長野県北安曇郡と新潟県糸魚川市を通って日本海に流れる姫川のこと。氾濫を繰り返すことから厭(いと)われて、厭い川(いといがわ)と呼ばれるようになった。ヒスイ(翡翠)の原産地として有名で、ヒスイは勾玉などの材料に使われる。
- 蛙狩「蛙は口ゆえ蛇に呑まるる」
- 蛙狩(かわずがり)とは諏訪大社上社で1月1日に歳旦祭に続けて行う行事のこと。蛙狩神事。
御手洗川(みたらしがわ)の氷を割って冬眠中の赤蛙を2匹捕まえてきて、柳の弓と茅の矢で射抜いて、蛇神である諏訪大明神に捧げられる。なぜかいつもカエルが見つかることから諏訪七不思議の一つとされている。
「蛙は口ゆえ~」とは慣用句で、余計な口をきいたばかりに身を滅ぼすこと。とぐろを巻く蛇の形をした弾幕を回避するには蛙(諏訪子の後ろに薄っすら見えるカエル)の腹の中に飛び込まなくてはならない。
- 土着神「七つの石と七つの木」
- 「諏訪上社物忌令之事」に記載がある七つの石と七つの木。かつては、それぞれを周って木と石にミシャグジ様を降ろす湛神事(タタエ神事)やミシャグジ様を回収する御立座神事などが行われていた。硯石、御沓石、小袋石、御座石、児玉石、亀石、蛙石の七石と桜湛、真弓湛、峯湛、檜湛、松木湛、橡木湛、柳湛の七木。
- 土着神「ケロちゃん風雨に負けず」
- ケロちゃんは諏訪子のことであり、カエルの愛称。風雨に負けずは宮沢賢治の「雨ニモマケズ風ニモマケズ」からか? ケロちゃん(諏訪子)は国を奪われようとも、風雨(神奈子)には負けません!という強がりともとれる。
- 土着神「宝永四年の赤蛙」
- 宝永三年(1706年)年末の大晦日に大雨が降り、御手洗川の氷も解け、洪水になってとても蛙狩神事ができる状態ではないと思われたが、年が明けた宝永四年(1707年)の元朝、神前に3匹の赤蛙が居たので、それを使って無事に蛙狩神事を執り行うことができたという。諏訪子本体と分身2人なので3匹の赤蛙。
宝永四年は富士山が噴火した年でもある。諏訪子は元々山の神であるため、赤蛙は噴火を表してるとも。
- 「諏訪大戦 ~ 土着神話 vs 中央神話」
- 長野県諏訪地方で起きた洩矢神と建御名方神の戦いが元ネタ。土着神話は土着神である諏訪子を、中央神話は大和の神である神奈子を表している。戦いの内容については来歴を参照。下から伸びてくるのが藤の蔦、上から降ってくるのが鉄の輪である。今現在は両神が陣取った場所の跡地に藤島神社と洩矢神社という神社が存在していて、ここが「神さびた古戦場」の元ネタとなっている諏訪の古戦場である。
- 祟符「ミシャグジさま」
- ミシャグジ様は道祖神、性神、蛇神、守屋神、農耕神、風水神、等々様々な神性や信仰形態を持つ自然神。
東方では諏訪子がこの祟り神をコントロールしていたという設定。詳しい内容は「ミシャグジ」の記事を参照。
現代では女神転生シリーズなどにも登場。悪魔絵師によってその御姿が描かれている。
弾幕の形態としての見た目はただの交差弾なのだが…。
東方非想天則
- 源符「諏訪清水」
- 諏訪大社上社前宮を流れる御手洗川のこと。神奈子のスペルカード、神符「水眼の如き美しき源泉」もここから。
- 土着神「洩矢神」
- 諏訪子の元ネタである洩矢神から。元々は諏訪地方を治める土着神であったが、建御名方神の侵略によりその傘下に。洩矢神はしばしばミシャグジ様と同一視される。蛙のオーラで攻撃しているが、蛙の神では無い。
- 蛙休「オールウェイズ冬眠できます」
- オールウェイズとは「いつでも」という意味。蛙は冬眠する生き物だが、果たして神は冬眠するのだろうか。
- 祟り神「赤口(ミシャグチ)さま」
- ミシャグチはミシャグジ様のことだが、赤口はその名前に漢字を当てたもの。非想天則では白い大蛇の姿をした神様である。なお、様付けにする理由は某ゲーム会社が呼び捨てにしたせいで祟りに遭ったことから、という説が有力。しかし祟り神は手厚く祀れば強力な守り神となるため、古来より日本では信仰される事が多い。
- 合掌「だいだらぼっちの参拝」
- 合掌は胸や顔の前で手を合わせ、仏などを拝む動作のこと。だいだらぼっちとは日本に伝わる伝説の巨人のことで、非想天則本編ではチルノが非想天則のことをだいだらぼっちだと思い込んでいた。地面から巨大な手が出てきて敵を叩き潰す動作が合掌に見えるということなのだろう。
- なお余談だが、諏訪地方に伝わる伝説にもだいだらぼっちが登場する。曰く、富士山と八ヶ岳の背比べで八ケ岳が崩された際、それを悲しんだ蓼科山(の神様)の涙が溜まってできたのが諏訪湖である。これを埋めるためにだいだらぼっちが土を運んできたが、この土がこぼれ、小泉山と大泉山ができたという。
- 「獄熱の間欠泉」
- 獄熱=地獄の熱。お空の起こす核融合によって噴出する間欠泉のこと。なお、日本でも噴出する高さが最大の間欠泉は諏訪湖の近くにある。
- 「マグマの両生類」
- 坤を創造する土着神、諏訪子にとってマグマの中で泳ぐことなど造作もない。
- 「幻想郷空中神戦」
- 幻想郷の上空で行われる神(土着神である諏訪子)と神(現人神である早苗)の戦い。
このスペルのみ、戦闘音楽が変わる。なお、どちらが勝ってもEDへと進む。
※上記と被っているものは省略
ダブルスポイラー ~ 東方文花帖LEVEL11
- 神桜「湛えの桜吹雪」
- 湛えの桜とは土着神「七つの石と七つの木」で紹介した諏訪七木の一つ、桜湛(さくらたたえ)のこと。
散った桜色の弾幕が吹雪のように降り注ぐスペル。
- 姫川「プリンセスジェイドグリーン」
- 姫川とは源符「厭い川の翡翠」で紹介した厭い川の本当の名前。厭い川(いといがわ)の由来は上記参照。
カード名の意味はそれぞれ、プリンセス(姫=姫川)ジェイド(姫川で採れる翡翠)グリーン(翡翠の代表的な色=緑)
ちなみに姫川の水源がある白馬村はZUN氏の出身地。
- 鉄輪「ミシカルリング」
- 鉄輪とは神具「洩矢の鉄の輪」で紹介した洩矢神が使用したとされる武器のこと。
ミシカル(mythical)とは「神話上の」という意味。神話に出てくる輪=洩矢の鉄の輪。
- 土着神「御射軍神さま」
- 祟符「ミシャグジさま」と祟り神「赤口(ミシャグチ)さま」で紹介したミシャグジ様に漢字を当てた表記の一つ。
ミシャグジ様は未だに出自に謎が多い神ではあるが、漢字が日本に伝来する前から信仰されている神らしく、後から漢字を当てたため、様々な漢字の名前を持つのだという。
御射軍神さまというのは軍神とされる建御名方神と同一視されることがある、ミシャグジ様の性質を意味する名前。
弾幕アマノジャク9日目
- 緑石「ジェイドブレイク」
- スペル名はジェイド(jade)=翡翠、ブレイク(break)=破壊から。姫川「プリンセスジェイドグリーン」も参照。
画面上から翡翠を模した大小さまざまな緑色の弾幕が降り注ぎ、画面下に達すると弾けるように小弾が全方位に飛び散る。
- 蛙符「血塗られた赤蛙塚」
- 赤蛙については土着神「宝永四年の赤蛙」を参照。
スペルカードは蛙狩「蛙は口ゆえ蛇に呑まるる」が諏訪子中央固定で六方向に展開されるといったような弾幕になっている。
二次設定
お絵カキコ
枚数が増えたため、洩矢諏訪子のお絵カキコに分離しました。あーうー。
![本体テイクオフ]()
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