コーカサスオオカブトとは、昆虫綱コウチュウ目カブトムシ亜科のカブトムシである。
概要
東南アジア地域に見られる、高地の涼しい土地に生息する巨大なカブトムシで、3本の角を持つのが特徴。体は鈍い緑色の光沢をしている。アトラスオオカブトと似ているが、主に色や角の微妙なトゲで見分けを付ける。ちなみにほとんどの巨大カブトムシ(ヘラクレスオオカブトなど)は南米大陸に生息し、東南アジアに生息するカブトムシで10センチ以上にまで成長するのはコーカサスオオカブトの仲間だけである(代わりに東南アジアは多種多様なクワガタムシが生息するクワガタの聖地である)。
しばしば世界最強のカブトムシと言われる。その所以はコーカサスオオカブトの凶暴さである。世界最大のカブトムシであるヘラクレスオオカブトは比較的温和な性格であるが、コーカサスオオカブトはとにかく気性が荒い。普通カブトムシはあまりメスを攻撃したりすることはないが、コーカサスオオカブトは邪魔なヤツなら例えメスであっても容赦なく殺してしまう冷酷さを持つ。
立派な3本の角がこれまた凶悪である。一度相手を挟み込むと、角の返しで相手をがっちり掴みこむ。そして木から怪力で引き剥がし、放るのである。返しが付いているので相手は引っ張って逃げようにも逃げられず、暴れれば暴れるほどがっちりロックされてしまう。場合によってはこの返しから逃げられず、締め上げられて弱ってしまうor死んでしまうことすらあるのだ。
ちなみに体重もかなり重く、踏ん張りに関してはなかなか定評がある。爪も鋭い。
飼育
はっきり言って難しい。凶暴であるため、下手をすると流血沙汰になることもある(人間が)。鋭い爪が腕に食い込む事故の他に、前胸部と後胸部の間のカミソリのような部分に指の肉を持っていかれることもある。
気温の調節も難しく、元の生息地の関係で日本のクソ蒸し暑い環境の中ではコーカサスオオカブトは生き残れない。人工孵化も難易度が高く、寿命管理も大変なので、安価な値段に反してあまりオススメは出来ない。
しかし、いくら生き残るのが難しいからといって、コーカサスオオカブトを日本の野に放つのはご法度である。飼育が難しいというだけで生きている間は平気で日本の昆虫の生態系を脅かしかねない凶暴さを持っているのだから。
キロンオオカブト?
最近までコーカサスオオカブトの学名はChalcosoma caucasusだったが、caucasusよりchironのが先なんだぜという事がわかり、Chalcosoma caucasusからChalcosoma chironへと変更された。
→詳しくはWikipedia参照
そんな訳で和名も「キロンオオカブト」とすることが提唱されている。ダサくね?
ともあれネット上ではこれまで通りのコーカサス表記とキロン表記が混在している状況となっている。
ヘラクレスオオカブトとの勝負に関する考察
人気者、ヘラクレスオオカブトの対抗馬として、このコーカサスオオカブトがあがることは大変多い。コーカサスの肩書きがそれだけ大きいが故であろう。
しかし、昆虫の対決ビデオなどをみていると、コーカサスがヘラクレスオオカブトに負けてしまう場面もよく見られる。ヘラクレスオオカブトは世界最長のカブトムシであって、最強と言われているわけではない。だが、比較的おとなしめな性格のヘラクレスに、コーカサスが負けるシーンがよく見られることも事実。
もしやコーカサスオオカブトの最強の称号は最強(笑)なのか?
否、必ずしもそうではない。
ヘラクレスオオカブトの武器は長大なリーチを持つ角である。一方コーカサスは日本産のカブトムシに比べれば十二分に長いとはいえ、ヘラクレスオオカブトやネプチューンオオカブトには及ばない。このリーチの差こそが、敗因であることは言うまでもない。人間が行うカブトムシ相撲と言えば真正面からのぶつかり合いであり、ヘラクレスとの対戦ではコーカサスオオカブトにとって最初から不利な状態でのスタートとなるのである。もっともこれはカブトムシ相撲のルールであるからして仕方ないのだが、多少立ち回りの余地を与えたステージにしたうが、コーカサスオオカブトにとってはよりフェアな戦場となるだろう。しかし、カブト相撲に関してはヘラクレスオオカブト一強と言っても良いところまで専門家の意見は一致しつつある。 カブト相撲における最強の称号は、ただの過去の栄光となっていっているのが現実であろう。
逆にリーチさえ勝っていれば、コーカサスはほとんど無敵の殺戮マシーンと化す。つまりコーカサスオオカブト寄りの観点で言えば彼の最強の座は異種格闘技戦的な意味合いもあるのかもしれない。実際、重ね重ね記すようにコーカサスオオカブトの凶暴性はカブトムシの仲間でも随一である。
トリビアの泉での対戦でも見られたように、日本産のカブトムシのような、強力な一本刀を持つ相手には意外とひっくり返されることもある。しかしそれは日本産のカブトムシの角の特異さ(掬いやすいように枝分かれしている点)からくるものなので、やりづらさもあるのだろう。実際件のトリビアにおいても、国産のカブトムシはヘラクレスオオカブトを大きく跳ね飛ばす形で一度は負かしている。
最強という肩書きや、その頑強な外見から人気は高く、最強級キャラのモチーフとしてもよく用いられている。
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