──そんなことないよ。
年下だって、みんなの
ちゃんとお姉さんになれる。
そもそも、年下のお姉さんなど──存在そのものが矛盾しているッ!とは、"学園アイドルマスター"に登場するアイドル 白草四音の台詞である。
概要
お姉さんアイドル 姫崎莉波
かつて妹系アイドルとしてデビューしたが花開かず、そのまま燻っていた姫崎莉波。だが幼馴染のプロデューサー(学マスP)と再会し、彼のプロデュースによって莉波はお姉さんアイドルとして再びステージに立つことができたのだった。
N.I.A編
莉波の目標であるH.I.Fに向けてさらなる研鑽が必要だと考えた学マスPは、複数の学校が参加するイベント『NEXT IDOL AUDITION(N.I.A)』への参加を提案。参加を決めた莉波のために学マスPはお姉さん力強化週間を画策した。N.I.Aでは如何にファンを獲得できるかが重要であり、そのためにはメディア露出や営業といったアイドル自身のアピールが必須となる。二人は動画の公開やASMRの配布で莉波のお姉さん力を周知し、ファン数を増やしていく。
白草四音
だがある日、ファンの増加に翳りが見えてしまう。それは「暴かれた真実。みんなのお姉さんは偽物のお姉さんだった......!?」という動画が投稿されたことが原因だった。そこに映っていたのは、かつて妹アイドル─『Love☆しすたぁず』のメンバー リナぽよとして活動していた頃の莉波の姿。動画を見た莉波はショックを受けてしまう。それはうまくいっていなかった妹アイドルの頃を暴露されたからではなく、当時は彼女なりにユニットメンバーと一緒に本気で活動していたという大切な思い出なのに、それを侮辱されたように感じてしまったからだった。その様子を見た学マスPは珍しく怒りを露わにして四方を駆けずり回り、ついに動画を投稿した犯人が極月学園のアイドル 白草四音だと突き止めた。さらに四音に直接電話をかけ「姑息な手を使わず正々堂々と勝負すべき」「負けるのがそんなに怖いのか」と焚き付ける。四音はまんまと乗ってしまい、莉波と四音はオーディションでぶつかることになるのだった。
14話
N.I.Aオーディションのひとつ『QUARTET』で四音とぶつかることになった莉波。事前に四音のステージでの映像を確認していた莉波は、彼女のパフォーマンスに圧倒されたと学マスPに語った。そこへ四音が現れ、早速莉波を嘲笑し始める。そんな彼女に「才能と実力があるのに、なぜあのような手段を取ったのか」と莉波は問いかける。すると、せせら笑っていた四音の表情が突然暗くなる。
──フン、目障りなんですよ。
お姉さんアイドルなどという、ふざけた存在が。
先程までの上から見下すような態度とは違う、強い拒絶を感じさせる雰囲気を放つ四音。
優しくて、気立てがよくて、
包容力のあるお姉さんだと...?
そんな姉など──
この宇宙に存在するはずがないっ!
姉とは絶対的な圧政者。
力と恐怖の象徴──
......な、なにを言っているの?
四音の豹変振りに、莉波は動揺してしまう。
流石の学マスPも「お姉さんの認識がかなり歪んでいるようですが」と困惑を隠せない。お前が言うな。
......ボクは認めない。
姫崎莉波、おまえのような──
欺瞞に満ちたお姉さんアイドルなど。
そもそも、年下のお姉さんなど──
存在そのものが矛盾しているッ!
だが莉波は、はっきりと自信満々に答える。
──そんなことないよ。
年下だって、みんなの
ちゃんとお姉さんになれる。
さらに学マスPが続ける。
お姉さんかどうかは、実際の
年齢とは関係ありません。
誰しも、心の中に理想の
お姉さんが存在する。
姫崎さんのライブでは、誰もが
そんな理想のお姉さんを──
年齢も性別も関係なく、
応援することができるんです。
二人の世迷い言真っ直ぐな眼差しに我に返ることができたのか、四音は冷静さを取り戻し「その愚かな幻想はボクがQUARTETの舞台で叩き潰してあげます」と捨て台詞を吐いて去っていった。
姉
四音はN.I.A編で黒井社長の手駒として初星学園に敵対してくる悪役であり、他のアイドルのコミュにも登場して煽ったり妨害活動をしてくる卑怯なキャラクターとして描かれている。その行動の裏には彼女自身のコンプレックスが隠れており、莉波N.I.A編では「姉」に対する四音の劣等感が中心に描かれている。
四音の姉 月花は海外を中心に活動する極月学園のトップアイドルであり、四音を含む他者に対して不遜とも言える態度を取っている。そして彼女の実力は間違いなくトップレベルであり、四音は常にそんな才能の塊と比較され、劣等感を抱えて生きてきたのだ。四音の台詞通り、月花という「姉」は「絶対的な圧政者であり、力と恐怖の象徴」だった。故に、莉波のような「みんなから愛される優しいお姉さん」という存在は四音の価値観を根底から否定するような存在であり、理解ができず拒絶してしまったのだと推測できる。
四音がコンプレックスをさらけ出すというとてもシリアスなシーンのはずなのだが、
- これまであまりにも卑劣な妨害をしてきた四音が「年下のお姉さんなんておかしい」と極めて当たり前の指摘をしたこと
- 名探偵津田みたいな形相になる四音
- 取り乱す四音を見て、「そんなことないよ」と笑顔で諭す莉波
- お姉さんの概念や理想のお姉さんを語りはじめる学マスP
- 二人にドン引きして冷静になれたのか、急に調子を取り戻す四音
という、狂気じみた問答でシリアスなギャグシーンと化してしまったのである。
関連動画
関連項目
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