全員悪人。
概要
2010年6月12日日本公開。
12月3日、DVD発売。
第63回カンヌ国際映画祭コンペティッション部門正式出品作品。
北野映画に満ちる暴力の原点となった「その男、凶暴につき」や「ソナチネ」などのヤクザ・暴力映画への回帰を果たした作品。
たけしに加え、北村総一郎、國村隼、椎名桔平、石橋蓮司、小日向文世などの豪華キャストが召集され、ヤクザ同士の抗争の中で、悪人達が次々と殺しあうバトルロイヤル映画となっている。
52コノヤロー・13バカヤローと、北野映画の中でも圧倒的なコノヤロー・バカヤロー数を誇る。
物語
関東一円を支配する巨大ヤクザ、山王会。
直参の池元組々長・池元は、直系でもない弱小ヤクザ・村瀬組を締めるよう命令される。
村瀬と兄弟分の杯を交わしていたのがバレてしまったのだ。
会の中で追い込まれた池元は、配下の大友組々長・大友(たけし)に締める役割を押し付けた。
この事件が発端となり、山王会の内外で凄惨な争いが巻き起こっていく……。
評価
国内マスコミは概ね高評価をしており、原点回帰と暴力描写を評価している。
映画評論家の町山智浩と、タレントの水道橋博士は、「完全に昔に戻ってる」「たけしさんが自分を抑えてて良い」「小日向さんのシーンは日本映画史に残る」「批評家に振り回されるような迷いが消えている」「ソナチネが芥川賞ならば、アウトレイジは直木賞」などと絶賛している。
一方、カンヌ国際映画祭で公開されると、一般観客にはスタンディングオベーションで迎えられたものの、地元スクリーン誌の星取表では5点満点中0.9の低評価、テクニコート誌においても絶賛する評論家がいる一方で「こんなものを見るために映画館に行くな」と警告する評論家もおり、評価は「否」が多い状態で分かれてしまっている。
低評価の主な原因は、新鮮味の無さにあると言われる。ヤクザ達が親や敵からのどうしようもない圧力によって破滅的な結末へ向かっていく……というプロットは、『ソナチネ』そのままであり、過去作の焼き直しにしか見えないという意見にも一理ある。
しかし、アメリカのバラエティ誌は、「この乾いた暴力とバイオレンスな世界は、再びキタニストを熱狂させるだろう」と評しており、キタノ映画ファンを喜ばせる映画であるとしている。
続編
- 「キャストもぴったりはまっていて、面白い作品に仕上がったとは思う。ただ、細かく分析してみると、実は合格点ギリギリの出来なんだよ。自己採点すると、60点くらいかな。もっと面白く、もっと楽しめる、もっと完成度の高いエンターテイメント作品に出来たはず。この思いを、次にぶつけたいね」
とコメントしており、前作以上にさらにパワーアップさせる決意を見せていた。
1作目と同じく、ワーナー・ブラザーズ映画とオフィス北野が共同で制作。
2012年10月6日に「ビヨンド」が、2017年10月7日に「最終章」が公開された。
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関連項目
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