旧支配者 単語


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キュウシハイシャ

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旧支配者、またはグレート・オールド・ワン(Great Old Ones)とは、

  1. ラヴクラフトの死後、ダーレスを始めとした書き手達によって設定されたクトゥルフ神話における神々の総称。
  2. ダーレスとスコラーの合作に登場した、後に旧神と呼ばれる存在の呼称の一つ。 →旧神
  3. H.P.ラヴクラフト小説作品において人類以前に地球を支配していた者の総称。

す用語である。本項では1と3について解説する。

1の概要

ラヴクラフト友人たちによるクトゥルフ神話流に、オーガスト・ダーレスリンカーターの行った設定に関しては「クトゥルフ神話」を参照のこと。
ここでは、基本的にダーレス以降の諸設定を元に旧支配者に関する概要を説明する。

ダーレスによって、そしてその後にリンカーターによって取りまとめられたクトゥルフ神話の神々は、大別すると3つに分類できる。

  1. 旧神(The Elder God, Elder God, Elder Deity)
  2. 古きもの、旧支配者(The Great Old One, Old One, Ancient One)
  3. 大地の神々地球の神々、地上神、地球本来の神々、大いなるもの(God of Earth, Great One)......地球地球ドリームランドで信仰されてきた神性。現在、そのどは地球ドリームランドにいるとされている。詳細はこちら

このうち、旧支配者は多くの場合邪神同一視され、今は眠りについているものの、復活した際には人類を狂気に陥れ、文明を破滅させ、世界を混沌へ導くとされている神々の総称である。
彼らは単に邪悪な神々であるというよりは、むしろ人間の理解の及ばない恐ろしい神々である。邪悪な意思を持っていると考えられることもあるものの、そもそも善悪という概念に当てはまらない(人間倫理観に当てはめて考えることができない)と考えられることが多い。

旧支配者の歴史については、「旧神と呼ばれるクトゥルフ神話における善神に対して、旧神創造した混沌たるアザトースウボ=サスラ、そして彼らから生み出された邪神・旧支配者たちが叛乱を起こしたものの、旧支配者はその戦いに敗れ、旧神の手によって惑星や別次元に封印され様々な自由を奪われてしまった。しかし旧支配者は未だ復権を諦めておらず、いずれ来る帰還のときを待ち続けている」とする設定がある。

ただし、この設定が全面的に受け入れられているわけではない。
例えば、神話内で創造として設定されることが多いアザトースは、
・「旧神によって造られ、造反の際に知性を奪われたために眠りと貢物を貪る白痴の神となった」とする作家
・「旧神をも造った万物の創造であり、元から知性などない」とする作家
・「悪意を持つ宇宙の中心である」とする作家
...といった形で設定が分かれている。ほかにも、ブライアンラムレイは「旧神が旧支配者を封印したものの、アザトースには何もしていない(アザトースは万物を生み出した力そのもので、神格といった形で扱われていないため、そもそもどうにかできるものではない)」といった設定もみられる。
ちなみに、近年の作品では「旧神アザトースをはじめとした旧支配者の創造」という設定の採用率は低くなってきており、あくまでも旧支配者と対立している神々としての採用が増えている。

同様に、旧支配者と旧神の関係性、旧支配者の歴史や設定に関しても
・「旧神と旧支配者の戦いは継続中である」とする作家
・「旧支配者がの関係で眠っている隙に(弱い神々である)旧神が彼らに封印を施した」とする作家
・「そもそも旧神はいない(より正確には旧神と旧支配者を区別しない)」とする作家
・「旧支配者が惑星に飛来し、元から住んでいた種族と争い勝利して惑星を支配していたが、の関係で眠りについた(旧神は特に関与していない)」とする作家
...といった形で分かれている。

以上のように、旧支配者の誕生経緯や歴史、設定に関しては作家間、作品間で大きく異なっている。
しかし、旧神と旧支配者の対立」「旧支配者の封印/眠りと復活の待ち望み」という設定はメジャーなものであり、細かい部分の違いこそあれど多くの作品で採用されている(もちろん、これが絶対の設定ではないため、この設定から外れた作品も多く存在する)。
また、旧支配者間での対立関係や従関係もあり、一枚岩のカテゴリーではないとされている。この点については後述の四大精霊の項も参照のこと。

なお、古き者と異なり旧支配者という訳は原文の意から外れるものだが、この訳語は旧神に反した神々が地球における先住権を持ち、支配していた期間があることからきている。
必ずしも宇宙そのものを旧くから支配してきたという意味ではないため、旧支配者の多くは地球外から訪れた「外なる神」「異形の神」と呼ぶ方が正確な意味での呼称になるといえる。
また、旧支配者には彼らに次ぐ神格(旧支配者へと成長中の未成熟の神格や存在をそれほど知られていない神格)である下級のオールド・ワンが含まれるほか、解釈によっては奉仕種族の長であるLesser Old Oneの一部が含まれる場合がある(下級のオールド・ワンとLesser Old One文字上の違いはないが、文脈によって示すものが上記のように異なってくるため、一般的に日本語訳の際には区別されている)。

基本的には人間のことなど牙にもかけないほどの権を持つが、作中で人間に割とあっけなく撃退されたり、神にしては残念な扱いを受けたりすることもある。何なら『クトゥルフの呼び声』の時点でクトゥルフが武装した貿易で体当たりされたことで一時的に撃退されている。また、人間の理解や理性倫理道徳えた未知の存在であり、宇宙本質的な恐るべき側面を現した存在であるように描写されることが多い。人間の精神ではその姿を見ることすら耐えられず(頭で処理することができない)、狂気に陥るとされている。
見たに関しては一概に言えないものの、触手を持っていたり、軟体生物のような見たをしていたりする存在が多い傾向がみられる。

また、人間が言うところの「心や、人格」がないとされることが多いことも特徴的。一の例外はナイアルラトホテップで、彼に関しては本当の意味で人格と呼べるものを持っているとされている。
ただし、いわゆる意識や感情のようなものは持っているとされており、旧支配者たちが何らかの的を持って行動を起こしていることもしくはない。
なお、旧支配者自身は人間特定の意識や感情を向けることは基本的にない。というよりも人間の存在を一々意識しないとされている(旧支配者から見た人間とは、人間から見たのようなものと説明されることもある。歩いている人間を強くは意識せず、または踏まれたとしてもその踏まれたという事を正確に理解するとは考え難い)。

一般的に旧支配者が直接的な行動を取ることはあまりないのだが、旧支配者の使者とされるナイアルラトホテップ自由を許されているため頻繁に人間社会に干渉しているほか、ヨグ=ソトースシュブ=ニグラス人間属の招請に応じて彼らとの間に子を残すこともある。

クトゥルフに至っては地球閉されており、本体が自由行動できない状況だが、その活動を縛っているのはの活動とクトゥルフ自身が身を守るために施した呪法のみ(旧神の設定が採用されている場合は旧神による封印が追加される)である。そのため、棲たるルルイエが浮上する度に、短時間とはいえ人類は滅亡の危機されていることになる。また、クトゥルフの眷属は日世界各地で活動を続けており、結果的に人類の危機となっている。

旧支配者の多くは人間の心やに干渉し、変質させることが可であるとされている。これによって狂気に陥る人間が現れたり、信徒となる人間が現れたりするのである。

ほか、「化身」という本体の一部であり、かつ本体とは独立した意識を持つ体/実体を生み出すことがある。
に本体の意思を実行するための仮面・代理人のような役割を持っており、旧支配者自身が現実の場所や生物に干渉する場合に用いられることが多い存在である。ただし、同じ旧支配者から生み出された化身同士が対立することもあるなど、化身ごとに異なる自己意識を持っているともされる。なお、一般に化身は本体となる旧支配者よりは弱い存在であるようで、本体の意思のを強く受けるとされる(ただし、衣の王のように本体に匹敵するとされる化身も存在する)。

旧支配者や下級のオールド・ワンは原則として永劫の時を生きる不滅の存在である(ただし、真の意味で確実に時間の終わりまで存在し続ける神格は限られる)とされており、仮に体を破壊され死んだように見えたり封印されたりした場合でも、(一部の例外的な事態を除き)本当の意味で彼らが滅んたことにはならず、いつの日か姿を取り戻し再び現れてしまう。ここが「生物/種族」との大きな違いである(クリーチャーの中には途方もない寿命を持ち人間からすれば不死に見えるものもいるが、旧支配者のような永劫の時を生きる不滅の存在ではない)。
なお、旧支配者の多くは正しき刻でないと「生きていることができない」とされている。ただし、これは旧支配者が死んでいることを意味するものではないことには注意が必要である。

久遠したるもの、死することなく
  怪異なる永劫の内には、死すら終焉を迎えん』

H.P.ラヴクラフト『The Nameless City』 波博明 訳

正しき刻に旧支配者たちは復活し、再び世界恐怖すとされている。

なお、一般的には無慈悲な神であるとされる旧支配者だが、較的邪心の少ない方であるツァトゥグァ、崇拝者には恩寵を授けるイグ中立的であるともされるモルディギアンバサタンなど、信仰者には慈を持って接しているように見えたり、いくらか無慈悲でないように見えたりする神もいる(とはいえ彼らも相応に恐ろしい面は持っており、一般人からすれば十分危険な存在である。あくまでも旧支配者内での相対的な話といえよう)。

四大精霊

作家によっては旧支配者を地徴する神性に区分する者もおり、、火と土の属性の神性がそれぞれ敵対しているとされる(作家によってはアイテールを第五元素として設定する場合もあり、アザトースヨグ=ソトースナイアルラトホテップなどが当てはめられる)。
その区分の代表的存在もしくは首領として以下の神格が挙げられる。

しかし、彼らがその属性内で最も強大であるかは定かではない(注釈の通り、作家作品間で地のカテゴリーを中心に神性の属性の分類揺れが多く、またそもそもカテゴリーがはっきりしない神格も多いため。とはいえ、彼らが属性内でも特筆すべき権を持つ存在であることは間違いない)。

では、何故この神性が徴として扱われるかといえば、それは、彼らが互いに憎しみ合い争う間だからであろう。
ナイアルラトホテップクトゥグアと、クトゥルフハスターと争っており、人間が彼らに対抗する手段として、時折その対立を利用する場合が特にダーレスの作中に多く見受けられる。

分類に関しては多くの議論があるが、この設定が採用される場合、クトゥルフハスタークトゥグアを火の精の首領として扱うことは概ね共通する。

また、各属性の首領に従うとされる旧支配者は以下の通り(作家によって分類に違いがあるため注意。以下は一般的に知られる属性)。

ただし、この属性区分には異論も多くある(属性クトゥルフ海底に封じられているのはなぜなのかといった設定面からの異論[2]や、そもそもなぜこの邪神がこの属性なのか分からないといった根拠不足を理由とした異論が出されている)ほか、そもそもとして四大精霊という設定自体がクトゥルフ神話の作を損なうと考える人もいるため、近年では属性設定を理に行わず、対立関係のみを抜して用いる作品も多い。

TRPGでは

クトゥルフ神話TRPGでは、外なる神(=宇宙法則概念的存在を旧支配者から分離したカテゴリー)には劣るが、人類にとっては十分すぎるほどの脅威となる、体を持つ神のような存在としている。例えば、アザトースヨグ=ソトースシュブ=ニグラスウボ=サスラなどは外なる神クトゥルフハスタークトゥグアツァトゥグアなどは旧支配者となっている。

そのため、少なくともTRPGにおいての旧支配者は厳密な意味の神ではなく、むしろ神のごとき力を持った強大な宇宙人といった方が正しいイメージである。一般的に旧支配者の活動規模は惑星単位、最大で銀河単位となるのに対し、外なる神宇宙全体にその権を持つ。

ただし、この区分けは必ずしも厳密なものではない模様で、小説作品に採用されることはあまりない(近年の小説作品でしばしばみられる程度)。実際、ニャルラトテップ外なる神とされているが、定義上は旧支配者と取ることも可であると摘されているほか、版によって外なる神か旧支配者かの区分が変わる神格も少なからず存在する。

基本的には外なる神より劣る存在とはいえ、基本的には人間科学技術が対抗できるような存在ではない(打ち負かすことも不可能ではないが、多くの犠牲を払う必要があったり、入念な事前対策が必須であったりする。その上、打ち負かしたとしてもそれは一部の例外的な事態を除いて一時的なものであり、時間が経てば姿を取り戻してしまう)。
むしろ外なる神よりも教団信者の数、地球で活動する属は多いため、(ニャルラトテップを除けば)ゲーム内では外なる神以上に直接的な脅威となりやすい存在であるといえる。
特に、クトゥルフハスタークトゥグアといった旧支配者の中でもとりわけ強力とされる存在が顕現しようものなら人類存亡の危機となり得る。故に、旧支配者の復活論むカルト属の計画を挫くことがゲーム内での標となることが多い。

旧神とは外なる神と共に敵対しているが、旧神が彼らの創造という設定は採用されていない。
以下リストでは、TRPGなどで外なる神とされている存在は外なる神ページにまとめ、旧支配者とされている存在について説明を載せている。

主な旧支配者(1)

以下に、旧支配者とされる神格を列挙する。ただし、基本的に神話大系に組み込まれる作品に登場する神格のみを記載しており、クトゥルフ神話の要素を含むアメコミ作品(マーベル・コミック作品など)やクトゥルフ神話元ネタとした作品(パロディクトゥルフ神話要素や用語を部分的に取り入れた別作品)に登場する神格は、神話大系に組み込まれる作品逆輸入されていない場合この記事には記載していない。このような神格に関しては[その他(クトゥルフ神話)]の記事に一部記載しているため、興味があれば参照してみてほしい。
なお、ラヴクラフトは彼らの名前読みは仮のもので、実際には人間の発器官で発音する事はできないとしていたものの、必ずしもそうでなくなりつつあるようで、正式な名前として用いられる作品も多くある。
名前に関しては作品間で表記が異なる場合があるため、代表的なものを記載している。

A

B

C

D

E

F

G

H

I

J

K

L

M

N

O

P

Q

R

S

T

U

V

W

X

Y

Z

日本の旧支配者

  • ラゴセ・ヒイヨ、ラゴセ=ヒイヨ
    • 十字が描かれた満月と関連する正体不明の存在
蛇神たち(Serpent Gods, Snake Gods)

小区分

  • グレート・オールド・ワンの幼生(Larvae of the Great Old Ones)
    • 未成熟のグレート・オールド・ワンたち ※個体毎の名前については割愛

3の概要

ラヴクラフト作品において、人類が繁栄を極めるよりも以前、この地球上を支配していた神ならぬ存在のこと。基準についてはやや曖昧である。
こちらに該当する存在はそれぞれの種族名で呼ばれることが多く、旧支配者と呼称される例は少ない。

主な旧支配者(3)

関連動画

※以下の動画は簡潔にまとまっていますが、一部、複数作家の見解を混同している箇所があります。
 詳細は、本項、Wikipedia、実際の作品を確認してください。

 

旧支配者でタグ検索exit_nicovideo
クトゥルフでタグ検索exit_nicovideo

関連項目

脚注

  1. *属性の設定は変遷がしい。まず、一部の神格を4元素に割り振ることが困難であったことや、地属性実質的に火以外のその他カテゴリーとなっていたこともあって、後年にアザトースなどが該当する第五元素エーテル(アイテール)が設定された。この際に地属性ヨグ=ソトースナイアルラトホテップエーテル(アイテール)に再分類され、シュブ=ニグラスが地属性の首領となった。さらに、クトゥルフ神話TRPGにて外なる神の分類が発案され、シュブ=ニグラス外なる神に区分される設定が流となり、旧支配者とは区別されることが多くなった。そのため、近年では地属性の代表にはツァトゥグアが置かれることが多い。
  2. *ダーレスの作中でも同様の言及があり、人間視点からのこじつけと摘されている
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