はくたかとは、
はくたか(在来線)の概要
現在国内の狭軌路線(1067mm)を走る特急の中では最高速で運転されている特急で、名前の由来は立山開山伝説に登場する白い鷹から取られている。
現在160km/h(ほくほく線内)で運転されていたが、これはほくほく線に踏み切りがない事やATS-P、GG信号を導入している事から行う事が出来ていた。また、狭軌路線では技術的にこれ以上の速度は困難であった。
なお、北陸新幹線金沢開業に伴い在来線特急の「はくたか」は2015年3月13日を以って廃止された。翌3月14日から北陸新幹線の列車名(停車タイプ)として使用されている。
はくたか号の歴史
国鉄時代
1965年10月にそれまでの白鳥号の上野~金沢間を分離させて「はくたか」が誕生した。この時の車両はキハ82系。
4年後には485系へと変更となり電車特急となる。その後489系へ変更される。1972年3月15日改正では11両編成(6号車は食堂車)で全車指定席。この当時から廃止まで直江津駅~高崎駅間を途中下車しない場合は信越本線経由の乗車券でそのまま乗車することが可能であった。また、定期列車1往復以外にも臨時便の51号が富山駅~上野駅間の夜行便として設定されていた。
当時の途中停車駅は高岡駅・富山駅・糸魚川駅・直江津駅・柏崎駅・長岡駅・高崎駅(臨時51号は長岡駅~上野駅間ノンストップ)。
1979年に1往復増発して2往復化。1982年6月時点では自由席を3両(10~12号車)設定した12両編成2往復があり、前述の停車駅以外に大宮駅・水上駅・魚津駅にも全停車し、上りは津幡駅にも停車。他に滑川駅・黒部駅のいずれかにも停車していた。同年11月の上越新幹線開業に伴い運転区間のうち上野駅~長岡駅間を新幹線に移行し、残りの区間は「北越」に統合される形で一度名称は消滅した。
国鉄時代停車駅 | 金 沢 |
津 幡 |
高 岡 |
富 山 |
滑 川 |
魚 津 |
黒 部 |
糸 魚 川 |
直 江 津 |
柏 崎 |
長 岡 |
水 上 |
高 崎 |
大 宮 |
上 野 |
1972.3/定期列車 | ◯ | ― | ◯ | ◯ | ― | ― | ― | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ― | ◯ | ― | ◯ |
1972.3/臨時51号 | ◯ | ― | ― | ― | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ― | ― | ― | ◯ | |||
1982.6(廃止直前) | ◯ | △ | ◯ | ◯ | △ | ◯ | △ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
JR西日本・北越急行・JR東日本時代
1997年3月22日に運転を開始。当初JR西日本は681系に限り「くろしおオーシャンアロー」「スーパー雷鳥(サンダーバード)」に倣い「はくたかホワイトウイング」という名称を提案するも北越急行とJR東日本の反対もあり全列車「はくたか」となる。これにより北越急行は独自の愛称を付ける事が可能となり自社の車両に「スノーラビット」という愛称を付けていた。一方、JR西日本は「ホワイトウイング」という愛称を付けていた。
運転開始時はJR東日本とJR西日本の485系も運用されてたが、最高速度が高い681系とのサービス格差が生じた為、JR西日本の485系は2002年に「サンダーバード」から転出した681系の置き換えにより運用から撤退、JR東日本の485系も2005年に北越急行が投入した683系8000番台1編成に置き換えられ運用から撤退した。これによりJR東日本は「はくたか」定期運用から撤退している。
なお、乗務員は直江津で交代した(直江津以西はJR西日本、直江津以東はJR東日本)。
ちなみに、「はくたか」決定以前に北越急行社内で提案されていた名称に「八海山」や「こしひかり」があった。
余談だが、JR西日本の681系はくたか編成はW編成を名乗っているが、金沢総合車両所から京都総合運転所へ転属した681系・683系サンダーバード編成も基本編成が金沢配置時のT編成からW編成を名乗るようになっている(京都配置の付属編成はV編成を名乗る)。
この結果、基本・付属の違いがあるものの2015年1月時点においてW01・W12・W13編成は金沢と京都に存在する事となった。(ただし京都配置のW01は681系1000番台6両なので基本編成同士)
2015年2月以降、JR西日本所有の681系の一部編成にはしらさぎ編成仕様の帯が追加され「White Wing」のロゴが消されて運用に就いていた。
先述の通り、在来線特急としての「はくたか」は北陸新幹線開業時に廃止されたが、金沢駅~福井駅間の分は特急「ダイナスター」に、金沢駅~和倉温泉駅間の分は特急「能登かがり火」に代替される。
在来線特急としてのラストランは3月13日越後湯沢21:30発→金沢0:03着の特急「はくたか26号」で、編成は683系8000番台N03+N13編成の9連であった。
「はくたか」データ(在来線)
- 車両:681系0・2000番台・683系8000番台・683系4000番台(臨時救援)(金沢総合車両所所属)
※かつては489系が臨時救援に入っていたが、その後臨時救援は683系4000番台に変更されていた。
なお、683系4000番台は北越急行線内で160km/h運転が出来ない為多少の遅れが発生した。 - 運行会社:JR西日本・北越急行・JR東日本
- 運用線区:北陸本線・信越本線・北越急行ほくほく線・上越線・七尾線(一部列車のみ)
- 運転区間:福井駅・和倉温泉駅・金沢駅~(ほくほく線経由)~越後湯沢駅
※路線状況などで長岡駅発着に変更される場合があり、その場合は20分程度の遅れが生じた - 運行開始日:1997年3月22日
- 運行終了日:2015年3月13日
- 最高速度:160km/h(北越急行線内)・130km/h(JR線内)
停車駅
列車によっては福井駅・和倉温泉駅発着となる場合もある。
福井駅発着の5号・24号は金沢~福井間において小松・加賀温泉・芦原温泉に停車。
和倉温泉駅発着の21号・6号は金沢~和倉温泉間において羽咋・七尾に停車。
編成図
福井・金沢・和倉温泉⇔越後湯沢(※はくたか7・23号、2・10号は6両編成)
なお、和倉温泉発着は3両(7~9号車)で、金沢⇔和倉温泉間の進行方向は逆向きとなる。
1号車 | 2号車 | 3号車 | 4号車 | 5号車 | 6号車 | 7号車 | 8号車 | 9号車 |
グリーン | 指定席 | 指定席 | 指定席 | 自由席 | 自由席 | 自由席 | 指定席 | 指定席 |
はくたか(新幹線)の概要
2013年10月10日に「はくたか」が在来線から名称を受け継ぎ、北陸新幹線東京駅~金沢駅間で運行される。当初各駅停車タイプの列車名として採用される事が決定した(公募1位)が、結局上越新幹線熊谷駅・本庄早稲田駅は全列車通過、安中榛名駅も1往復のみ停車とされ、「はくたか」は一部の駅を通過する準速達列車の列車として設定されることとなった(ただし後述の通り、北陸新幹線内完結の各駅停車タイプが1往復存在する)。そして2016年のダイヤ改正から安中榛名駅も全列車通過駅となった。
使用車両はE7系・W7系。運行会社はJR東日本・JR西日本。
運転本数は15往復。東京駅・上野駅・大宮駅・長野駅・上越妙高駅~金沢駅には全列車が停車し、高崎駅~上田駅・飯山駅は一部列車が停車する。なお、1往復は長野駅~金沢駅間のみ運行し、各駅に停車する。
また、その1往復の下り便である長野発金沢行きはくたか591号は2015年3月14日の開業時には長野→富山間を走行する新規開業区間下り一番列車となった。
尚、2014年9月8日未明にW7系W2編成を使用した長野発金沢行きの試運転列車では、駅構内の放送設備の試験も兼ねていた為、「はくたか881号」として運転された。
2024年3月16日の北陸新幹線敦賀延伸以降は5往復が東京~敦賀間で運転される(9往復は引き続き金沢発着、1往復は長野~金沢間の区間運転)。
なお、敦賀まで延長する5往復は上越妙高駅から敦賀駅までのJR西日本区間は各駅に停車する。
「はくたか」データ(新幹線)
停車駅(他列車との比較)
列車名 | 東京駅 | 上野駅 | 大宮駅 | 熊谷駅 | 本庄早稲田駅 | 高崎駅 | 安中榛名駅 | 軽井沢駅 | 佐久平駅 | 上田駅 | 長野駅 | 飯山駅 | 上越妙高駅 | 糸魚川駅 | 黒部宇奈月温泉駅 | 富山駅 | 新高岡駅 | 金沢駅 | 小松駅 | 加賀温泉駅 | 芦原温泉駅 | 福井駅 | 越前たけふ駅 | 敦賀駅 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
かがやき | ● | ▲ | ● | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ● | ― | ― | ― | ― | ● | △ | ● | ▲ | ▲ | ▲ | ● | ▲ | ● |
はくたか | ● | ● | ● | ― | ― | ▲ | ー | ▲ | ▲ | ▲ | ● | ▲ | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
つるぎ | ● | ● | ● | ▲ | ▲ | ▲ | ● | ▲ | ● | |||||||||||||||
あさま | ● | ● | ● | ▲ | ▲ | ● | ▲ | ● | ● | ● | ● |
(●:全列車が停車、▲:一部列車が停車、△:臨時列車の一部のみ停車、―:全列車が通過)
編成図
1号車 | 2号車 | 3号車 | 4号車 | 5号車 | 6号車 | 7号車 | 8号車 | 9号車 | 10号車 | 11号車 | 12号車 |
自由席 | 自由席 | 自由席 | 自由席 | 指定席 | 指定席 | 指定席 | 指定席 | 指定席 | 指定席 | グリーン | グランクラス |
年表
国鉄時代
1965年10月1日 「白鳥」から系統分割され、上野駅~金沢駅間(信越本線経由)で特急「はくたか」1往復が運転開始。
1969年10月1日 編成をキハ82系から485系に変更。また経路を上越線長岡駅経由に変更。
1972年3月15日 489系登場により長野駅経由の「白山」が誕生。メインルートを「白山」に渡す。
1982年11月15日 上越新幹線開業に伴い区間縮小の上、「北越」に吸収され廃止。
JR西日本・北越急行・JR東日本時代 「在来線最速160km/h」
1997年3月22日 北越急行ほくほく線開業。越後湯沢駅~金沢駅・福井駅・和倉温泉駅間で特急「はくたか」10往復が運転開始。
1998年12月8日 ほくほく線内の最高速度を150km/hに引き上げ。
2002年3月23日 ほくほく線内の最高速度を日本の在来線最速の160km/hに引き上げ。また、1往復増発され11往復となり、JR西日本の485系が運用から撤退。
2005年3月1日 北越急行683系8000番台が運用開始。それに伴い、JR東日本485系3000番台が運用撤退。本数も1往復増発され12往復となる。
2015年3月13日 北陸新幹線金沢開業に伴い、特急「はくたか」廃止。
北陸新幹線 「翼は消えず、生まれ変わる。」
2013年10月10日 JR東日本及びJR西日本が、北陸新幹線の愛称として東京駅~金沢駅間直通停車タイプの列車の名称を「はくたか」と発表。
2015年3月14日 北陸新幹線金沢開業。東京駅~金沢駅間14往復、長野駅~金沢駅間1往復で新幹線「はくたか」が運行開始。
2024年3月16日 北陸新幹線敦賀開業に伴い、敦賀駅まで運転区間を延長。
お絵カキコ
681系2000番台 スノーラビット |
関連動画
在来線
在来線最終日(2015年3月13日)
新幹線
関連項目
- JR西日本・北越急行
- 北越急行ほくほく線
- 北陸新幹線
- 681系・683系
- かがやき …在来線時代ははくたかと同じ役割を持ち運行され、新幹線としてはくたかと同じ線路の上を走る列車
- スノーラビット(列車) …北陸新幹線金沢開業後のほくほく線の最速達列車
- 鉄道列車名一覧
- スカイライナー…最高速度が同じ160km/h。但しこちらは新幹線と同じ標準軌である。
- 今週の扉絵・第108回
北陸へ向かう特急・急行 |
雷鳥・サンダーバード─しらさぎ─はくたか─北越─北陸─能登─ひだ |
東北・北海道・上越・北陸新幹線及び山形・秋田新幹線の車両 |
200系 - 400系 - E1系 - E2系 - E3系 - E4系 - E5系/H5系 - E6系 - E7系/W7系 - E8系 |
東北・北海道・上越・北陸新幹線及び山形・秋田新幹線の列車 |
東北・北海道: はやぶさ - はやて - やまびこ - なすの - あおば 上越: とき - たにがわ - あさひ 北陸: かがやき - はくたか - つるぎ - あさま 山形・秋田: つばさ - こまち ※下線付きは現在不使用 |
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