シェイク・タミーム・ビン・ハマド・アール・サーニー
とは、カタールの国家元首である。
本項では以下、タミーム首長殿下と表記する。
経歴
1980年6月3日、カタールの首都ドーハで生まれる。
1998年、英国のサンドハースト王立陸軍士官学校
卒業。この学校は各国の王族・貴族が教育を受けて卒業していく名門学校である。湾岸諸国の君主の子弟は同じ君主制の英国の学校に学ぶことが多いが、その典型例と言える。
2013年6月25日、父のシェイク・ハマド・ビン・ハリーファ・アール・サーニーより譲位され、首長(アミール)となった。
2018年現在、世界で最も若い君主である。
施策
首長即位前よりスポーツイベントへ注力している。2005年にオリックスカタールスポーツインヴェストメンツ(QSI)を設立した。
QSIは2011年5月にフランスの強豪サッカークラブであるパリ・サンジェルマンの株式の70%を取得した。2012年には100%株主となり、完全に同クラブを保有することになった。タミーム首長殿下の友人であるナーセル・アル・ヘライフィーが同クラブの会長となり、豊富な資金で高額選手を集めていったのは記憶に新しい。ネイマールの獲得もQSIの意思による。
2006年ドーハで行われたアジア競技大会
で組織委員長をつとめた。これは同国史上最大のスポーツイベントだった。
2008年から競馬の凱旋門賞のメインスポンサーにカタールの政府系ファンドが就任した。2021年も引き続きメインスポンサーで、ゴール板前はカタールのえんじ色で染まっている。
2010年に2022 FIFAワールドカップ開催を勝ち取っている。
モータースポーツへの投資も積極的で、二輪レースの最高峰であるMotoGPはロサイル・インターナショナルサーキットにて2004年から毎年開催されている。MotoGP運営者のドルナへの資金援助も手厚く、ドルナはカタールに対して足を向けて寝られない。
2018年3月18日ロサイルサーキットを訪問
2018年のMotoGP開催時にタミーム首長殿下が、ロサイル・インターナショナルサーキットを訪問された(動画
)。
タミーム首長殿下はカタール政府の投資話を決定する立場の方であり、すなわちMotoGPの大恩人である。失礼のないよう、タミーム首長殿下の名前・肩書きなどを解説しておきたい。
H.H.Sheikh Tamim bin Hamad Al Thani とある。
H.H.はHis Highnessの略
で、殿下と訳する。
Sheikhはアラビア語読みでシャイフ、英語読みでシェイクと読み、知識ある優れた人という意味。砂漠地方のアラブ諸国は高温になったり日照りが続いたり砂嵐が巻き起こったりと過酷な世界である。そういう過酷さを上手に回避する賢さが何よりも求められる。知識があって賢いということが最上級の賞賛になる。貴人に対してはSheikhという称号を使う。
bin Hamadは「ハマドの息子」という意味。ハマド
はカタールの先代首長殿下である。
Al Thaniは「サーニー家の一員」という意味。サーニー家
はカタール首長を世襲する一家。
Emir of State of Qatar とある。 これはカタール国(State of Qatar)の君主という意味。
アラブ諸国はほとんど君主制で、Emir(アミール)かMalik(マリク)のどちらかを名乗る国が多い。アミールは首長、マリクは王と日本語に翻訳される。
アミールが格下でマリクが格上かというと別にそんなことはなく、アミールは軍司令官、マリクは支配者という意味で、どちらも古くからある立派な称号である。
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関連項目
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