概要
あさひの名称は新潟~仙台間の準急列車に使われたのが初出である。新潟駅と仙台駅を結ぶ列車としては前年に磐越西線経由の準急あがのも設定されていたが、このあさひはあがのより走行距離が短かった。あさひは米坂線・仙山線初の優等列車の一つであった。
国鉄の「走行距離が100kmを越える準急は急行に格上げ」という政策から準急あさひは急行あさひに格上げとなったが、上越新幹線開業に伴い米坂線のローカル急行だったあさひはなんと新幹線の列車名に使われる事となった。11月の上越新幹線開業を前に米坂線の急行あさひは7月に急行べにばなに改称されている。
上越新幹線開業で、それまで上野~新潟間の在来線特急の名称であったときを各駅停車型の新幹線とし、途中に通過駅を有する速達型の新幹線をあさひとした。当初は上越新幹線が大宮駅以北にしか開業していなかった為にあさひ・ときも大宮駅発着であったが、1985年に新幹線の上野駅が開業すると全てのあさひ・ときが上野駅発着となった。
国鉄民営化後の1988年には、一本列島と呼ばれる全国的なダイヤ改正が行われた。このダイヤ改正で長岡駅と金沢駅を結ぶ特急かがやき2往復が設定されており、かがやきに接続する上越新幹線あさひは上野駅と長岡駅をノンストップで結ぶ事となった。また同時に上越新幹線の最高時速が210km/hから240km/hに引き上げられている。更に1990年にはかがやきと接続する一部の下りあさひが最高時速275km/hに引き上げられている。これは大清水トンネルの下り勾配を利用したものであり、1992年に登場した300系のぞみも最高速度は270km/hであったのであさひは1997年の500系のぞみ誕生まで日本最速の列車であった。
1994年には上越新幹線にE1系が投入された事で、同車両を使用するあさひがMaxあさひに変更されている。1997年3月にほくほく線が開業し10月には長野新幹線が開業するが、長野新幹線開業に伴い東北・上越新幹線の列車名を停車駅別から行き先別に変更する事となった。この方針から新潟駅に乗り入れる新幹線は停車駅に関わらず全てあさひとなり、高崎駅・越後湯沢駅以南に各駅に停車するたにがわが新たに設定された事からときが廃止となっている。
しかし、その長野新幹線のあさまとあさひが一文字しか違いがない事から誤乗が絶えず、2002年の東北新幹線八戸開業のダイヤ改正であさひの名称はときに改称される事になった。これに伴いあさひは定期列車としては廃止されてしまった。
ちなみに2008年6月には新潟~米沢間のキハ58系の急行あさひが、2012年10月にはE1系さよなら運転として新潟→東京間にMaxあさひがリバイバル運転された実績がある(ちなみに後者の下り列車はMaxときとして運転)。
新幹線あさひ誕生時の停車駅
駅名 | 本 数 |
大 宮 駅 |
熊 谷 駅 |
高 崎 駅 |
上 毛 高 原 駅 |
越 後 湯 沢 駅 |
浦 佐 駅 |
長 岡 駅 |
燕 三 条 駅 |
新 潟 駅 |
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あさひ | 4 | ● | ● | ● | ● | ||||||||||||||||
5 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||||||||||
2 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||||||||||
とき | 10 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||||||
新幹線合計 | 21 | 21 | 10 | 21 | 12 | 15 | 10 | 21 | 17 | 21 | |||||||||||
参考:上越新幹線開業前の上越線特急停車駅 | |||||||||||||||||||||
上越線特急合計 | 19 | 14 | 0 | 19 | 4 | 11 | 9 | 5 | 1 | 5 | 4 | 19 | 2 | 11 | 2 | 10.5 | 14 | ||||
内 訳 |
とき | 14 | 9 | 0 | 14 | 4 | 6 | 9 | 5 | 1 | 5 | 4 | 14 | 2 | 11 | 2 | 7.5 | 14 | |||
はくたか | 2 | 2 | 0 | 2 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | |||||||||
いなほ | 3 | 3 | 0 | 3 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 | |||||
駅名 | 上 野 駅 |
大 宮 駅 |
熊 谷 駅 |
高 崎 駅 |
渋 川 駅 |
水 上 駅 |
越 後 湯 沢 駅 |
六 日 町 駅 |
浦 佐 駅 |
小 出 駅 |
小 千 谷 駅 |
長 岡 駅 |
見 附 駅 |
東 三 条 駅 |
加 茂 駅 |
新 津 駅 |
新 潟 駅 |
※六日町駅は下り6本・上り4本停車。新津駅は下り8本・上り7本停車。はくたかは金沢駅発着のため長岡駅以北は経由せず、いなほは秋田駅・青森駅発着のため新津~新潟間は経由しない。いなほは上越新幹線開業後も1往復のみ特急鳥海と改称して上越線の特急として存続。
列車名の由来
年表
準急・急行あさひ
1960年11月 新潟~仙台間を米坂線・仙山線経由の準急としてあさひが1往復設定される。
新幹線あさひ
1982年11月 上越新幹線開業に伴い大宮~新潟間にあさひが11往復設定される。
停車駅は大宮(11/11) - 高崎(11/11) - 上毛高原(2/11) - 越後湯沢(5/11) - 長岡(11/11) - 燕三条(7/11) - 新潟(11/11)
1985年3月 新幹線上野開業に伴いあさひ全列車上野~新潟間の17往復に増発。
1988年3月 長岡駅で特急かがやきに接続する途中停車駅が長岡駅のみのあさひが上野~新潟間に2往復設定される。
1991年6月 新幹線東京開業伴いあさひは下り1本が上野駅発で残った以外は東京~新潟間の18往復となる。
1994年7月 2階建て車両のE1系新幹線電車を使用した2往復の名称をMaxあさひに変更。
1995年12月 あさひ2往復がMaxあさひに変更されMaxあさひは4往復となる。
1997年10月 長野新幹線開業のダイヤ改正で越後湯沢駅発着列車をたにがわ・新潟駅発着の列車をあさひとした事でときの名称が廃止される。
2002年12月 東北新幹線八戸開業のダイヤ改正であさひの名称をときとする事となったのであさひの名称消滅。
関連動画
関連項目
- 鉄道列車名一覧
- 白新線・米坂線・仙山線
- キハ58系
- 日本国有鉄道・JR東日本
- かがやき(列車)・はくたか(列車) - 民営化後に長岡駅・越後湯沢駅で新幹線と接続していた在来線特急。なお、両列車ともに北陸新幹線の列車名となった。
- さちかぜ(列車) - あさひ同じく似た列車名が運行されており誤乗が耐えなかった事が理由で改称された特急
東北・北海道・上越・北陸新幹線及び山形・秋田新幹線の車両 |
200系 - 400系 - E1系 - E2系 - E3系 - E4系 - E5系/H5系 - E6系 - E7系/W7系 - E8系 |
東北・北海道・上越・北陸新幹線及び山形・秋田新幹線の列車 |
東北・北海道: はやぶさ - はやて - やまびこ - なすの - あおば 上越: とき - たにがわ - あさひ 北陸: かがやき - はくたか - つるぎ - あさま 山形・秋田: つばさ - こまち ※下線付きは現在不使用 |
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