イボ・カルロビッチ(Ivo Karlovic)とは、クロアチアのテニス選手である。カロビッチと表記される場合もある。
概要
Ivo Karlovic | |
基本情報 | |
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国籍 | クロアチア |
出身地 | クロアチア:ザグレブ |
生年月日 | 1979年2月28日 |
身長 体重 |
211cm 104kg |
選手情報 | |
利き手 | 右 |
バックハンド | 片手打ち |
デビュー年 | 2000年 |
テニス選手テンプレート |
アンディ・ロディックと並んで2000年代のテニス界を代表するビッグサーバーとして知られる。90年代の集計開始以来、歴代2位、3位となる年間サービスエースを2007年、2015年に記録。また2009年には当時の1試合でのサービスエース記録である78本を記録している。2014年に入って3セットマッチでの1試合サービスエース数最多タイとなる44本を記録していたが、2015年にはこの記録を更新する3セット45本のエースを達成。同年9月、北京の大会で集計開始以降の通算エース数最多記録、ゴラン・イバニセビッチの10237本を更新した。2016年には全米オープンで大会マッチ記録となる61本のエースを叩き込んでいる。ジョン・イズナー、ミロス・ラオニッチなど、下の世代にも有力ビッグサーバーが出てきているが、エースを奪う能力に関しては未だに現役最高の選手といえるだろう。ATPで一番の長身からネット上では大先生と呼ばれている。
2003年のウィンブルドンで200位台のランキングから予選を勝ち上がり本戦に出場。ディフェンディング・チャンピオンであるレイトン・ヒューイットとのオープニングマッチでまさかのアップセットを起こして一躍注目を集める。ウィンブルドンでは前年度男子シングルス優勝者がセンターコートでのオープニングマッチに組まれるのがしきたりになっているが、ディフェンディング・チャンピオンが初戦で負けたのはオープン化後では初のことである。
この年から数年は100位から50位辺りを浮き沈みしていたが2007年にツアー初タイトルを含む3勝を挙げて22位まで浮上。翌年にも1勝を挙げてキャリア最高の14位を記録している。2010年に故障でシーズンの多くを欠場してからは40位辺りから150位以下まで非常に大きなアップダウンを繰り返していた。2013年4月にはウイルス性髄膜炎を発症、一時は意識を失い、その後も自分の名前が判らない状態がしばらく続いたという。しかし7月に復帰するとボゴタで自身5年ぶりとなる優勝を挙げ、一気に60人以上抜いてTOP100に復帰した。2014年は優勝こそ無かったものの決勝進出4回が効いて、ウィンブルドンと全米オープンではシードが付くところまで再浮上してきている。2015年以降も概ねシード圏内のランキングを守ってきたが、2017年は大きな大会での早期敗退が目立ち、ややランキングを落とした。
2011年の全豪オープン1回戦では48本ものエースを叩き込みながら負けるという離れ業を演じたが、「ある意味平常運転」と安心していたファンもいたようだ。同年3月5日にはデビスカップのダブルスで251km/hの史上最速サーブ(従来の記録はロディックの249km/h)を記録しながらやっぱり負けている。2015年、歴代最多エースを更新した北京の2回戦でもやはり負けている。
2012年2月のデビスカップ1回戦では日本との対戦で来日し、単複にフル回転の活躍を見せた。シングルスでは錦織圭、添田豪の2人と対戦したが、2試合とも圧倒的なサーブ力でブレイクポイントを1度も握らせずに勝利している。
30歳を超え、テニス選手としてはキャリア晩年にあると言えるが、今後も楽しませて欲しい選手である
こんな凄いサーブがあるのに最高14位って低くない?
ATP公式サイトには世界ランキング以外に集計データのランキングも掲載されており[1]、カルロビッチはサービスエースの項目では上位の常連になっている。特に注目したいのは試合数で、似たような数字を残している選手と比べて非常に少ない試合数でランクインしていたりする。通算のエース数は1位に立ったが、試合数は3位ロジャー・フェデラーの4割程度、5位ピート・サンプラスの半分強である。近年は順位を落とし気味だったが、2014年は好調で試合数が増えたため、5年ぶりに年間エース数1位でシーズンを終えた。2015年は自身が持っていた歴代2位の年間エース数を大幅に更新する1447本のエースを記録、イバニセビッチが持つ歴代年間最多記録に僅か30本というところまで迫った(並の選手ならともかくカルロビッチなら1試合で更新できてもおかしくない数字である)。2016年はイズナーに抜かれたが、最後まで年間エース数1位を争った。これだけエースを量産できる選手が何故TOP10に入れないのだろうか?
ビッグサーバーの系譜
クロアチアの選手にはビッグサーバーが多い。イバン・リュビチッチ(最高ランキング3位)が2006年の年間サービスエース数1位を記録しているほか、マリオ・アンチッチ(最高ランキング7位)もサービスエースランキングに顔を出していた。これは同国の先輩であるイバニセビッチ(最高ランキング2位、2001年ウィンブルドン優勝)の影響が強いと思われる。イバニセビッチは左利きからのクイックサーブでエースを量産した稀代のエース・マスターであり、年間でのサービスエース記録(96年、1477本)保持者である。2001年のウィンブルドンでは故障でランキングを落としていたためワイルドカードでの出場だったが、大会記録となる213本のエースを記録、4度目の決勝進出にして悲願の優勝を果たしている。
主な実績
- ATPランキング最高14位
- 1試合でのサービスエース78本(当時の最多記録、現在歴代3位)
歴代1位、2位は2010年ウィンブルドン1回戦ジョン・イズナー対ニコラ・マウ戦におけるイズナーの112本、マウの103本である。この試合は日没中断を挟み3日間計11時間以上に及び、試合時間、総ゲーム数など多くの記録が生まれた。 - 3セットマッチでの1試合サービスエース45本(歴代最多)
2015年ハーレ準々決勝で達成。1995年クアラルンプールのマーク・フィリポーシスと2014年に自身がザグレブで記録した44本を更新。フィリポーシスは90年代から2000年代前半に活躍したビッグサーバーで「スカッドサーブ」と呼ばれる弾丸サーブが有名だった。 - 年間サービスエース1447本(2015年、歴代2位)
歴代1位は上述の通り96年イバニセビッチの1477本。 - イバニセビッチが保持していた通算サービスエース「10237本」を更新。
関連動画
しかしこのサーブをもってしてもロジャー・フェデラーやラファエル・ナダルに勝つのは至難の業のようだ。
関連商品
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関連項目
- テニス
- ゴラン・イバニセビッチ - 同国の先輩ビッグサーバー
- レイトン・ヒューイット - ウィンブルドンで大アップセットを食らわせた相手
脚注
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